監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。
この記事の結論
障害年金の申請には、年金請求書・基礎年金番号確認書類・診断書・病歴就労状況等申立書・本人名義の通帳等、誰もが用意する「必須書類」が5種類あります。
これに加えて、初診と現在の病院が違う場合の受診状況等証明書、配偶者や子がいる場合の戸籍謄本など、ご自身の状況に応じて必要になる書類があります。
マイナンバーを年金請求書に記載すれば戸籍謄本・住民票・所得証明書などの提出を省略できる場合が多いため、まず必須書類から準備を始めるのが効率的です。
障害年金の申請を初めて検討する方から、「結局、何をどれだけ用意すればいいのか分からない」というお声をよくいただきます。書類の種類が多く、しかも人によって必要なものが変わるため、混乱してしまうのも無理はありません。
この記事では、障害年金の申請に必要な書類を「誰もが必要な書類」と「状況によって必要になる書類」に分けて整理します。効率よく準備を進めるための順番についてもご紹介します。
すべての書類を一度に揃えようとすると大変に感じるかもしれませんが、一つずつ整理していけば、ご自身に本当に必要な書類は意外と少ないことが分かるはずです。まずは全体像をつかんでいきましょう。
障害年金の申請に、必ず必要な書類は何ですか?

年金請求書・基礎年金番号確認書類・診断書・病歴就労状況等申立書・本人名義の通帳等の5点は、どなたでも必ず必要になる書類です。まずはこの5点を軸に準備を進めましょう。
必須書類一覧
| 書類 | 入手先・備考 |
|---|---|
| 年金請求書 | 年金事務所または日本年金機構HP(障害基礎年金は様式第107号、障害厚生年金は様式第104号) |
| 基礎年金番号確認書類 | 基礎年金番号通知書・年金手帳・年金証書のいずれか |
| 診断書 | 傷病に応じた様式(8種類)。現在通院している医療機関に作成を依頼 |
| 病歴・就労状況等申立書 | 請求者本人が作成。発病から現在までの経過を記載 |
| 本人名義の通帳等 | 年金の振込先確認用。年金請求書に金融機関の証明を受けた場合は不要 |
診断書の様式については、こちらの記事で詳しく解説しています。
障害年金の診断書は8種類|自分はどの様式か見分ける方法
病歴・就労状況等申立書は自分で作成する
必須書類の中で唯一、請求者本人が作成するのが病歴・就労状況等申立書です。発病から現在までの受診歴や日常生活・就労状況の経過を、時系列で分かりやすく記載します。診断書と内容に食い違いがあると審査で不利になりやすいため、事前に診断書の内容を確認しながら作成することが大切です。様式は日本年金機構のホームページからダウンロードでき、PDF・エクセルいずれの形式も用意されています。
該当する場合だけ必要になる書類はありますか?
はい。初診と現在の病院が違う場合や、配偶者・子がいる場合など、状況に応じて追加の書類が必要になります。ご自身がどれに当てはまるか確認しておきましょう。
状況別の追加書類一覧
| 書類 | 必要になる状況 |
|---|---|
| 受診状況等証明書 | 初診の医療機関と診断書を作成する医療機関が異なる場合 |
| 戸籍謄本・住民票 | 配偶者加給年金・子の加算があり続柄の確認が必要な場合 |
| 所得証明書等 | 20歳前傷病による請求、配偶者加給年金・子の加算がある場合 |
| 第三者行為事故状況届等 | 交通事故など第三者の行為によるケガが原因の場合 |
| 委任状 | 本人以外の代理人が手続きを行う場合 |
単身で加算対象の家族がいない方は、戸籍謄本・住民票そのものが元々不要です。受診状況等証明書についても、初診の病院にずっと通院している方は不要になります。ご自身に本当に必要な書類だけを見極めることが、無駄な手間と費用を省く近道です。
配偶者加給年金や子の加算がある場合は、戸籍謄本・住民票に加えて、配偶者の所得証明書や、子の在学証明書(高校生年代の子がいる場合)などが必要になることもあります。加算の種類によって求められる書類が変わってくるため、該当する可能性がある方は、年金事務所の窓口で個別に確認しておくと安心です。
私は独身で、ずっと同じ病院に通っているんですが、それでも書類はたくさん必要なんでしょうか
社労士そういう方は、実は必須の5点書類だけで済むケースが多いんです。状況によって必要な書類は大きく変わりますので、まずはご自身のケースを整理してみましょう
書類はどの順番で集めればいいですか?
まず初診日を確定させ、受診状況等証明書(必要な場合)を取得してから、診断書の依頼に進むのが効率的です。順番を間違えると、二度手間になることがあります。

準備の基本的な流れ
最初に行うべきは、初診日の確定です。初診日によって保険料納付要件や請求できる年金の種類が変わるため、ここが土台になります。次に、初診の病院と現在の病院が違う場合は受診状況等証明書を取得し、あわせて基礎年金番号確認書類や本人名義の通帳を用意します。そのうえで、診断書を依頼し、並行して病歴・就労状況等申立書の下書きを進めておくと、診断書が仕上がったタイミングで請求書一式をまとめて完成させることができます。
戸籍謄本・住民票が必要な場合は、診断書の依頼と並行して準備を進めておくと、全体の期間を短縮できます。マイナンバーの記載で省略できるかどうかも、この段階であわせて確認しておきましょう。
診断書は依頼から受け取りまで時間がかかる
診断書や受診状況等証明書は、医療機関に依頼してから受け取るまで数週間かかることが珍しくありません。他の書類を後回しにして診断書の依頼だけを先に済ませておくと、全体の準備期間を短縮できます。急いでいる場合は、依頼時にその旨を医療機関に伝えておくとよいでしょう。
マイナンバーがあれば省略できる書類はありますか?
