監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・社会保険労務士法、日本年金機構および全国社会保険労務士会連合会の公表情報に基づき作成しています。
この記事の結論
障害年金の相談先は、年金事務所・街角の年金相談センター・市区町村役場・社会保険労務士の4つが中心です。
どこに相談すべきかは、初診日の時点でどの年金制度に入っていたかで決まります。
市区町村役場が対応できるのは障害基礎年金のみで、障害厚生年金の相談や請求はできません(国民年金法第3条第3項に基づく事務の範囲外のため)。
「障害年金について相談したいけれど、どこに行けばいいのか分からない」というお声を、これまで何度もいただいてきました。年金事務所、市役所、街角の年金相談センター、社会保険労務士事務所と選択肢が多いために、かえって迷ってしまう方が少なくありません。
実はこの4つの窓口は、担当できる範囲がはっきりと分かれています。窓口を間違えると「ここでは対応できません」と案内し直されることもあり、体調が万全でないときには余計な負担につながってしまいます。この記事では、それぞれの窓口の違いと、ご自身の状況に合わせた選び方を、社会保険労務士の視点から整理してご紹介します。診断書がまだ手元になくても、この段階で相談すること自体は問題ありません。
障害年金の相談先には、どんな窓口がありますか?

障害年金の主な相談先は、年金事務所・街角の年金相談センター・市区町村役場・社会保険労務士の4つです。
それぞれ運営元や対応できる範囲が異なります。特に「どの年金の相談ができるか」と「代理での手続きができるか」の2点は、窓口選びで迷ったときに確認しておきたいポイントです。まずは全体像を比較表で確認しましょう。
| 年金事務所 | 街角の年金相談センター | 市区町村役場 | 社会保険労務士 | |
|---|---|---|---|---|
| 運営元 | 日本年金機構 | 全国社会保険労務士会連合会(日本年金機構から委託) | 市町村(国民年金法第3条第3項) | 各事務所(民間) |
| 対応できる年金 | 国民年金・厚生年金のすべて | 年金の受け取りに関する相談・請求(加入・納付の手続きは対象外) | 障害基礎年金のみ | すべての障害年金 |
| 予約 | 原則要予約 | 要予約(電話相談不可のセンターもあり) | 窓口により異なる | 事務所により異なる |
| 代理での手続き | 委任状があれば可 | 委任状があれば可 | 委任状があれば可 | 提出代行・事務代理が可能 |
| 費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 相談無料〜報酬制(事務所による) |
年金事務所と街角の年金相談センター
年金事務所は日本年金機構が運営する公的な窓口で、国民年金・厚生年金のすべての相談・手続きに対応しています。街角の年金相談センターは、日本年金機構から委託を受けた全国社会保険労務士会連合会が運営しており、相談員には社会保険労務士があたっています。
ただし街角の年金相談センターでは、国民年金の加入・納付の手続きや、事業所の厚生年金保険の手続きは扱っていません。その場合は年金事務所を案内されます。
市区町村役場と社会保険労務士
市区町村役場(国民年金課等)は、障害基礎年金のみを扱う窓口です。社会保険労務士は民間の専門家で、相談だけでなく、書類の作成や提出、行政機関とのやり取りまで代わりに行える点が、公的な窓口との大きな違いです。
市区町村役場と年金事務所は、何が違いますか?
市区町村役場が対応できるのは障害基礎年金のみで、障害厚生年金の相談・請求は年金事務所または街角の年金相談センターの担当になります。
この違いは、国民年金法第3条第3項により、国民年金事業の事務の一部を市町村長が行うことができると定められていることに基づきます。市区町村役場の窓口は、この委任された範囲内でのみ対応する仕組みになっています。
市区町村役場が担当するのは、初診日に第1号被保険者だった方
初診日の時点で自営業・学生・無職などとして国民年金第1号被保険者だった場合や、20歳前・60歳以上65歳未満で年金制度に加入していなかった期間に初診日がある場合は、住所地の市区町村役場が請求書の提出先になります。
厚生年金保険に加入歴があるなら年金事務所へ
初診日の時点で厚生年金保険に加入していた場合や、厚生年金加入者に扶養されていた第3号被保険者だった場合は、年金事務所または街角の年金相談センターが窓口になります。障害厚生年金の請求は、市区町村役場では受け付けていません。
市役所に行ったら、年金事務所に行ってくださいと言われてしまいました…。
社労士初診日の時点で厚生年金に入られていたなら、市区町村役場では手続きができない仕組みになっているんです。次は年金事務所か、私たちのような社会保険労務士にご相談いただければ大丈夫ですよ。
街角の年金相談センターは、年金事務所と同じですか?
できる相談・手続きの範囲は年金事務所とほぼ同じですが、運営元と対応できない業務があります。
街角の年金相談センターは、日本年金機構から委託を受けた全国社会保険労務士会連合会が運営しており、相談員には国家資格を持つ社会保険労務士があたっています。全国に設置されていますが、設置箇所は年金事務所ほど多くはありません。
予約制で、電話相談を受け付けていない窓口もある
多くの街角の年金相談センターは予約制で、来所での相談が基本です。センターによっては電話での相談自体を受け付けておらず、電話は予約専用ダイヤルのみという場合もあります。
国民年金の加入・納付手続きは対象外
街角の年金相談センターでは、年金の受け取りに関する相談・請求手続きが中心です。国民年金の加入や納付、事業所の厚生年金保険に関する手続きは扱っておらず、これらが必要な場合は年金事務所を利用することになります。
社会保険労務士に相談すると、何が違いますか?

