MENU

働けなくなったら、まず何をすべき?最初の一歩ガイド

働けなくなったら1

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・健康保険法・日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。

この記事の結論

働けなくなったとき、まず整理すべきなのは「今の生活費をどう支えるか」と「将来の障害年金に備えて何を記録しておくか」の2点です。

会社員の方は傷病手当金(最長1年6か月、標準報酬日額の3分の2相当額)が当面の生活を支える柱になり、障害年金は初診日から1年6か月経過した障害認定日以降に検討する制度です(健康保険法第99条)。

障害年金の初診日は、後から確定した病名の日ではなく症状で初めて医師にかかった日を指すため、「まだ何も決まっていないから」と受診記録を疎かにすると、後で初診日の証明に苦労することになります。

突然の病気やケガ、あるいは少しずつ悪化してきた体調によって「もう今までのようには働けない」と感じたとき、何から手をつければいいのか分からず、不安だけが大きくなってしまうことがあります。生活費のこと、会社への連絡、治療のこと、考えなければならないことが一度に押し寄せてくるように感じるかもしれません。診断書一つとっても、何をどう頼めばいいのか見当がつかない、という声もよく聞きます。

この記事では、働けなくなったときに最初にすべきことを、時系列に沿って整理しました。すべてを一度にやる必要はありません。まずは全体の流れを知ることから始めましょう。

目次

働けなくなったら、最初に何をすればいいですか?

最初にすべきことは、①医療機関を受診して治療を始めること、②会社員であれば勤務先に休職の相談をすること、③今後の生活費をどう支えるかを整理すること、の3つです。

この3つは、それぞれ別々に進めているように見えても、実は密接につながっています。受診の記録は将来の障害年金の初診日に関わり、休職の相談は傷病手当金の申請につながり、生活費の見通しが立つことで治療に専念しやすくなります。順番にこだわりすぎず、動かせるところから同時並行で進めていくのが現実的です。

突然の病気やケガで働けなくなると、頭が真っ白になってしまうのも無理はありません。しかし、この3つさえ押さえておけば、その後の手続きは落ち着いて進めることができます。焦って全部を一気に片付けようとせず、一つずつ確認していけば大丈夫です。優先順位に迷ったときは、まず「今日・今週できること」から手をつけていきましょう。

受診した日を必ず記録しておく

症状で初めて医師の診療を受けた日は、将来「初診日」として扱われる可能性が高い、非常に重要な日付です(国民年金法第30条第1項)。診察券や領収書を保管し、日付をメモしておきましょう。まだ病名が確定していなくても構いません。「とりあえず様子を見よう」と受診を先延ばしにせず、早めに医療機関にかかっておくことが、後々の手続きを楽にしてくれます。

会社員の場合は休職の手続きを

会社に勤めている方は、休職制度の有無や手続き方法を人事担当者に確認しましょう。休職中の生活費を支える傷病手当金の申請も、この段階で並行して進めることになります。休職の連絡自体は、まず口頭や電話で一報を入れるだけでも構いません。

当面の生活費は、どう支えればいいですか?

働けなくなったら2

会社員で健康保険に加入している方は、まず「傷病手当金」の申請を検討しましょう。障害年金より先に使える、当面の生活を支える柱になる制度です。

傷病手当金は、病気やケガで働けず給与が支払われない期間、標準報酬日額の3分の2相当額が支給開始日から通算して1年6か月支給される健康保険の制度です(健康保険法第99条)。障害年金の請求ができるようになるのは原則として初診日から1年6か月後のため、それまでの生活費をこの制度で支えるという流れが一般的です。申請は自分で行う必要があるため、待っていても自動的には支給されない点に注意してください。

傷病手当金障害年金
根拠法健康保険法国民年金法・厚生年金保険法
対象健康保険加入の会社員等国民年金・厚生年金の加入者
使える時期働けなくなってすぐ原則、初診日から1年6か月後
支給期間の目安通算1年6か月状態が続く限り

国民健康保険には傷病手当金がありません

自営業やフリーランスの方が加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金の制度がありません。この場合、貯蓄や各種の生活支援制度、あるいは早い段階での障害年金の検討が中心になります。自治体独自の支援制度が用意されていることもあるため、お住まいの市区町村の窓口に確認してみるのも一つの方法です。

会社を休むことになったのですが、生活費が心配です。何を申請すればいいのでしょうか?

