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パニック障害・強迫性障害・PTSD|不安障害で障害年金を申請するときの注意点

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パニック障害、強迫性障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)といった不安障害は、強い不安や緊張、フラッシュバック、強迫的な行動などにより、日常生活や仕事に大きな支障が出ることがあります。電車に乗れない、外出が怖い、確認行為がやめられず仕事に時間がかかってしまうなど、周囲からは見えにくい苦しさを抱えながら、何とか日々を過ごしている方も少なくありません。こうした状態が続く中で、「障害年金は対象になるのだろうか」と考える方も多いのではないでしょうか。

実は、これらの病気には、障害年金の制度上、知っておいていただきたい特有のルールがあります。この記事では、その内容と、申請にあたって気をつけたいポイントを、社労士の視点からお伝えします。

目次

パニック障害・強迫性障害・PTSDは「神経症性障害」に分類されます

まず、それぞれの病気がどのようなものか、そして制度上どのように位置づけられているかを整理しておきましょう。

それぞれどんな病気なのか

パニック障害は、突然激しい不安や心拍数の増加、息苦しさなどの発作(パニック発作)が繰り返し起こる病気です。強迫性障害は、自分でも不合理だと分かっていながら、特定の考えが頭から離れず(強迫観念)、それを打ち消すための行動(強迫行為)を繰り返してしまう病気です。PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、生命の危険を感じるような出来事を経験した後に、その記憶が突然よみがえる、強い不安や緊張が続くといった症状が長く続く病気です。これらはいずれも、本人の意思や努力だけでは抑えることが難しく、生活や仕事に大きな影響を及ぼすことがあります。

ICD-10では「神経症性障害」というグループに含まれます

医学的な診断名の分類(ICD-10)では、パニック障害、強迫性障害、PTSDなどは、「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害」というグループに含まれます。適応障害や、不安神経症、解離性障害なども、このグループに含まれます。

障害認定基準では「神経症は原則対象外」とされています

日本年金機構の障害認定基準では、神経症について「その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない」と定められています。つまり、症状がどれだけ長く続き、生活に大きな支障が出ていても、診断名が神経症性障害に分類されるものである限り、原則としては障害年金の対象にはならない、ということになります。

でも、「対象外」で終わる話ではありません

ここで「自分は対象外なのか」と感じてしまうかもしれませんが、ここで終わる話ではありません。基準には、大切な「ただし書き」があります。

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「精神病の病態」を示している場合は対象になります

障害認定基準には続きがあり、「その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又はそううつ病に準じて取り扱う」とされています。つまり、診断名は神経症性障害に分類されるものであっても、実際の症状の現れ方が、統合失調症やうつ病・双極性障害(そううつ病)と同等とみなされる場合には、それらに準じて審査の対象になるということです。

うつ病などを併発しているケースは少なくありません

パニック障害・強迫性障害・PTSDのある方は、強い不安や恐怖、緊張状態が長く続く中で、うつ病を併発することが少なくありません。例えば、パニック発作を繰り返すうちに外出そのものが怖くなり、家から出られなくなる状態(広場恐怖)と同時に、気分の落ち込みが強くなっていくケースがあります。また、PTSDでは、強いストレスへの反応として、不眠や食欲の変化、興味や関心の喪失といった、うつ病と共通する症状が現れることもよく知られています。実際に、診断書に「パニック障害」に加えて「うつ病」や「双極性障害」の診断名が併記されているケースもあります。このような場合は、うつ病・双極性障害に準じて、2級・3級の認定を受けられる可能性があります。

申請にあたって気をつけたいポイント

上記を踏まえて、申請にあたって意識しておきたいポイントを整理します。

診断書の「病名」欄の記載を主治医に確認する

診断書の「①障害の原因となった傷病名」欄に、どのような病名が記載されるかは、審査結果に直結する重要な点です。パニック障害やPTSDという診断名だけでなく、うつ病や双極性障害など、併発している症状がある場合は、その病名も記載してもらえるかどうかを、主治医に確認しておきましょう。診断名がひとつしか書かれていない場合でも、実際の経過の中で気分の落ち込みなどがあったのであれば、その点を主治医に伝えてみることが第一歩になります。

「神経症性障害の症状」だけが目立つ記載にならないように

診断書に記載される症状が、不安発作や強迫行為、フラッシュバックといった、神経症性障害に特徴的な症状ばかりになっていると、神経症としての判断が優先されやすくなります。気分の落ち込み、興味や関心の喪失、睡眠や食欲の変化、意欲の低下といった、うつ病・双極性障害に共通する症状が見られる場合は、それらも具体的に主治医に伝えることが大切です。「不安が強い」というだけでなく、「一日中気分が沈んで何もする気が起きない」「眠れない日が続いている」といった具体的な状態を伝えるようにしましょう。

病歴・就労状況等申立書にも生活への影響を具体的に

病歴・就労状況等申立書にも、不安症状だけでなく、気分や意欲、生活リズムの変化についても具体的に記載しておくことが大切です。発症してからの経過を振り返ると、不安症状が強かった時期と、気分の落ち込みが強かった時期が、重なっていたり前後していたりすることもあります。そうした時期ごとの変化を、思い出せる範囲で整理しておくと、診断書と申立書の内容に一貫性を持たせやすくなります。

一人で判断せず、専門家に相談することも選択肢です

ここまでお伝えしたとおり、診断名と実際の症状の関係は、お一人おひとり異なります。最後に、申請を進める際の心構えについてお伝えします。

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「診断名だけ」で結論を出さないことが大切です

インターネットで「パニック障害は障害年金の対象外」といった情報を目にすると、それだけで申請をあきらめてしまう方もいらっしゃいます。しかし、実際にどのような症状が、どの程度の期間、どのように生活に影響しているかは、お一人おひとり異なります。診断名だけで判断するのではなく、まずはご自身の状態を整理してみることが大切です。

早めの相談が、主治医への伝え方にもつながります

社労士などの専門家に早い段階で相談することで、診断書を依頼する前に、主治医にどのような症状を伝えておくべきか、見通しを立てることができます。診断書ができあがった後では、記載内容を大きく変えることは難しいため、依頼前の準備が特に重要です。「自分の場合はどうなのか」と迷ったときは、一人で抱え込まず、専門家に相談することをおすすめします。

まとめ:診断名だけで結論を出さず、実際の症状を丁寧に伝えることが大切です

パニック障害・強迫性障害・PTSDといった不安障害は、制度上「神経症性障害」に分類され、原則としては障害年金の対象外とされています。しかし、実際の症状が精神病の病態を示している場合や、うつ病・双極性障害などを併発している場合には、それらに準じて認定される可能性があります。

診断名だけで「自分は対象外だ」と決めつけてしまわず、ご自身の症状を診断書・申立書に正確に反映してもらうことが、何より大切です。一人で判断するのが難しいときは、専門家に相談することも一つの方法です。

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