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起立性調節障害だけで障害年金はもらえる?

起立性調節障害1

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づき作成しています。

この記事の結論

起立性調節障害だけでは、原則として障害年金の対象になりません。障害認定基準に定められた対象疾患の区分に、起立性調節障害という独立した項目がないためです。

ただし、起立性調節障害をきっかけに受診した後、発達障害やうつ病、統合失調症などの診断がつき、その認定基準を満たせば、障害年金の対象になります。

その場合、起立性調節障害で最初に受診した日が、後に診断された疾患の初診日として扱われることがあります。

お子さんが起立性調節障害と診断され、学校に通えない日が続いていると、「これは障害年金の対象になるのだろうか」と考える親御さんは少なくないと思います。

結論からお伝えすると、起立性調節障害という診断名だけでは、障害年金の対象にはなりません。ただし、それで終わりというわけでもありません。起立性調節障害の背景に、発達障害やうつ病などが隠れているケースは少なくなく、その場合は状況が変わってきます。

この記事では、起立性調節障害と障害年金の関係を、社労士の視点から整理します。

目次

起立性調節障害だけで、障害年金はもらえますか?

原則としてもらえません。起立性調節障害は、障害認定基準に定められた対象疾患の区分に含まれていないためです。

起立性調節障害2

障害年金の対象疾患には、決まった区分があります

障害年金は、精神障害、肢体の障害、循環器疾患による障害など、あらかじめ定められた区分ごとに認定基準が設けられています。起立性調節障害は、自律神経の調節がうまくいかないことで立ちくらみや倦怠感が生じる状態ですが、これらの区分のいずれにも、独立した対象疾患として位置づけられていません。

「対象外」であって「軽い」という意味ではありません

起立性調節障害が障害年金の対象にならないのは、制度上の区分に当てはまらないためであり、症状そのものが軽いと判断されているわけではありません。実際に、朝起きられない、長時間座っていられないなど、日常生活に大きな影響が出ているケースは珍しくありません。

状況障害年金の対象になるか
起立性調節障害の診断のみ対象外(認定基準に独立区分なし)
起立性調節障害+発達障害の診断発達障害の基準で判断(対象になりうる)
起立性調節障害+うつ病等の診断うつ病等の基準で判断(対象になりうる)

起立性調節障害から、他の診断名に変わった場合はどうなりますか?

その診断名(発達障害・うつ病・統合失調症等)が障害年金の対象疾患であれば、その基準に沿って審査されます。

起立性調節障害3

起立性調節障害は「入り口」になっていることが多い

不登校のきっかけとして起立性調節障害と診断された後、経過の中で発達障害やうつ病、統合失調症などの診断がつくケースは少なくありません。この場合、実際に障害年金の請求対象となる傷病名は、起立性調節障害ではなく、後から診断されたこれらの疾患になります。

初診日は、起立性調節障害での受診日になることがあります

後から診断された疾患が、起立性調節障害と関連性がある(相当因果関係が認められる)と判断された場合、最初に起立性調節障害で受診した日が、その疾患の初診日として扱われることがあります。これは、初診日をより早い時点に確保できる可能性がある、という意味で重要なポイントです。

子供が不登校で起立性調節障害と言われた場合、何に注意すればよいですか?

起立性調節障害の診断だけで終わらせず、他に考えられる疾患がないか、継続して医療機関に相談することが大切です。

通院を途切れさせないことが、後の申請につながります

症状がつらく、通院自体が難しくなる時期もあると思いますが、通院歴が途切れると、後で振り返ったときに経過を証明することが難しくなります。可能な範囲で通院を継続し、その時々の状態を記録に残しておくことが、将来的に別の疾患が判明した際の助けになります。

子供が中学生の頃から起立性調節障害と言われ、学校にほとんど通えていません。今は20歳を過ぎましたが、この状態で障害年金は申請できますか?

社労士

起立性調節障害の診断だけでは、障害年金の対象にはなりません。ただ、長期間の不登校の背景に、発達障害やうつ病などが隠れているケースもよくあります。これまでの通院歴や当時の様子を振り返りながら、他の診断につながる可能性がないか、一度整理してみましょう。

大人になっても症状が続いている場合はどうですか?

起立性調節障害は思春期に多い症状ですが、成人後も同様の症状が続く場合は、あらためて診断を見直すことが重要です。

診断名の再確認が、次の一歩になります

成人後も強い倦怠感や立ちくらみ、対人関係の困難さなどが続いている場合、発達障害や精神疾患が背景にある可能性も考えられます。ご自身の状態を、現在通院している医師にあらためて相談してみることをおすすめします。

よくある質問

Q. 起立性調節障害は、障害者手帳の対象になりますか?

A. 起立性調節障害単独では、障害者手帳の対象にもなりにくいのが実情です。他の疾患を伴う場合は、その疾患の基準で判断されます。

Q. 子どもの障害年金は、いつから申請できますか?

A. 障害基礎年金は20歳になってから請求できます。20歳前から症状がある場合でも、実際の請求は20歳の誕生日以降になります。

Q. 不登校だった期間も、申請の際に考慮されますか?

A. 考慮されます。病歴・就労状況等申立書に、不登校の期間や当時の生活状況を具体的に記載することで、症状の経過を伝える材料になります。

Q. 起立性調節障害と診断された病院のカルテは、何年残っていますか?

A. カルテの法定保存期間は5年ですが、それを超えて残っている医療機関もあります。まずは実際に受診していた医療機関に確認してみることをおすすめします。

Q. 起立性調節障害の診断書は、小児科でも作成してもらえますか?

A. 起立性調節障害自体は障害年金の請求傷病にならないため診断書の作成対象にはなりませんが、初診日の証明(受診状況等証明書)としては、実際に受診していた小児科での作成が可能です。

まとめ:起立性調節障害は「入り口」、判断は別の診断名で

起立性調節障害だけでは、障害年金の対象にはなりません。しかし、その背景に発達障害やうつ病などが隠れているケースは多く、その場合は起立性調節障害での受診日が初診日として扱われることもあります。診断名だけで諦めず、これまでの経過を一度整理してみることが大切です。

お子さんやご自身のケースがどちらに当てはまりそうか判断しにくいときは、一人で抱え込まずご相談ください。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
登録番号第37250012号 香川県社会保険労務士会会員
精神疾患・身体障害・難病など幅広い傷病の障害年金申請をサポートし、香川・岡山・愛媛を中心に中四国全域からの相談に対応。

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