社労士

健康保険に加入されている会社員であれば、まず傷病手当金の申請をおすすめします。標準報酬日額の3分の2相当額が受け取れるので、当面の生活の支えになります。会社の担当部署に申請書類を確認してみましょう。

障害年金は、いつから申請できますか?

原則として、初診日から1年6か月経過した日(障害認定日)以降に請求できます。ただし、症状によっては、それより早い時点で請求できる特例もあります。

「働けなくなったばかりだから、障害年金はまだ先の話」と考える方が多いのですが、実際には今のうちに準備しておくべきことがたくさんあります。1年6か月はあっという間に過ぎることも多いため、早めに全体の流れを知っておくことが大切です。何もしないまま時間が過ぎてしまうと、いざ請求の段階になって初診日の証明に苦労するケースも少なくありません。

保険料納付要件も確認しておきましょう

障害年金を受け取るには、初診日の前日までの保険料納付状況が一定の基準を満たしている必要があります。ねんきんネットや年金事務所で、自分の納付状況を早めに確認しておくと安心です。未納期間があっても、要件を満たせるケースも多いので、確認せずにあきらめないようにしましょう。20歳前に初診日がある場合は、そもそも保険料納付要件が問われない特例もあります。

今のうちに記録しておくべきことはありますか?

働けなくなったら3

通院した日付・病院名・診療科、症状がいつからどのように現れているかを、今のうちからメモに残しておくことが重要です。

障害年金の審査では、初診日の証明や、症状の経過を記した「病歴・就労状況等申立書」の内容が重要な役割を果たします。1年半後、あるいは数年後に思い出して書こうとしても、記憶は曖昧になってしまいます。今の状態だからこそ記録できることがあります。日記のような形式でなくても、その日感じたことを一言メモするだけでも十分な記録になります。

仕事でできなくなったことも記録しておく

業務のどんな場面で支障が出ているか、どのくらいの頻度で休んでいるかといった記録も、後で病歴・就労状況等申立書を作成する際に役立ちます。特別な形式は必要なく、スマートフォンのメモ機能などで十分です。「今日は◯◯ができなかった」という一言だけでも、後から見返したときに大きな手がかりになります。

専門家に相談するタイミングは、いつがいいですか?

「働けなくなった」と感じた、まさに今の段階で相談することをおすすめします。診断が確定していなくても、申請の準備を始めていなくても構いません。

社労士への相談は、実際に申請書類を作る段階になってから、というイメージを持たれがちですが、早い段階で全体の流れを知っておくことで、その後の手続きをスムーズに進めることができます。初診日の記録の残し方や、傷病手当金と障害年金の受け取り方のタイミングなど、早めに知っておくことで得られるメリットは少なくありません。相談したからといって、必ず依頼しなければならないわけでもありません。

よくある質問

Q. 会社を辞めることになりそうです。その場合、傷病手当金はどうなりますか?

A. 退職日まで継続して1年以上の被保険者期間があり、退職日に現に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、退職後も引き続き傷病手当金を受け取れる場合があります。退職前に加入先の健康保険(協会けんぽ等)へ確認しておくことをおすすめします。一度就労可能な状態になった後は、再び働けなくなっても支給が再開されない点にも注意が必要です。

Q. 自営業ですが、障害年金は申請できますか?

A. 国民年金にも障害基礎年金の制度があるため、自営業の方も一定の要件を満たせば申請できます。ただし障害厚生年金の対象にはならず、対象になる等級も1級・2級のみです。3級に相当する程度の症状の場合、障害基礎年金の対象外になってしまう点は知っておくとよいでしょう。

