障害年金の申請や診察の場で、多くの方が無意識に使ってしまう言葉があります。
「今は落ち着いています」
一見、正直で問題のない表現に思えますが、障害年金の申請においては注意が必要な言葉です。
この記事では、なぜ「今は落ち着いている」と言ってしまうと不利になる可能性があるのか、その理由と正しい伝え方の考え方を整理します。
「落ち着いている=問題がない」と受け取られやすい

障害年金の審査や診断書では、書かれた言葉がそのまま評価材料になります。
「今は」という前提は読み取ってもらえません
本人の意図としては、
- 薬が効いて一時的に落ち着いている
- 環境を整えて何とか保っている
- 無理をして日常をこなしている
という意味で使っていても、
書面上では、「症状は安定している」「大きな支障はない」と受け取られてしまうことがあります。
障害年金で見られているのは「安定して続けられるか」

障害年金の認定では、一時的な状態よりも 継続性 が重視されます。
「調子が良い日」ではなく「平均的な状態」
調子の良い日や無理をして動けている日ではなく、
- 普段の生活がどうか
- 悪いときにどうなるか
- それがどのくらいの頻度で起こるか
が評価の対象になります。
「今は落ち着いている」という表現は、この視点とズレてしまうことがあります。
よくある誤解① 正直に話せば大丈夫
多くの方が、「正直に話しているのだから問題ないはず」と考えます。
正直さと「正確さ」は別です
障害年金で必要なのは、「正直さ」ではなく、制度に沿った「正確さ」です。
「落ち着いている」という言葉だけでは、
- 何が原因で
- どの程度
- どんな制限があるのか
が伝わりません。
よくある誤解② 治ってきていると対象外になる
「落ち着いている」と言ってしまう背景には、「治ってきていると、もらえなくなるのでは?」という不安があることも少なくありません。
「治っていない」ことを強調する必要はありません
障害年金は、「完全に治っていないこと」を証明する制度ではなく、
「日常生活や就労に制限があるかどうか」を見る制度です。
症状が波打ちながら続いている場合や、環境調整がなければ成り立たない場合でも、対象になることがあります。
「落ち着いている」を使うなら補足が必要です
どうしても「落ち着いている」と伝える場合は、必ず前提条件を補足することが重要です。
補足すべきポイントの例
- 薬を増やして何とか保っている
- 外出や人付き合いを極力避けている
- 家族の支援があって成り立っている
- 無理をするとすぐに悪化する
こうした背景がなければ、正確な評価にはつながりません。
診断書では「言葉の切り取り」が起こります

診断書は、会話の流れではなく 文章 で評価されます。
一部の表現だけが残るリスク
診察中の会話の中で出た、「今は落ち着いています」という一言だけが診断書に残り、
「その前後の説明」や「条件付きの安定」が反映されないケースもあります。
伝えるべきなのは「落ち着いている理由」と「限界」
障害年金の申請では、次の点を整理して伝えることが重要です。
なぜ落ち着いているのか
- 薬の影響
- 環境調整
- 周囲の支援
どこまでが限界か
- どこまでならできるのか
- 何をすると崩れるのか
- 続けられない理由
これらを整理することで、「落ち着いている」という言葉も正確な意味を持つようになります。
まとめ|「今は落ち着いている」は慎重に使う言葉
「今は落ち着いている」という表現は、日常会話では自然でも、障害年金の申請では 誤解されやすい言葉 です。
大切なのは、一時的な状態ではなく「平均的・継続的な生活状況」「支援や制限の実態」を伝えることです。
言葉一つで評価が変わることもあるからこそ、「どう受け取られるか」まで意識することが重要になります。
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