監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生労働省の通知および日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。
この記事の結論
「受診状況等証明書が添付できない申立書」は、初診日を証明する医療機関の証明が得られないときに、その理由と参考資料の有無を申し立てる日本年金機構所定の様式です(国民年金法第30条・厚生年金保険法第47条)。
参考資料の有無によって、あわせて必要になる第三者証明の内容が変わります。
20歳以降に初診日がある場合、参考資料と第三者証明のどちらか一方だけでは、原則として足りません。
初診日を証明してくれるはずの医療機関が、すでに廃業していたり、カルテが残っていなかったりして、受診状況等証明書を用意できない、というご相談は少なくありません。そんなときに提出するのが「受診状況等証明書が添付できない申立書」です。
この記事では、この申立書に何を書けばいいのか、参考資料や第三者証明とどう組み合わせればいいのかを、実際の様式に沿って解説します。
「受診状況等証明書が添付できない申立書」とは、どんな書類ですか?
初診日を証明する医療機関の証明が得られないときに、その理由と代わりの資料の有無を申し立てるための、日本年金機構所定の様式です。
この取り扱いは、厚生労働省の通知「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」(平成27年9月28日・年管管発0928第6号)に基づいて運用されています。受診状況等証明書の代わりとして、診断書などと一緒に提出します。
実際に使われる場面としては、初診の医療機関がすでに廃業している、カルテの保存期間(5年)が過ぎて破棄されている、担当医がすでに亡くなっている、といったケースが多くを占めます。
どこでダウンロードできるか
日本年金機構の公式サイトから様式をダウンロードできます。年金事務所の窓口でも配布されています。
記載する主な項目
様式には、傷病名、医療機関名と所在地、受診期間、証明できない理由、参考資料の有無を記入する欄があります。上から順に埋めていけば作成できます。
「証明できない理由」は、どう選べばいいですか?

様式には「カルテ等の診療録が残っていないため」「廃業しているため」「その他」の3つの選択肢があり、実際の事情に合うものを選びます。
複数の理由が当てはまる場合は、両方にチェックを入れてかまいません。医療機関への確認方法も「電話」「訪問」「その他」から選び、実際にどう確認したかを記入します。
「その他」を選ぶときの書き方
担当医師がすでに亡くなっている、医療機関が別の病院に統合された、といった選択肢にない事情は「その他」を選び、具体的な内容を書き添えます。
受診した内科がもうないので、証明書がもらえません。この場合はどうしたらいいですか?
社労士その場合は、証明できない理由を「廃業しているため」にして、代わりになりそうな資料があれば一緒に提出しましょう。お薬手帳や診察券が残っていないか、一度確認してみてください。
確認方法欄の記入について
医療機関に電話や訪問で確認した上で「廃業しているため」を選んだ場合は、確認方法欄にもその経緯を記入しておくと、審査する側にも状況が伝わりやすくなります。
ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか
障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。
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参考資料は何を記入すればいいですか?
様式に列挙された選択肢の中から、実際に手元にあるものにチェックを入れます。
選択肢には、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳、健康保険の給付記録(レセプトを含む)、お薬手帳・糖尿病手帳・領収書・診察券、第三者証明、添付できる参考資料は何もない、といった項目が並んでいます。
20歳以降に初診日がある場合と20歳前に初診日がある場合とでは、認められる組み合わせが異なります。20歳前の傷病は保険料納付要件を問われないため、初診日の証明について求められる資料のハードルも、20歳以降に比べて低く設定されています。
| 20歳以降に初診日がある場合 | 20歳前に初診日がある場合 | |
|---|---|---|
| 参考資料+第三者証明(2通) | 認められる基本パターン | 認められる |
| 医療従事者による第三者証明(1通)のみ | 参考資料なしで認められる | 参考資料なしで認められる |
| 参考資料のみ(第三者証明なし) | 原則として認められない | 2番目以降の医療機関の証明があれば認められる |
参考資料が何もない場合はどうすればいいですか?

参考資料が何もなくても、初診医療機関の医師や看護師など医療従事者による第三者証明が1通あれば、参考資料なしで認められます。
医療従事者以外の第三者証明を使う場合は、原則として2通の証明が必要です。当時の受診状況を直接見ていた、または請求者本人から直接聞いていた方に依頼します。2通は別々の方に依頼し、それぞれが実際に見聞きした具体的な内容を書いてもらうことがポイントです。
医療従事者に依頼する場合
初診医療機関に、当時の医師や看護師がまだ在籍していれば、その方に第三者証明を依頼します。1通で参考資料なしでも認められる、最も確実な方法です。
家族以外の第三者に依頼する場合の注意点
厚生労働省の通知(年管管発0928第6号)では、請求者の民法上の三親等以内の親族による証明は認められないとされています。友人や職場の同僚など、親族以外の方に依頼する必要があります。
よくある質問
Q. この申立書は、どこで入手できますか?
A. 日本年金機構の公式サイトから様式をダウンロードできます。年金事務所の窓口でも配布されており、記入例もあわせて確認できます。
Q. 添付できない理由が複数当てはまる場合はどうすればいいですか?
A. 該当する理由をすべて選んでかまいません。カルテが残っておらず、かつ医療機関が廃業している場合は、両方にチェックを入れます。
Q. 第三者証明は家族に頼んでもいいですか?
A. 請求者の三親等以内の親族は、第三者証明の証明者として認められません。友人や職場の同僚など、日常的に接点があった親族以外の方に依頼します。
Q. 参考資料も第三者証明も用意できない場合はどうなりますか?
A. 様式の「添付できる参考資料は何もない」を選んだ上で提出できますが、初診日の認定が難しくなることがあります。早めに年金事務所や社労士に相談することをおすすめします。
まとめ:理由と参考資料の有無を正確に記入することが基本です
「受診状況等証明書が添付できない申立書」は、証明できない理由と参考資料の有無を、ありのままに記入するための書類です。参考資料がある場合とない場合とで、あわせて必要になる第三者証明の内容が変わるため、提出前に組み合わせを確認しておきましょう。手元の資料だけで組み合わせを判断するのが難しいときは、無理に一人で決めずに専門家へ相談することをおすすめします。判断に迷う場合は、来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
参考資料
・国民年金法 第30条(e-Gov法令検索)
・厚生年金保険法 第47条(e-Gov法令検索)
・障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて(年管管発0928第6号・厚生労働省)
・受診状況等証明書を提出するとき(日本年金機構)
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