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通院をやめた時期がある場合の障害年金申請|空白期間が審査に与える影響と対処法

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法、国民年金法施行規則、日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。

この記事の結論

通院をやめた時期(空白期間)があっても、それだけで障害年金の申請ができなくなるわけではありません。

空白期間が長いと「症状が改善した」「社会的治癒」とみなされるリスクがありますが、空白期間の長さや理由、当時の状態を具体的に伝えれば対処できます。

病歴・就労状況等申立書への具体的な記載と、当時の生活状況を示す記録の準備が、対策の中心になります。

「一時期、病院に行けない時期がありました。それでも障害年金は申請できますか?」こうしたご相談を、当センターではよく伺います。通院を続けることは、体力的にも精神的にも、決して簡単ではありません。「症状が少し落ち着いたから」「病院に行く気力がなくて」「経済的に通えなくなって」そうした理由で通院が途切れる時期は、多くの方に経験があります。

この記事では、通院の空白期間が障害年金の審査にどのような影響を与えるのか、そしてどう対処すればよいのかをお伝えします。

目次

通院をやめた時期があると、なぜ審査に影響するのですか?

障害年金の審査は、診断書や病歴・就労状況等申立書をもとに障害の状態が継続しているかどうかを確認する「継続した療養」を前提としており、通院が途切れた期間があると「その間は症状が改善していたのではないか」と判断される可能性があります。通院記録は、その継続性を示す重要な証拠のひとつだからです。

空白期間が長いほど「社会的治癒」とみなされるリスクがある

通院の空白期間が長期にわたる場合、「社会的治癒」とみなされることがあります。社会的治癒とは、医学的に完治していなくても、症状が安定して社会生活を送れている状態が一定期間続いた場合に、いったん治癒したものとして扱う考え方です。社会的治癒と判断されると、空白期間後に再び受診した日が新たな初診日として扱われ、以前の納付記録が活かせなくなったり、遡及請求が難しくなったりするケースがあります。

社会的治癒は、必ずしも不利になるとは限らない

社会的治癒は、請求者にとって不利にばかり働くわけではありません。もともとの初診日で保険料納付要件を満たせなかった場合や、初診日が国民年金加入中だった場合でも、社会的治癒が認められれば、再発後の初診日を基準に、要件を満たせたり、より受給額の多い障害厚生年金を請求できたりする可能性があります。空白期間の長さだけで一律に不利と決めつけず、内容を整理したうえで判断することが大切です。

空白期間があれば、もう申請できないのですか?

通院の空白期間があっても、それだけで障害年金の審査が通らなくなるわけではありません。空白期間の長さや理由、その前後の症状の状態によって、審査への影響は大きく異なります。「通院していない時期があったから、もう申請できない」と思い込んでいる方もいらっしゃいますが、それは必ずしも正しくありません。

通院を中断した理由審査での見え方
症状が重くて通院できなかった「症状が改善した」のではなく「悪化していた」ことを示す方向で説明できる
経済的な理由・通院手段がなかった症状の改善とは無関係な事情として、正直に申立書へ記載すべき
「治った気がして」自己判断でやめた社会的治癒のリスクが高まるが、その後再発・再通院していれば経過として説明できる場合がある
通院を中断した理由を社労士に相談する様子

ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか

障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。

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空白期間がある場合、申立書にはどう書けばいいですか?

通院していない期間についても、当時どのような状態だったかを具体的なエピソードで記載することが重要です。病歴・就労状況等申立書は、初診から現在までの経過を自分の言葉で説明できる唯一の書類であり、日本年金機構への裁定請求書に添える診断書とあわせて(国民年金法施行規則第31条第2項第4号)、審査担当者が状況を把握する材料になります。

通院していなかった期間のことは、何を書けばいいのか分かりません。「特に何もなかった」としか書けない気がします。

社労士

「〇年〇月〜〇年〇月は、外出できない状態が続き通院を中断していた。食事もほとんど取れず、入浴もできない日が続いていた」というように、生活の実態を具体的なエピソードで書くことが大切です。審査官はこの申立書を丁寧に読んでいますので、伝わるように書く意識を持ちましょう。

通院していない期間を補う記録には、どんなものがありますか?

家族や友人とのメッセージ記録、日記やSNSの投稿、当時の勤怠記録、家族や支援者からの陳述書・第三者証明などが、当時の生活実態を補足する資料として活用できることがあります。これらは診断書の代わりにはなりませんが、申立書とあわせて示すことで説得力が増します。

当時の状態を示す記録を整理する様子

現在の主治医に当時の経緯を正直に話す

現在かかっている主治医に、通院していなかった時期の状況を正直に話しておくことも重要です。「あの時期も実は症状が続いていた」という事実を主治医が把握していれば、診断書にその経緯を反映してもらえる可能性があります。「先生に通院していない時期のことを話したら怒られそう」と感じる方もいらっしゃいますが、主治医は責める立場ではなく、申請を正しく進めるための情報共有として率直に話してみてください。

よくある質問

Q. 社会的治癒と判断されると、具体的に何が変わりますか?

A. 空白期間後に再受診した日が新たな初診日として扱われます。加入していた年金制度や保険料納付状況が変わり、有利になる場合と不利になる場合の両方があります。

Q. 経済的理由で通院できなかったことは、正直に書いても不利になりませんか?

A. 不利になりません。経済的な理由は症状の改善とは無関係な事情であり、正直に記載することが適正な審査を受けるために重要です。

Q. 通院記録がなくても、家族の証言だけで申立書は認められますか?

A. 家族の陳述書は補足資料として活用できますが、それだけで審査結果が決まるわけではありません。申立書本文での具体的な記載と組み合わせることが重要です。

Q. 寛解と再発を繰り返す病気の場合、毎回の空白期間を全部説明する必要がありますか?

A. はい。期間が空くたびに、その時期の状態を簡潔にでも記載しておくことで、症状の波としての経過が伝わりやすくなります。

まとめ:空白期間は「説明できる」ことが大切

通院をやめた時期があっても、それだけで障害年金の申請が閉ざされるわけではありません。大切なのは、空白期間の「理由」と「当時の状態」を正確に伝えることです。「恥ずかしいから書きたくない」「あの頃のことは触れたくない」と感じる方も少なくありませんが、生活の実態を正直に伝えることが、適正な審査を受けるための権利です。「あの頃のことを正直に話してよかった」と感じていただけるよう、社労士として丁寧にサポートします。一人で抱え込まず、まずはご相談ください。

来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

障害認定基準(日本年金機構)
障害年金(受給要件・請求時期・年金額)(日本年金機構)

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
登録番号第37250012号 香川県社会保険労務士会会員
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