「働いていた時期があっても、障害年金は申請できますか?」
「休職と復職を繰り返してきたのですが、申立書にどう書けばいいですか?」
こうしたご相談は、当センターでも頻繁にいただきます。
障害年金の申請では、病歴・就労状況等申立書に「就労していた時期」を記載する必要があります。
しかし、「どこまで詳しく書けばいいのか」「働けていた時期があると不利になるのか」と迷い、筆が止まってしまう方も多いようです。
この記事では、就労歴・休職歴の正しい整理の仕方と、審査に伝わる記載のポイントをわかりやすく解説します。
就労歴があっても障害年金の申請は問題なくできる
まず、大前提として確認しておきましょう。
過去に就労していた時期があることは、障害年金の申請においてマイナスにはなりません。
「働けていた時期がある=障害がなかった」ではない
障害年金の審査では、申請時点での障害の状態と、申請基準日(障害認定日)時点での状態を評価します。
過去に就労できていた時期があったとしても、現在または認定日時点で障害認定基準に該当する状態であれば、受給の可能性があります。
「あの頃は働けていたから、自分には無理だ」という思い込みは不要です。
病気やケガは、徐々に悪化するケースも、波がありながら進行するケースも、ある時期を境に急激に変化するケースもあります。
就労歴の有無ではなく、認定基準日時点と現在の状態が審査の中心になります。
休職・復職を繰り返してきた場合も正直に書いてよい
「休職→復職→休職」という経緯を繰り返してきた方は、「こんな経歴を書いたら審査に不利になるのでは」と心配されることがあります。
しかし、休職と復職の繰り返しは、症状が波を持って継続していたことの証拠になります。
「症状が続いているからこそ、安定して働けない時期が繰り返された」という事実は、審査においてむしろ症状の継続性を示す重要な情報です。
正直に、ありのままの経緯を記載することが、適正な審査につながります。
就労できていた時期の「状況」も丁寧に書くことが重要
就労していた時期を記載する際、単に「○年○月〜○年○月 ○○株式会社に勤務」と書くだけでは不十分です。
就労中にどのような状態だったか・どのような配慮を受けていたか・どのような困難があったかを合わせて記載することで、審査官に就労の実態が伝わります。
「表面上は働いていたが、実態はギリギリの状態だった」という事実を、言葉で補足することが大切です。
病歴・就労状況等申立書の就労欄の書き方
申立書の就労に関する欄には、何をどのように記載すればよいのでしょうか。
具体的なポイントを整理します。
就労していた時期は「状態の変化」と一緒に書く

申立書は、初診から現在までの経過を時系列で記載する書類です。
就労していた時期は、その時期の症状・日常生活の状態・就労上の困難と合わせて記載します。
たとえば以下のような記載が、審査官に実態を伝えるうえで有効です。
- 「○年○月〜○年○月 就労継続。ただし週2〜3日の欠勤が続いており、上司の配慮で業務量を半減してもらっていた」
- 「出勤はできていたが、帰宅後は疲弊して食事・入浴ができない日が週の半分以上あった」
- 「遅刻・早退が頻繁で、同僚との関わりを避けるため休憩室で一人で過ごすことが多かった」
「就労していた」という事実だけでなく、「どのような状態で就労していたか」を具体的に補足することが、申立書の説得力を高めます。
休職期間は「なぜ休職したか」と「その間の状態」を書く
休職期間については、休職に至った経緯と、休職中の生活状況を記載します。
「○年○月〜○年○月 休職。倦怠感・希死念慮が強まり、出勤不能となった。休職中は自室から出られない日が続き、食事も一日一食程度しか取れなかった」
このように、休職に至った症状と、休職中にどのような状態だったかをセットで記載することで、症状の重さが伝わります。
「休職していました」の一言だけでは、審査官には実態が見えません。
退職した経緯も具体的に書く
退職に至った経緯は、就労が継続できなかった理由を示す重要な情報です。
「体調悪化により継続就労が困難となり、○年○月に自己都合退職」という形で、退職の理由と時期を明確に記載しましょう。
「会社都合」「自己都合」という区分だけではなく、退職に至った実態を言葉で補足することが大切です。
また、退職後の生活状況(誰かのサポートを受けているか・収入はどうなっているかなど)も合わせて記載しておくと、現在の状況が審査官に伝わりやすくなります。
よくある記載ミスと注意点
申立書の就労歴・休職歴の記載で、よくある失敗パターンをご紹介します。
事前に把握しておくことで、審査に不利な記載を防ぐことができます。

注意点① 就労期間を「空白」にしてしまう
「就労していた時期は書かなくていいかな」と思って空白にしてしまうケースがあります。
しかし、申立書は初診から現在までの経過をすべて記載する書類です。
就労期間を空白にすると、審査官から「その期間は症状がなかったのか」と判断されるリスクがあります。
就労していた時期も含めて、すべての期間を埋めるように記載しましょう。
注意点② 就労中の「しんどさ」を書かずに就労事実だけ書く
「○年○月〜○年○月 勤務」とだけ書いて、その間の状態を何も書かないケースがあります。
これでは「この期間は症状がなく普通に働けていた」という印象を与えてしまいます。
就労中であっても、症状が続いていたのであれば、その実態を必ず補足して記載してください。
注意点③ 記憶が曖昧な時期を「おそらく」のまま放置する
「あの頃はいつからいつまで働いていたか、正確に覚えていない」という場合、曖昧なまま放置してしまうことがあります。
雇用保険の記録・源泉徴収票・年金記録・健康保険の記録などを活用すれば、就労期間を正確に確認できます。
「おそらく○年頃」という曖昧な記載は避け、記録をもとに正確な期間を確認してから記載することをおすすめします。
まとめ:就労歴は「ありのまま」が最も正確に実態を伝える
就労していた時期があることは、障害年金の申請において不利になりません。
大切なのは、就労期間も含めてすべての時期の実態をありのままに記載することです。
今回のポイントをまとめます。
- 就労歴があっても障害年金は申請できる。審査は就労歴ではなく認定基準日・現在の状態を見る
- 休職・復職の繰り返しは症状の継続性を示す情報。正直に記載してよい
- 就労期間は「就労事実」だけでなく「就労中の状態・配慮・困難」を合わせて記載する
- 休職期間は「休職に至った症状」と「休職中の生活状況」をセットで書く
- 就労期間を空白にしない。すべての期間を埋めるように記載する
「申立書の書き方がわからない」「正しく書けているか不安」という方は、まずご相談ください。
あなたの職歴・休職歴を丁寧に整理しながら、審査に伝わる申立書を一緒に仕上げます。
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