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大学生・専門学校生が病気になったとき|学生納付特例と初診日

学生初診日1

大学や専門学校に通っているさなかに、思いがけず大きな病気やケガをしてしまうことがあります。治療や療養に気持ちが向かう一方で、「学生の自分でも、将来もし障害年金が必要になったとき、ちゃんと請求できるのだろうか」という不安がよぎる方もいるかもしれません。結論から言うと、鍵を握るのは初診日が20歳の誕生日の前か後かという一点と、20歳以降であれば「学生納付特例」の手続きをしていたかどうかです。この記事では、学生特有の年金制度と初診日の関係を、障害年金を専門とする社労士が整理して解説します。

目次

学生時代の初診日は「20歳前」か「20歳以降」かで扱いが変わる

同じ「学生の間に病気になった」というケースでも、初診日が20歳の誕生日をまたぐかどうかで、適用される制度がまったく異なります。

20歳前に初診日がある場合|「20歳前傷病」として扱われる

高校生の頃や大学1〜2年生の前半など、20歳の誕生日より前に初診日がある場合は「20歳前傷病」として扱われます。この期間はまだ国民年金の被保険者ではないため、保険料の納付要件を問われることなく障害基礎年金を請求できるのが特徴です。ただし、保険料を納めていないことの公平性を保つ目的で、本人の所得による支給制限が設けられています。扶養親族がいない場合、前年の所得が376万1,000円を超えると年金の半額が、479万4,000円を超えると全額が支給停止となります(扶養親族がいる場合は基準額が加算されます)。20歳前傷病については、より詳しい内容を別記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

20歳以降の学生は国民年金の被保険者になる

20歳の誕生日を迎えると、大学生・専門学校生であっても国民年金の第1号被保険者となり、保険料を納める義務が生じます。ここから先に初診日がある場合は、20歳前傷病のような所得制限はなくなる代わりに、通常どおり保険料の納付要件を満たしているかどうかが問われます。この納付要件との関係で重要になってくるのが、次にご説明する「学生納付特例」です。

学生納付特例と初診日の関係

ここが、学生の障害年金においていちばん見落とされやすいポイントです。

学生納付特例とはどんな制度か

学生納付特例は、20歳以上の学生で、本人の前年所得が一定額以下の場合に、申請によって国民年金保険料の納付が猶予される制度です。多くの学生は収入が少ないため、この制度を利用して保険料の納付を先送りにしています。手続きは在学中の学校を通じて、または年金事務所や市区町村の窓口で行うことができ、毎年度ごとに申請が必要です。

未手続きのまま未納だと、納付要件を満たせないおそれがある

障害基礎年金には保険料の納付要件があり、原則として初診日の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上について保険料を納めているか、免除・猶予を受けている必要があります。学生納付特例の申請をして承認された期間は、この判定において「保険料を納めた期間」と同じように扱われ、未納にはなりません。逆に言えば、収入が少なく保険料を払えないまま、特例の手続きもせずに放置していた期間があると、そこは単なる未納期間としてカウントされてしまいます。「学生だから保険料は払わなくても大丈夫」と思い込み、手続き自体を忘れてしまうケースが実は少なくありません。

学生初診日2

学生の頃、保険料を払うお金がなくて、そのままにしてしまっていました…。手続きなんてしていません。

社労士

その場合、当時の期間は未納として扱われている可能性があります。ただし、初診日や他の期間の状況次第では納付要件を満たせることもありますので、まずは年金事務所やお近くの専門家に、当時の状況を確認してもらうことをおすすめします。

なお、学生納付特例で猶予された期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されますが、将来の年金額そのものには反映されません。年金額を増やしたい場合は、10年以内であれば「追納」という形であとから保険料を納めることもできます。

学生時代の初診日を確認するときの注意点

いざ請求を考えるとき、当時の記憶や記録があいまいで戸惑う方も多いポイントです。

「初診日」は今の症状の重さで決まるわけではない

初診日とは、今の障害の原因となった傷病について、初めて医師の診察を受けた日のことです。当時は軽い症状だと思っていても、それが後に悪化していった傷病の初診日として扱われることがあります。「あの時の受診は大したことがなかったから関係ない」と自己判断せず、学生時代の通院履歴も含めて振り返ってみることが大切です。

休学・留年していた期間の考え方

休学や留年をしていた期間も、20歳以上であれば国民年金の被保険者であることに変わりはなく、学生納付特例の対象にもなり得ます。休学中は在学証明の扱いが通常と異なる場合があり、学校によっては休学期間中の学生証や在学証明書の発行方法が変わることもあります。当時どの学校に在籍していたか、特例の手続きをしていたかどうかを、学校や年金事務所に確認しながら整理していくとよいでしょう。留年によって在学期間が延びた場合も、その分だけ学生納付特例を利用できる期間が続くことになるため、手続きの有無を年度ごとに振り返っておくと安心です。

当時のことをあまり覚えていなくて、初診日がいつなのか自分でもはっきりしません…。

社労士

大丈夫ですよ。お薬手帳や当時の診察券、健康保険証の履歴など、手がかりになるものは意外といろいろあります。一つずつ一緒に確認していきましょう。

学生と障害年金に関するよくある質問

学生初診日3

Q. 学生納付特例の申請を忘れていた場合、あとから手続きできますか?

学生納付特例の申請は、原則として過去2年1か月分までさかのぼって行うことができます。それより古い期間については、原則としてさかのぼっての申請はできず、未納期間として扱われてしまいます。「もう卒業してしまったから今さら無理では」とあきらめる前に、心当たりのある方は、早めに年金事務所や在学していた学校に確認してみることをおすすめします。当時の状況によっては、他の期間の納付状況とあわせて要件を満たせる場合もあります。

Q. 20歳前に発症した場合と、学生納付特例はどちらが関係しますか?

初診日が20歳の誕生日より前であれば、そもそも保険料を納める義務がない期間のため、学生納付特例の利用状況は直接関係しません。学生納付特例が関係してくるのは、初診日が20歳の誕生日以降にある場合です。まずはご自身の初診日が20歳の前後どちらにあるのかを確認することが、最初のステップになります。

まとめ:学生納付特例の手続きの有無が、将来の受給資格を左右します

学生時代の初診日は、20歳の誕生日の前か後かで扱いがまったく異なります。20歳以降に初診日がある場合は、保険料を納めていたか、あるいは学生納付特例の手続きをして猶予を受けていたかが、将来の受給資格を大きく左右します。「学生だから関係ない」と思い込まず、当時の状況を一度整理してみることが、いざというときの安心につながります。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
登録番号第37250012号 香川県社会保険労務士会会員
精神疾患・身体障害・難病など幅広い傷病の障害年金申請をサポートし、香川・岡山・愛媛を中心に中四国全域からの相談に対応。

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