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慢性膵炎で働けないとき、障害年金は申請できる?

慢性膵炎1

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生年金保険法・日本年金機構の障害認定基準に基づき作成しています。

この記事の結論

慢性膵炎による腹痛や消化吸収障害で働けない状態であれば、障害年金を申請できます。障害認定基準に慢性膵炎の専用の節はなく、「その他の疾患による障害」として日常生活の制限の程度で判断されます。

膵性糖尿病がある場合は、糖尿病の基準もあわせて確認します。

アルコールが原因でも、それだけで対象外にはなりません。断酒が認定の条件として明記されているのは、アルコール性肝硬変です。

みぞおちや背中の痛みが続き、食事のたびに下痢や体重の減少に悩まされる。慢性膵炎と診断され、以前のように働けなくなった方から、「内臓の病気でも障害年金の対象になるのか」というご相談をいただきます。

慢性膵炎は、症状によって見られる認定基準と診断書が変わります。この記事では、どの基準で審査されるのか、膵性糖尿病がある場合の等級、アルコールが原因の場合の扱いを整理します。

目次

慢性膵炎で働けないとき、障害年金は申請できますか?

申請できます。腹痛や消化吸収障害、倦怠感で日常生活や仕事が制限されていれば、障害年金の対象になります。

障害年金は、病名ではなく、病気によって日常生活や仕事がどれだけ制限されているかで等級が決まります。慢性膵炎の場合も、痛みで横になっている時間、食事の制限、体重の減少などから、生活への影響の大きさが判断されます。

「その他の疾患による障害」の考え方で判断されます

障害認定基準の「その他の疾患による障害」は、日常生活が著しい制限を受ける程度を2級、労働が制限を受ける程度を3級としています。一般状態区分(生活の状態を示すアからオの5段階)でエ・ウは2級、ウ・イは3級におおむね相当するとされ、これが判断の参考になります。

3級があるのは厚生年金に加入していた方だけです

初診日(その病気で初めて医師の診療を受けた日)に厚生年金保険に加入していた方は、1級から3級まで対象です(厚生年金保険法第47条)。国民年金だけに加入していた方は、国民年金法第30条により1級と2級に限られます。

慢性膵炎は、どの認定基準と診断書で審査されますか?

慢性膵炎2

腹痛や消化吸収障害は「その他の疾患による障害」、膵性糖尿病は「代謝疾患による障害」の基準で見られます。

慢性膵炎が進むと、膵臓からインスリンが出にくくなり、膵性糖尿病を合併することがあります。どの症状で生活が制限されているかによって、使う診断書の様式が変わります。

症状ごとの基準と診断書

主な症状認定基準診断書の様式
腹痛・消化吸収障害・倦怠感・体重減少その他の疾患による障害血液・造血器・その他の障害用
膵性糖尿病(インスリン治療)代謝疾患による障害腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用
両方がある両方の基準2種類とも提出を検討

様式は依頼前に年金事務所で確認します

「腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用」の診断書だけでは、膵性糖尿病の状態しか伝わりません。痛みや消化吸収障害で生活が制限されている場合は、その状態を書ける様式を選ぶことが大切です。日本年金機構も、診断書の作成前に年金事務所へ相談するよう案内しています。

痛み止めを飲んでも、食後は横にならないとつらいんです。こういうことも診断書に書いてもらえるものでしょうか。

社労士

書いてもらえます。1日に何時間横になっているか、食事で何を控えているか、体重がどう変わったかをメモにして主治医に渡すと、生活の制限が伝わりやすくなります。

ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか

障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。

※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。

膵性糖尿病でインスリン治療をしていると、何級になりますか?

一定の検査数値などを満たし、生活の制限がある場合は3級が目安です。状態によっては上位の等級に認定されます。

障害認定基準の糖尿病の認定要領は、検査日より前に90日以上継続して必要なインスリン治療を行っている方について、次のいずれかにあてはまり、一般状態区分がウまたはイの場合を3級としています。

3級の目安になる3つの状態

  • 空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満
  • 意識障害により自己回復ができない重症低血糖が平均して月1回以上
  • 糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上

「最高でも3級」ではありません

認定要領には、症状や検査成績、具体的な日常生活の状況によっては、さらに上位の等級に認定すると明記されています。腹痛や消化吸収障害による制限も重なっている場合は、両方の状態を診断書に反映してもらうことが大切です。

アルコールが原因の慢性膵炎でも、障害年金は申請できますか?

慢性膵炎3

申請できます。アルコールが原因であることだけを理由に、対象外になるわけではありません。

障害認定基準で、アルコールをやめていることが認定の条件として明記されているのは、肝疾患による障害のアルコール性肝硬変です。慢性膵炎を見る「その他の疾患による障害」や糖尿病の認定要領には、同じ定めはありません。

アルコール性肝硬変には断酒の条件があります

アルコール性肝硬変は、継続して必要な治療を行っていることと、検査日より前に180日以上アルコールを摂取していないことが確認できた方に限って認定されます。慢性膵炎と肝硬変を両方お持ちの方は、この条件も関係してきます。

治療を続けている記録が大切です

慢性膵炎の治療では、断酒が大きな柱になります。通院や断酒を続けている経過は、病歴・就労状況等申立書にも具体的に書いておきましょう。障害の状態を正しく伝えるための材料になります。

よくある質問

Q. 慢性膵炎の初診日は、いつになりますか?

A. みぞおちや背中の痛みなど、慢性膵炎の症状で初めて医師の診療を受けた日です(国民年金法第30条第1項)。最初は胃炎などと言われていても、同じ症状の続きであれば、その最初の受診日が初診日になります。当時の医療機関と時期を確認しておきます。

Q. 体重の減少や下痢は、どう伝えればいいですか?

A. 数字と具体的な場面で伝えます。発症前と今の体重、1日の下痢の回数、食べられないものや食事量の変化、横になっている時間をメモにして、診察のときに主治医に渡しておくと診断書に反映してもらいやすくなります。

Q. 膵臓の手術を受けた場合は、どうなりますか?

A. 手術後に残った症状で判断されます。手術後に糖尿病が出てインスリン治療が必要になった場合は、糖尿病の基準も関係します。手術の前後で食事や仕事、生活がどう変わったかを、病歴・就労状況等申立書に書いておきましょう。

Q. 働きながらでも障害年金は受けられますか?

A. 働いていることだけで対象外にはなりません。3級は労働が制限を受ける程度が対象で、勤務時間の短縮や、痛みで休む日が多いといった実態が判断材料になります。職場で受けている配慮は、病歴・就労状況等申立書に具体的に書いておきます。

まとめ:慢性膵炎は、症状に合った基準と診断書で請求します

慢性膵炎で働けない状態であれば、障害年金を申請できます。腹痛や消化吸収障害は「その他の疾患による障害」、膵性糖尿病は糖尿病の基準で見られるため、生活を制限している症状に合わせて診断書を選ぶことが第一歩です。

まずは症状で最初に受診した医療機関と時期、今の生活で困っていることを書き出してみましょう。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

・国民年金法 第30条(e-Gov法令検索)
・厚生年金保険法 第47条(e-Gov法令検索)
・障害認定基準 第15節 代謝疾患による障害(日本年金機構)
・障害認定基準 第18節 その他の疾患による障害(日本年金機構)

LINEでのご相談手順(24時間受付)

当センターでは、外出が難しい方や遠方にお住まいの方でもスマートフォン一つでご相談いただけるよう、公式LINEでの無料相談を承っております。全国どこからでもご利用いただけます。
ご相談の流れは以下のとおりです。難しい入力は必要ありません。

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皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
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