監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は社会保険労務士法・国民年金法施行規則・日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。
この記事の結論
障害年金の相談先は役割で分かれ、手続きは年金事務所・街角の年金相談センター・市区町村役場、診断書は病院、申請全体の準備と書類作成は社会保険労務士が担います。
請求書の提出先は初診日に加入していた年金で決まり、障害厚生年金は年金事務所、障害基礎年金は原則として市区町村役場です。
受給できるかは請求後の審査で決まるので、窓口だけで判断せず、初診日と生活の状況を整理してから相談先を選びます。
「年金事務所?病院?それとも専門家?」。障害年金について調べ始めると、多くの方が最初に迷うのが相談先です。
相談先にはそれぞれ役割があり、できることとできないことがあります。この記事では、日本年金機構の案内と法令をもとに、相談先ごとの役割と選び方を整理します。
障害年金の相談は、どこに行けばいいですか?
知りたいことによって行き先が変わります。手続きは年金事務所、診断書は病院、申請全体の準備は社会保険労務士です。
相談先ごとの役割
| 相談先 | 主な役割 |
|---|---|
| 年金事務所・街角の年金相談センター | 加入記録・納付状況の確認、必要書類の案内、請求書の受付 |
| 市区町村役場 | 初診日に国民年金(第1号など)に加入していた方の障害基礎年金の請求書の受付 |
| 病院(主治医・初診の病院) | 診断書、受診状況等証明書の作成 |
| 社会保険労務士 | 初診日の整理、申立書などの書類作成、提出の代行、相談への対応 |
迷ったら「今、何を知りたいか」で選ぶ
保険料の納付状況を知りたいなら年金事務所、診断書を頼みたいなら病院、受給の見通しや書類のまとめ方に不安があるなら社会保険労務士、というように、目的で選ぶと迷いません。相談先は1か所に決める必要はなく、組み合わせて使えます。
年金事務所では、どこまで相談できますか?
年金事務所は、加入記録と保険料の納付状況の確認、必要書類の案内、請求書の受付を行う窓口です。

請求書の提出先は初診日の年金で決まる
日本年金機構の案内では、障害厚生年金の請求書の提出先は年金事務所または街角の年金相談センターです。障害基礎年金の提出先は住所地の市区町村役場で、初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は年金事務所または街角の年金相談センターになります。どちらか迷うときは、年金事務所で加入記録を確認してもらうと確実です。
受給の可否を決める場所ではない
国民年金法第16条は、年金を受ける権利は本人の請求に基づいて裁定すると定めています。障害の程度は、提出した診断書などをもとに審査で判断されます。窓口で見通しを聞いても、それが結果ではありません。年金事務所は予約制なので、事前に予約を取ってから行きましょう。
年金事務所に行ったら、書類を渡されて終わってしまいました。
社労士窓口は手続きの案内が中心なので、よくあることです。書類のまとめ方に迷ったら、遠慮なくご相談ください。
ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか
障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。
※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。
病院(主治医)には、何を相談すればいいですか?
病院に頼むのは、診断書と受診状況等証明書の作成です。請求の手続き全体を案内する役割ではありません。
診断書は請求に欠かせない書類
障害基礎年金の請求には医師の診断書を添えることが定められています(国民年金法施行規則第31条第2項第4号)。今の主治医には診断書を、初めて受診した病院が別にあれば、初診日を確認するための受診状況等証明書を依頼します。
主治医は制度の説明役ではない
主治医は治療の専門家で、初診日の考え方や請求方法、書類の組み立て方まで説明する立場ではありません。主治医には「障害年金の申請を考えています。診断書をお願いすることはできますか?」と伝え、日常生活の困りごとを書いたメモを渡しておくと、診断書に実態が伝わりやすくなります。
社労士(専門家)には、何を頼めますか?
社会保険労務士は、障害年金の請求書類の作成、提出の代行、事務の代理、相談への対応を行える国家資格者です。

法律で定められた社労士の業務
社会保険労務士法第2条第1項は、労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成(第1号)、その提出手続の代行(第1号の2)、事務代理(第1号の3)、社会保険に関する相談・指導(第3号)を社労士の業務と定めています。障害年金では、初診日の整理、診断書を依頼する前の準備、病歴・就労状況等申立書の作成、提出までを一貫して任せられます。
障害年金を扱う事務所を選ぶ
社労士の取り扱う分野は幅広いため、障害年金の請求を専門に扱っている事務所を選ぶと安心です。費用は事務所ごとに異なるので、依頼する前に料金の仕組みを確認してください。多くの事務所では、依頼する前の相談を受け付けています。
よくある質問
Q. 街角の年金相談センターでも、障害年金の相談はできますか?
A. できます。日本年金機構は、障害年金など年金に関する相談や手続きを、全国の年金事務所と街角の年金相談センターで受け付けていると案内しています。事前に予約してから行くと安心です。持ち物は、本人確認書類と基礎年金番号がわかるものです。
Q. 社労士に相談したら、必ず依頼しないといけませんか?
A. 依頼する必要はありません。相談して状況を整理したうえで、ご自身で手続きを進める方もいます。当センターでも、ご依頼前のご相談は無料で、相談だけで終わってもかまいません。ご自身で進められる部分と、専門家に任せたほうがよい部分を一緒に整理します。
Q. 体調が悪く、窓口に行くのが難しい場合は?
A. 社会保険労務士に依頼すれば、請求書の提出を代わりに行えます(社会保険労務士法第2条第1項第1号の2)。障害厚生年金は電子申請での提出もできます。外出が難しい方は、電話やLINEで相談できる事務所を選ぶと負担を減らせます。
Q. どこに相談するか迷ったら、最初にすることは?
A. 初診日(その病気で初めて医師にかかった日)と、そのとき加入していた年金をメモにまとめます。この2つで、請求書の提出先や対象となる年金が決まります。日付があいまいなら、最初にかかった病院の名前と時期だけでも十分です。
まとめ:役割を知って、相談先を組み合わせる
障害年金は、一か所ですべてが片づく手続きではありません。年金事務所で加入記録を確かめ、病院に診断書を頼み、書類のまとめ方に迷ったら社会保険労務士に相談する、というように役割を組み合わせると、遠回りを防げます。まずは初診日と、そのとき入っていた年金をメモに書き出すところから始めてみてください。
中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
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参考資料
・社会保険労務士法 第2条(e-Gov法令検索)
・国民年金法施行規則 第31条(e-Gov法令検索)
・障害基礎年金を受けられるとき(日本年金機構)
・障害厚生年金を受けられるとき(日本年金機構)
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