監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生年金保険法・日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。
この記事の結論
障害年金は、初診日から1年6か月を経過した日(障害認定日)から申請できます(国民年金法第30条)。
数えるのは「通院した期間の長さ」ではなく初診日からの期間なので、途中で転院や受診の空白があっても、1年6か月がたてば障害認定日は来ます。
人工透析や人工関節の手術など一定の治療を受けた場合は、1年6か月より前に障害認定日が来る特例があります。
「通院を始めてまだ半年だけど、もう申請できるのだろうか」「何年も通っていないと対象にならないのでは」と迷う方は少なくありません。
この記事では、障害年金を申請できる時期の決まり方と、1年6か月より早く申請できる特例、時間がたってから申請する場合の注意点を、法律と日本年金機構の情報をもとに整理します。
障害年金は、通院を始めてどのくらいで申請できますか?
障害年金は、初診日から1年6か月を経過した日から申請できます。この日を「障害認定日」といいます。
起点は「初診日」、1年6か月で障害認定日になる
初診日とは、その病気やけがで初めて医師の診察を受けた日です。国民年金法第30条第1項と厚生年金保険法第47条第1項は、初診日から1年6か月を経過した日に障害の状態を見ると定めています。たとえば初診日が2025年4月10日なら、障害認定日は2026年10月10日です。この間に何回受診したか、どのくらいの頻度で通ったかは、障害認定日の決まり方には関係しません。
1年6か月より前に症状が固定すれば、その日が認定日
同じ条文は、1年6か月の間に病気やけがが「治った日」も障害認定日になると定めています。ここでいう「治った」には、症状が固定し、治療の効果が期待できない状態になった場合も含まれます。症状固定かどうかは医師の医学的な判断が前提になるため、該当しそうなときは主治医に確認してください。
1年6か月より前に申請できるのは、どんな場合ですか?
人工透析や人工関節など、日本年金機構が定める一定の治療や状態に当てはまる場合は、1年6か月より前に障害認定日が来ます。主な特例は次のとおりです。

| 治療・状態 | 障害認定日 |
|---|---|
| 人工透析療法 | 透析を初めて受けた日から3か月を経過した日 |
| 人工骨頭・人工関節 | そう入置換した日 |
| 心臓ペースメーカー・ICD・人工弁 | 装着した日 |
| 人工肛門・尿路変更術 | 造設または手術の日から6か月を経過した日 |
| 新膀胱 | 造設した日 |
| 手足の切断・離断 | 原則として切断または離断した日 |
| 喉頭全摘出 | 全摘出した日 |
| 在宅酸素療法 | 開始した日 |
特例は「初診日から1年6か月以内」に限られる
これらの特例は、初診日から1年6か月以内に上の治療を受けた場合に使えます。1年6か月を過ぎてから治療を始めた場合は、原則どおり初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日です。
うつ病など精神の病気には、早まる特例はない
表の特例は身体の治療や状態に限られます。うつ病や発達障害など精神の病気は、初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日です。
1年6か月たつまでは、何もしないで待つしかないのでしょうか?
社労士待つ間にできる準備があります。初診の病院がどこか確かめておくことと、受診歴や生活の困りごとをメモしておくことです。認定日を迎えてから慌てずに済みますよ。
ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか
障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。
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1年6か月の間、ずっと同じ病院に通っていないといけませんか?
同じ病院に通い続けている必要はありません。障害認定日は初診日からの期間で決まるため、転院しても、受診の空白があっても、初診日から1年6か月を経過すれば障害認定日は来ます。
ただし障害認定日の頃の受診記録は必要になる
障害認定日の状態で請求するときは、障害認定日から3か月以内の状態を書いた診断書が必要です。この時期に受診していないと、さかのぼって請求することが難しくなります。受診の空白がある方は、通院をやめた時期がある場合の障害年金申請で影響と対処法を確認してください。
今の状態で請求するなら、直近3か月以内の受診が必要
今の状態で請求する場合は、請求日前3か月以内の状態を書いた診断書が必要です。診断書は実際に診察した医師が書くものなので、受診していない期間の状態は書いてもらえません。通院を中断している方は、申請を考えた時点で受診を再開し、医師に今の状態を診てもらうことが第一歩になります。
1年6か月を過ぎて何年もたっていても、申請できますか?
申請できます。障害認定日の請求には期限がなく、何年たっていても障害認定日の状態で請求できます。ただし、さかのぼって受け取れる年金は時効により5年分までです(国民年金法第102条)。

認定日から1年以上たっていれば診断書は2枚
障害認定日と請求日が1年以上離れている場合は、障害認定日から3か月以内の診断書に加えて、請求日前3か月以内の診断書も必要です。日本年金機構の案内でもそう定められています。
今の状態で請求するなら、早いほど受け取りが早くなる
障害認定日には軽かった症状が後から重くなった場合は、「事後重症請求」で今の状態を審査してもらえます(国民年金法第30条の2)。この請求は65歳の誕生日の前々日までに行う必要があり、年金は請求した月の翌月分からしか支給されません。迷っている間の分はさかのぼれないため、申請の時期に迷うときは早めに専門家へ相談してください。
よくある質問
Q. 初診日が20歳前の場合も、1年6か月で申請できますか?
A. 初診日が18歳6か月以後なら1年6か月で申請できますが、18歳6か月より前なら20歳に達した日まで待つ必要があります。1年6か月を経過した日と20歳に達した日のうち、遅いほうが障害認定日になるためです(国民年金法第30条の4)。
Q. 1年6か月たつ前に、相談や準備を始めてもいいですか?
A. 始めて大丈夫です。初診日の証明に使う「受診状況等証明書」の取得や、受診歴の整理は障害認定日の前から進められます。早めに始めるほど、認定日を迎えてすぐに請求できます。
Q. 初診日がはっきりしないと、障害認定日も決まりませんか?
A. 決まりません。障害認定日は初診日から数えるため、まず初診日を特定する必要があります。最初の病院のカルテがない場合は、診察券やお薬手帳などの記録が手がかりになります。
Q. 65歳を過ぎると、もう申請できませんか?
A. 障害認定日の状態で請求する方法なら、65歳を過ぎても請求できます。65歳の誕生日の前々日までという期限があるのは、今の状態で請求する事後重症請求です。
まとめ:申請できるのは初診日から1年6か月を経過した日から
障害年金は、通院した期間の長さではなく、初診日から1年6か月を経過した日(障害認定日)から申請できます。まずは初診日がいつ、どこの病院だったかを確かめ、障害認定日がいつになるかを計算するところから始めてみてください。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
参考資料
・国民年金法 第30条・第30条の2・第30条の4・第102条(e-Gov法令検索)
・厚生年金保険法 第47条(e-Gov法令検索)
・用語集「障害認定日」(日本年金機構)
・障害基礎年金を受けられるとき(日本年金機構)
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