監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法および日本年金機構の公表情報(用語集・審査請求・初診日証明の案内)に基づき作成しています。
この記事の結論
障害年金の相談は、初診日から1年6か月の「障害認定日」を迎える前、仕事や生活に支障が出て休職や退職を考え始めた時点がいちばんの目安です。
認定日を過ぎても請求はできますが、さかのぼって受け取れるのは5年分までです(国民年金法第102条)。
認定日に軽かった方の事後重症による請求は、65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります(同法第30条の2)。
「まだ申請すると決めていないのに、相談していいのだろうか」「もう遅いかもしれない」。相談のタイミングに迷う方は少なくありません。
障害年金には、法律で決まった節目がいくつかあります。その節目を知っておくと、いつ動けばよいかがはっきりします。この記事では、国民年金法と日本年金機構の案内をもとに、相談の目安を節目ごとに整理します。
障害年金の相談は、いつするのがよいですか?
障害認定日を迎える前、仕事や生活に支障が出始めた段階で相談するのがよいタイミングです。
障害認定日とは
日本年金機構は、障害認定日を「初診日から1年6カ月を過ぎた日、または1年6カ月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日」と説明しています。この日の障害の状態で等級に当たれば、翌月分から受け取れます。
認定日の前に相談するとよい理由
認定日時点の症状がわかる診断書や、初診の病院の証明をそろえる準備に時間がかかるからです。初診の病院の証明が取れないときは、診察券や領収書などの参考資料を探すことになります。早く動くほど、探せる資料が多く残っています。
相談の目安を節目ごとに整理すると?
休職や退職を考えたとき、初診日から1年6か月が近づいたとき、65歳が近いとき、不支給や更新の通知が届いたときの4つが、相談の目安です。

節目と相談する理由の一覧
| 節目 | 相談する理由 |
|---|---|
| 休職・退職を考えたとき | 今後の収入と、障害年金の見通しをあわせて整理できる |
| 初診日から1年6か月が近い | 障害認定日の診断書や初診日の証明を準備できる |
| 65歳が近い | 事後重症の請求は65歳の誕生日の前々日まで |
| 不支給の通知が届いた | 審査請求は決定を知った日の翌日から3か月以内 |
| 更新の書類が届いた | 障害状態確認届は誕生月の末日までに提出 |
期限のある節目は早めに
このうち、65歳の期限と審査請求の3か月は、過ぎると原則として取り戻せません。当てはまりそうな方は、迷っている時間も期限に含まれると考えて、早めに相談してください。
まだ申請すると決めていないのに、相談してもいいのでしょうか。
社労士もちろんです。相談は申請のお約束ではありません。いまの状況で対象になりそうか、いつ動けばよいかを整理するだけでも、次の一歩が見えてきます。
ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか
障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。
※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。
障害認定日を過ぎていたら、もう遅いですか?
遅くありません。認定日を過ぎていても請求はできます。ただし、さかのぼれる期間には限りがあります。
さかのぼれるのは5年分まで
認定日に等級に当たる状態だった場合は、あとから認定日にさかのぼって請求できます。ただし国民年金法第102条により、年金を受ける権利は5年で時効を迎えるため、受け取れるのは5年分が限度です。認定日から5年以上たっている場合は、請求が1か月遅れるごとに、受け取れる分が1か月ずつ時効で消えていきます。
認定日に軽かった場合は「事後重症」
認定日には等級に当たらず、その後に悪化した場合は、事後重症として請求します(国民年金法第30条の2)。支給は請求した月の翌月分からで、さかのぼりはありません。請求できるのは65歳の誕生日の前々日までです。
| 障害認定日による請求 | 事後重症による請求 | |
|---|---|---|
| 対象 | 認定日に等級に当たる状態だった | 認定日は軽く、その後に悪化した |
| 受け取れる時期 | 認定日の翌月分から(さかのぼりは5年まで) | 請求した月の翌月分から |
| 期限 | 認定日以降いつでも(時効に注意) | 65歳の誕生日の前々日まで |
相談の前に準備しておくとよいことは?
初診の病院と時期、その後の通院歴、仕事や生活で困っていることの3つをメモにしておけば十分です。

いちばん大切なのは初診日の手がかり
初診日は、その病気やけがで初めて医師の診療を受けた日です。病名が確定した日ではありません。転院していても、いちばん初めに受診した日が初診日になります。最初にかかった病院の名前と時期を思い出しておくと、相談がスムーズに進みます。
完璧にそろえる必要はありません
書類を集めてから相談する必要はありません。日付があいまいでも、覚えている範囲で大丈夫です。お手元に診察券やお薬手帳があれば、初診日を確かめる手がかりになります。年金手帳や基礎年金番号通知書があれば、あわせて用意しておくと、加入していた年金の確認も進めやすくなります。
よくある質問
Q. まだ働いていても、相談できますか?
A. 相談できます。働いていることだけを理由に、請求できなくなる決まりはありません。職場で受けている配慮や、休みがちな状況なども含めて整理すると、いまの段階で動くべきかどうかが判断しやすくなります。
Q. 病名がまだ確定していなくても、相談できますか?
A. 相談できます。初診日は病名が確定した日ではなく、その病気やけがで初めて医師の診療を受けた日です。病名が決まる前の受診が初診日になることもあるため、診察券やお薬手帳を手がかりに、早めに整理しておくと安心です。
Q. 不支給の通知が届いたら、いつまでに動けばよいですか?
A. 審査請求は、決定があったことを知った日の翌日から3か月以内です。通知の理由を確認する時間も必要なので、届いた時点ですぐに相談してください。期限を過ぎると、原則として審査請求ができなくなります。
Q. 傷病手当金を受け取っている間に、相談してもいいですか?
A. 相談してかまいません。日本年金機構も、傷病手当金を受けている方に向けて障害年金の案内を出しています。傷病手当金と障害厚生年金には調整の仕組みがあるため、受給の順番もあわせて確認しておくと安心です。
まとめ:節目の前に、まず状況を整理する
障害年金の相談に「早すぎる」はありません。目安は、休職や退職を考えたとき、初診日から1年6か月が近づいたとき、65歳が近いとき、不支給や更新の通知が届いたときです。期限のある節目ほど、早めに動くことが大切です。認定日を過ぎていても遅くはありませんが、さかのぼれる期間には限りがあります。まずは初診の病院と時期をメモするところから始めてください。
中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
参考資料
・国民年金法 第30条の2・第102条(e-Gov法令検索)
・用語集「障害認定日」(日本年金機構)
・年金の決定に不服があるとき(審査請求)(日本年金機構)
・障害年金の初診日証明書類のご案内(日本年金機構)
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