監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は日本年金機構の公表資料(2026年3月更新)に基づき作成しています。
この記事の結論
障害年金の請求書(裁定請求書)は、2026年7月時点でマイナポータルによる電子申請の対象になっていません。
マイナポータルで電子申請できるのは、老齢年金請求書・年金生活者支援給付金請求書・年金受取機関変更届・扶養親族等申告書に限られます。
障害年金は診断書や病歴・就労状況等申立書など紙でのやり取りが中心のため、初回の申請は年金事務所への郵送または窓口提出が基本です。
「年金の手続きもマイナポータルでできるようになったと聞いたけれど、障害年金の申請もスマホだけで完結するのだろうか」というご質問を、当センターでもよくいただきます。
結論からお伝えすると、2026年7月時点では、障害年金の請求そのものをマイナポータルだけで完結させることはできません。一方で、年金に関する他の手続きは電子申請の対象が広がってきているため、「障害年金だけが取り残されている」ように感じる方も少なくないと思います。
この記事では、マイナポータルでできること・できないことを整理し、障害年金の申請を進める際の現実的な進め方をご紹介します。
障害年金の申請は、マイナポータルで電子申請できますか?
できません。障害年金の請求書(裁定請求書)は、2026年7月時点で電子申請の対象になっていません。

日本年金機構が明示している対象届書
日本年金機構の公式ページ(2026年3月更新)では、マイナポータルで電子申請できる届書が具体的に列挙されていますが、その一覧に障害年金の請求書は含まれていません。
| 届書 | マイナポータルでの電子申請 |
|---|---|
| 老齢年金請求書(はじめて請求する場合) | ○ |
| 老齢年金請求書(65歳前から受給中の場合) | ○ |
| 年金生活者支援給付金請求書 | ○ |
| 年金受取機関変更届 | ○ |
| 公的年金等の扶養親族等申告書 | ○ |
| 障害年金請求書(裁定請求書) | ×(2026年7月時点で対象外) |
なぜ障害年金だけ電子申請の対象になっていないのですか?
診断書や病歴・就労状況等申立書など、審査の中心となる書類が、電子申請の仕組みになじみにくいためと考えられます。
審査の中身は「書類の充実度」が左右する
老齢年金の請求は、年金記録に基づいて金額が機械的に決まる性質が強い手続きです。一方、障害年金は、医師が作成する診断書や、本人が作成する病歴・就労状況等申立書の内容そのものが審査の核心部分になります。これらは様式も複雑で、原本や医師の証明が必要になるため、現時点ではオンライン完結の仕組みが整っていません。
申請方法より、書類の中身が重要です
申請の方法がオンラインか紙かということよりも、診断書や申立書の内容が実態を正確に反映しているかどうかのほうが、審査結果に直結します。オンライン化を待つよりも、必要な書類の準備を進めるほうが、結果的に手続きを前に進めやすくなります。
マイナポータルは、障害年金の手続きに何も役立ちませんか?
請求書の提出自体はできませんが、ねんきんネットとの連携により、ご自身の年金記録の確認には役立ちます。

初診日の手がかり探しには活用できます
マイナポータルとねんきんネットを連携させておくと、これまでの年金加入記録を確認できます。初診日の時点で厚生年金と国民年金のどちらに加入していたかを確認する手がかりとして、申請の準備段階で活用できます。
スマホの操作は得意な方なので、マイナポータルで障害年金の申請まで一気に終わらせたいのですが、無理でしょうか?
社労士請求書の提出そのものは、現時点ではマイナポータルではできません。ただし、ねんきんネットと連携して年金加入記録を確認したり、必要書類のリストを事前に整理したりする準備には十分活用できます。申請そのものは郵送か窓口になりますが、準備の効率化はできる部分です。
窓口に行けない場合、どうすればよいですか?
障害年金の請求書は、年金事務所の窓口だけでなく、郵送での提出にも対応しています。
窓口に行けなくても、手続きは進められます
体調や生活の事情で窓口に足を運びにくい場合でも、必要書類をそろえたうえで郵送により請求手続きを行うことができます。書類の集め方や書き方に不安がある場合は、対面で来所いただかなくても、LINEでのご相談から進めていただけます。
よくある質問
Q. 障害年金の更新(現況届・額改定請求)は、マイナポータルでできますか?
A. できません。現況届・額改定請求も、日本年金機構が公表している電子申請可能な届書の一覧には含まれておらず、初回の請求と同様に紙での提出が基本です。
Q. 今後、障害年金もマイナポータルで電子申請できるようになりますか?
A. 2026年7月時点で、具体的な対応予定は公表されていません。年金に関するオンライン化は段階的に広がっているため、今後変わる可能性はありますが、現時点では未定です。
Q. マイナンバーカードがなくても、障害年金は申請できますか?
A. 申請できます。障害年金の請求は紙の書類が基本のため、マイナンバーカードの有無は申請の可否に関係ありません。
Q. マイナポータルで、自分の年金記録を確認することはできますか?
A. できます。マイナポータルとねんきんネットを連携させることで、これまでの年金加入記録を確認できます。
Q. 障害年金の請求書は、どこで手に入りますか?
A. 年金事務所の窓口で受け取るほか、日本年金機構のホームページから様式をダウンロードすることもできます。
まとめ:申請自体はまだ紙。準備の効率化にマイナポータルを
障害年金の請求は、2026年7月時点でマイナポータルによる電子申請の対象になっておらず、郵送または窓口での提出が基本です。ただし、ねんきんネットとの連携による年金記録の確認など、申請準備の一部にはマイナポータルを活用できます。オンライン化を待つよりも、診断書や申立書といった中身の準備を進めることが、申請を前に進める近道です。
書類の集め方や進め方に不安がある場合は、一人で抱え込まずご相談ください。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
参考資料
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