はい。年金請求書にマイナンバーを記載すれば、戸籍謄本・住民票・所得証明書等の提出を省略できる場合があります。該当する方は、この一手間で書類集めの負担を大きく減らせます。
令和6年11月からは戸籍関連の情報連携も強化され、対象範囲が広がりました。ただし、マイナンバーの記載がない場合や、遡及請求で古い戸籍の情報が必要な場合など、省略できないケースもあります。詳しくはこちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
障害年金を自分で申請するといくらかかる?費用の目安
省略できるかどうかは請求内容によって異なるため、年金請求書のマイナンバー欄に記入したうえで、窓口や電話で「戸籍謄本は必要ですか」と確認しておくと、二度手間を防げます。
マイナンバーを書くだけで、こんなに書類が減らせるんですね
社労士そうなんです。年金請求書のマイナンバー欄への記入を忘れずにしていただくだけで、役所へ行く手間を省ける場合があります
書類に不備があると、どうなりますか?
不備があると年金事務所から差し戻しや追加提出を求められ、審査の開始が遅れます。提出前の最終確認が、スムーズな審査につながります。
特に、診断書の記載漏れや、病歴・就労状況等申立書と診断書の内容の食い違いは、審査に時間がかかる原因になりやすいポイントです。提出前に、必須書類がすべて揃っているか、記載内容に矛盾がないかを、一つずつ確認する時間を取ることをおすすめします。
不備が見つかった場合、年金事務所から電話や郵送で連絡があり、修正した書類を再提出することになります。この差し戻しのやり取りだけで数週間かかることもあるため、最初の提出時点でできるだけ不備をなくしておくことが、結果的に一番の近道になります。忙しい方ほど、提出前のチェックに時間をかける価値があります。
よくある質問
Q. 年金請求書はどこでもらえますか?
A. お近くの年金事務所の窓口で受け取れるほか、日本年金機構のホームページからダウンロードすることもできます。障害基礎年金は様式第107号、障害厚生年金は様式第104号です。
Q. なぜ本人名義の通帳が必要なのですか?
A. 年金の振込先を確認するためです。年金請求書に金融機関の証明を受けた場合は、通帳のコピー自体は不要になります。インターネット専業銀行を指定する場合は、口座情報が確認できるページの印刷が必要です。振込先は請求者本人名義の口座に限られる点にも注意してください。
Q. すべて原本を提出しなければいけませんか?
A. いいえ。基礎年金番号確認書類や通帳は、見開きページのコピーで対応できる場合があります。一方、診断書や受診状況等証明書は原本の提出が必要です。戸籍謄本・住民票も原則として原本を提出しますが、返却を希望する場合は年金事務所にその旨を伝えておきましょう。迷う場合は年金事務所に確認しましょう。
Q. 書類は郵送で提出できますか?
A. はい、年金事務所へ郵送で提出することができます。窓口に行く時間が取りにくい方は、事前に必要書類を電話で確認したうえで、まとめて郵送するとよいでしょう。原本を郵送することに不安がある場合は、返信用封筒を同封するなど、紛失を防ぐ工夫をしておくと安心です。
Q. 書類ごとに有効期限はありますか?
A. 診断書は認定日または請求日以前3か月以内のものが必要です。戸籍謄本・住民票が必要な場合も、提出日からさかのぼって一定期間内のものを求められます。受診状況等証明書には有効期限がありません。書類ごとに期限の考え方が異なるため、取得する順番にも注意しましょう。
Q. 何から準備を始めればいいですか?
A. まずは初診日の確定です。初診日が分かれば、必要な書類の全体像が見えてきます。次に、時間のかかる診断書・受診状況等証明書の依頼に早めに着手するのがおすすめです。何から手をつければよいか分からない場合は、年金事務所や専門家に一度相談し、ご自身のケースに必要な書類を整理してもらうのも有効な方法です。
まとめ:まずは5つの必須書類から準備を始めましょう
障害年金の申請に必要な書類は、年金請求書・基礎年金番号確認書類・診断書・病歴就労状況等申立書・本人名義の通帳等の5点が基本です。これに加えて、初診と現在の病院が違う場合や配偶者・子がいる場合など、状況に応じた追加書類が必要になります。マイナンバーを記載すれば、戸籍謄本などの提出を省略できる場合も多いため、まずご自身がどの書類に該当するかを整理することから始めましょう。時間のかかる診断書・受診状況等証明書の依頼から着手し、他の書類と並行して準備を進めることで、全体の期間を短縮できます。
書類の種類が多く、どこから手をつければよいか分からない場合は、一人で抱え込まず専門家に相談することをおすすめします。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
参考資料
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