Q. まだ診断名が確定していません。それでも準備を始めていいですか?

A. もちろんです。診断名が確定する前の受診も、将来の初診日として重要な記録になります。むしろ、確定していない今のうちから記録を残しておくことが大切です。診断が確定してから慌てて振り返ろうとするより、ずっと確実な記録が残せます。

Q. 家族が働けなくなりました。家族としてできることはありますか?

A. 通院への付き添いや、症状の記録を一緒に整理することが助けになります。本人が自分の状態を客観的に説明するのが難しい場合、家族から見た様子を伝えることも大切な情報になります。無理に励ますより、そばで一緒に手続きを整理する姿勢が支えになることもあります。

Q. 何から相談すればいいか分かりません。とりあえず連絡してもいいですか?

A. もちろんです。今の状況を整理すること自体からお手伝いできますので、迷った段階でご連絡いただいて大丈夫です。「相談したら必ず依頼しないといけない」ということもありませんので、気軽にお問い合わせください。

まとめ:今できることから、一つずつ

働けなくなったとき、最初に整理すべきなのは「今の生活費をどう支えるか」と「将来の障害年金に備えて何を記録しておくか」の2点です。会社員の方は傷病手当金が当面の生活を支える柱になり、障害年金は初診日から1年6か月経過した障害認定日以降に検討する制度です(健康保険法第99条)。通院日や症状の経過は、今のうちから記録しておくことで、後の手続きが大きく変わってきます。すべてを完璧にやろうとせず、できることから少しずつ進めていけば大丈夫です。

不安な中で、何から手をつければいいか分からなくなるのは当然のことです。一人で抱え込まず、早い段階で専門家に相談してみることをおすすめします。診断が確定していなくても、書類が何も揃っていなくても構いません。香川県観音寺市に事務所を構え、全国どこからのご相談にも対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

障害年金(日本年金機構)

傷病手当金|給付と手続き(全国健康保険協会)

LINEでのご相談手順(24時間受付)

当センターでは、外出が難しい方や遠方にお住まいの方でもスマートフォン一つでご相談いただけるよう、公式LINEでの無料相談・受給判定を承っております。全国どこからでもご利用いただけます。
ご相談の流れは以下のとおりです。難しい入力は必要ありません。

LINE相談の4ステップ
  1. 下記のボタンをタップすると当センターの公式LINE画面に移動しますので、「友だち追加」ボタンからご登録をお願いいたします。
  2. ご登録後、当センターから案内メッセージが自動で届きます。
  3. 案内に記載された①〜④の選択肢から当てはまるものを選び、番号とお名前(姓だけでOK)をお送りください。(例)② 山田
  4. 内容を確認次第、社労士より直接お返事いたします。詳しいご事情はこちらから順番にお伺いしますので、まずは番号だけで大丈夫です。

皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

※スマートフォンからそのまま追加できます。
※しつこい営業等は一切行いませんのでご安心ください。

💡あわせて読みたい関連記事

傷病手当金と障害年金、どっちを優先すべき?「調整」の仕組みと損をしない受給スケジュール

休職から退職へ。傷病手当金が切れる「魔の空白期間」を障害年金でカバーする方法

関連ページ

お問い合わせはこちら

ご来所いただかなくても、お電話・メール・LINEのやり取りだけで申請まで完了できます。
香川県観音寺市の事務所を拠点に、全国どこからのご相談にも対応しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
登録番号第37250012号 香川県社会保険労務士会会員
精神疾患・身体障害・難病など幅広い傷病の障害年金申請をサポート。
ご来所いただかなくても、お電話・メール・LINEのやり取りだけで
申請まで完了できるため、全国どこからでもご相談いただけます。

目次
まずは無料判定&あんしん相談
電話で相談 LINEで相談 Webで相談