社会保険労務士は、請求書の作成から提出、行政機関とのやり取りまで、本人に代わって行うことができます。
これは社会保険労務士法第2条第1項第1号の2で定められた「提出代行」と、同項第1号の3で定められた「事務代理」にあたる業務です。年金事務所や市区町村役場の窓口担当者は、あくまで制度の説明や書類の受付を行う立場であり、申請者の代理人にはなりません。
提出代行と事務代理でできること
提出代行は、請求書などの書類を本人に代わって窓口に提出する業務です。事務代理は、それに加えて、審査に関するやり取りや主張・陳述まで代わって行うことができます。年金事務所や市区町村役場の窓口では、こうした代理業務は行われません。
無資格者への依頼にはリスクがあります
社会保険労務士以外の者が、報酬を得て手続きを代行することは、社会保険労務士法第27条・第32条の2により禁止されています。代行を依頼する際は、事務所のホームページ等に社会保険労務士登録番号が明示されているかを確認することをおすすめします。番号がない、または曖昧にしか答えてもらえない場合は、いったん立ち止まって確認してから依頼を決めても遅くはありません。
初めての相談は、どこに行くのが一番スムーズですか?
迷ったときは、まず年金事務所か社会保険労務士に相談するのがスムーズです。
この2つは、初診日の時点でどの年金制度に入っていたかにかかわらず、幅広い相談に対応できるためです。
初診日の証明に不安がある場合
初診日を証明する書類が見当たらない、転院を繰り返していて通院歴が複雑といった場合は、はじめから社会保険労務士に相談すると、必要な書類の集め方や、他の証拠資料で初診日を特定する方法まで一緒に整理してもらえます。
まずは制度の概要を知りたい場合
「自分が対象になるのか、まず知りたい」という段階であれば、年金事務所や街角の年金相談センターでの一般的な相談から始めても問題ありません。
日中に窓口へ行く時間がない場合
体調のこともあり、平日日中に年金事務所や市区町村役場へ足を運ぶ時間が取りにくい方もいらっしゃると思います。その場合は、夜間や休日でもやり取りできるLINE相談など、オンラインで完結できる窓口を選ぶ方法もあります。
よくある質問
Q. 障害年金の相談は無料ですか?
A. 年金事務所・街角の年金相談センター・市区町村役場での相談はすべて無料です。社会保険労務士も、初回相談を無料としている事務所が多くあります。
Q. 窓口を間違えると、たらい回しにされますか?
A. 市区町村役場は障害基礎年金のみの窓口のため、障害厚生年金について相談すると年金事務所を案内されることがあります。事前に初診日時点の年金制度を確認しておくと安心です。
Q. 電話だけで相談できますか?
A. ねんきんダイヤルであれば電話のみで一般的な相談が可能です。ただし個別の請求に関する相談は来所や予約制が中心で、街角の年金相談センターの一部では電話相談自体を受け付けていません。
Q. 初診日がわからない場合も相談できますか?
A. 相談できます。初診日が特定できない場合こそ、早めに年金事務所や社会保険労務士に相談することで、診察券やお薬手帳、健康保険の利用履歴など、カルテ以外の証拠資料の探し方を一緒に確認できます。
Q. 相談する前に、何を準備すればいいですか?
A. 初診日がわかる資料と、基礎年金番号がわかるものを準備しておくと、相談がスムーズに進みます。
Q. 香川・岡山・愛媛には、どんな相談窓口がありますか?
A. 香川県には高松東・高松西・善通寺の各年金事務所と、街角の年金相談センター高松(オフィス)があります。愛媛県には新居浜・松山東・松山西・今治・宇和島の各年金事務所と、街角の年金相談センター松山(オフィス)があります。岡山県には岡山東・岡山西・倉敷・津山・高梁の各年金事務所があります。
まとめ:障害年金の相談先は状況に合わせて選びましょう
障害年金の相談先には、年金事務所・街角の年金相談センター・市区町村役場・社会保険労務士があり、それぞれ対応できる範囲が異なります。初診日の時点でどの年金制度に加入していたかを確認したうえで窓口を選ぶと、行ってから案内し直される負担を減らせます。どの窓口に行けばよいか判断がつかない場合は、無理に一人で調べようとせず、専門家に確認してから動いても遅くはありません。
書類の準備や初診日の証明に不安がある場合は、早い段階で社会保険労務士に相談すると見通しを立てやすくなります。香川・岡山・愛媛にはそれぞれ年金事務所や街角の年金相談センターがあり、地域の窓口も上手に活用していただければと思います。
来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
参考資料
- 国民年金法 第3条(e-Gov法令検索)
- 社会保険労務士法 第2条・第27条・第32条の2(e-Gov法令検索)
- 日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」
- 日本年金機構「障害厚生年金を受けられるとき」
- 全国社会保険労務士会連合会「街角の年金相談センター」
LINEでのご相談手順(24時間受付)
当センターでは、外出が難しい方でもスマートフォン一つでご相談いただけるよう、公式LINEでの無料相談・受給判定を承っております。
質の高いサポートを本気で受給を目指す皆様へお届けするため、ご相談時には以下の手順をお願いしております。

- 下記のボタンをタップすると当センターの公式LINE画面に移動しますので、「友だち追加」ボタンからご登録をお願いいたします。
- ご登録後、当センターから案内メッセージが自動で届きます。
- 案内に沿って、現在のご状況をメッセージでお送りください。「障害年金が受給できるか知りたい」「診断書の依頼で迷っている」等、一言添えていただくとスムーズです。
- 内容を確認次第、社労士より直接、今後の進め方や受給の可能性について順次お返事させていただきます。
皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
※スマートフォンからそのまま追加できます。
※しつこい営業等は一切行いませんのでご安心ください。
💡あわせて読みたい関連記事
- 【いつ相談すべき?】障害年金申請のベストタイミングと早めに動くべき理由
- 障害年金の社労士費用はいくら?相場・メリット・選び方まで徹底解説









