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心筋梗塞や狭心症でも障害年金はもらえる?認定基準

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監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は厚生年金保険法・日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づき作成しています。

この記事の結論

心筋梗塞や狭心症(虚血性心疾患)は、他の心疾患と同じ枠組みで審査され、臨床症状や検査所見によっては1級から3級のいずれかに認定される可能性があります。

ペースメーカーやICD、人工弁を装着している場合は、原則としてその装着自体を根拠に3級(種類によっては2級)に認定されます。

ただし冠動脈バイパス手術やステント留置(PCI)のみでは、自動的に上位等級になるわけではなく、術後の症状や検査所見が総合的に評価されます。

心筋梗塞や狭心症の治療を経験された方から、「手術は終わったけれど、今の状態で障害年金の対象になるのだろうか」というご相談をいただくことがあります。

心疾患の障害年金は、病名だけで機械的に決まるものではなく、症状の重さや検査の結果、治療の経過などを総合的に見て判断されます。ペースメーカーのような医療機器を入れているかどうかでも、判断の枠組みが変わってきます。

この記事では、心筋梗塞・狭心症の障害年金について、認定の考え方を整理します。

目次

心筋梗塞や狭心症は、障害年金の対象になりますか?

対象になります。心疾患は7つの区分に分けられて認定され、心筋梗塞・狭心症は「虚血性心疾患」に該当します。

心疾患は7区分に分かれています

障害認定基準では、心疾患を弁疾患、心筋疾患、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性心疾患、重症心不全の7区分に分け、それぞれの状態にあわせて認定します。心筋梗塞や狭心症は、この中の「虚血性心疾患」として扱われます。

呼吸困難や動悸など、複数の要素を総合的に見ます

心疾患による障害の程度は、呼吸困難、動悸、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫といった臨床症状に加え、X線や心電図等の検査成績、日常生活の状態、治療や病状の経過などを総合的に見て認定されます。単一の検査数値だけで機械的に決まるものではありません。

何級に認定されるかは、どうやって決まりますか?

NYHA心機能分類や日常生活の状態区分をもとに、労働や生活への支障の大きさで判断されます。

状態の目安等級
日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度1級
日常生活が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度2級
労働が著しい制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度3級
ペースメーカー・ICD・人工弁を装着原則3級(機器の種類により2級)

NYHA心機能分類とは

NYHA心機能分類は、日常の身体活動でどの程度症状が出るかを4段階(Ⅰ〜Ⅳ度)で表す指標です。安静時には症状がなくても、軽い労作で呼吸困難や動悸が出るⅢ度以上になると、上位等級の目安に近づきます。診断書には、この分類のほか、心電図所見や心機能検査の結果もあわせて記載されます。

ペースメーカーやステントを入れた場合、自動的に認定されますか?

装着する機器の種類によって扱いが異なります。ペースメーカー・ICD・人工弁は装着自体が3級の根拠になりますが、冠動脈ステント(PCI)はそれだけでは認定の根拠になりません。

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「装着=3級」となる機器と、ならない処置の違い

ペースメーカーやICD、人工弁は、体内に恒久的に留置する医療機器として、装着している事実そのものが3級(心臓再同期医療機器などは2級)の根拠になります。一方、心筋梗塞・狭心症の治療でよく行われる冠動脈ステント留置(PCI)や冠動脈バイパス手術(CABG)は、これらとは扱いが異なり、手術を受けたという事実だけでは自動的に上位等級にはなりません。術後の症状や検査所見をもとに、総合的に判断されます。

狭心症でステントを入れる手術を受けました。ペースメーカーのように、それだけで障害年金がもらえるわけではないのですか?

社労士

そうですね。ステント留置は、ペースメーカーや人工弁のような「装着自体が3級の根拠になる処置」には含まれていません。手術を受けた後、動悸や息切れがどの程度残っているか、検査の数値がどうなっているかといった実際の状態をもとに、総合的に判断されることになります。

フルタイムで働いていても、認定されることはありますか?

あります。ペースメーカーやICDを装着している場合、フルタイムで働いていても3級に認定されることがあります。

「働けている」ことと等級は別の話

ペースメーカー等の装着による3級認定は、就労の有無を問いません。一方、機器を装着していないケースでは、日常生活や労働にどの程度の制限があるかが重視されるため、フルタイムで支障なく働けている状況が続くと、上位等級はもちろん、3級の認定自体が難しくなることもあります。

心筋梗塞の障害認定日には、特例がありますか?

あります。ペースメーカー等を装着した場合は、装着した日を障害認定日とする特例があります。

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通常は初診日から1年6か月が原則

障害年金は原則として、初診日から1年6か月経過した日(またはそれ以前に症状が固定した日)が障害認定日になります。ただしペースメーカー等を装着した場合は、初診日から1年6か月以内であれば、装着した日を障害認定日とする特例が設けられています。早期に請求できる可能性がある点として、知っておくとよいでしょう。

よくある質問

Q. 自営業や専業主婦でも、心筋梗塞・狭心症で障害年金を受け取れますか?

A. 受け取れます。ただし3級は厚生年金加入者だけの等級のため、初診日に国民年金にしか加入していなかった方は、2級以上に該当しない限り対象になりません。

Q. 更新のとき、症状が落ち着いていると等級が下がることはありますか?

A. あります。ペースメーカー等の装着による認定でも、1〜2年程度の経過観察の後、臨床症状や検査成績が良好であれば、より軽い等級に見直されることがあります。

Q. 心筋梗塞後の再発作を繰り返している場合、等級は上がりやすいですか?

A. 発作の頻度や重症度は、総合認定の重要な要素になります。診断書には、発作の回数や治療経過を具体的に記載してもらうことが大切です。

Q. 心筋梗塞の診断書は、循環器内科でなければ作成してもらえませんか?

A. 循環器内科に限らず、実際に治療にあたっている医師であれば作成できます。専門的な検査所見が必要になるため、治療の経過を把握している主治医への依頼が基本です。

Q. 障害年金は、遡って請求できますか?

A. 可能です。ただし障害認定日から5年を超える部分は時効により受け取れないため、早めの請求が有利です。

まとめ:機器の装着有無で、認定の入り口が変わる

心筋梗塞・狭心症の障害年金は、ペースメーカーやICDなどを装着していれば、その事実自体が3級の根拠になります。一方、ステント留置や冠動脈バイパス手術のみの場合は、術後の症状や検査所見を総合的に見て判断されるため、診断書に実際の生活・就労状況を具体的に反映してもらうことが重要です。

ご自身の治療内容がどちらの扱いになりそうか判断しにくいときは、一人で悩まずご相談ください。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
登録番号第37250012号 香川県社会保険労務士会会員
精神疾患・身体障害・難病など幅広い傷病の障害年金申請をサポートし、香川・岡山・愛媛を中心に中四国全域からの相談に対応。

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