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後縦靱帯骨化症でも障害年金は申請できる?

後縦靱帯骨化症1

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生年金保険法・日本年金機構の障害認定基準に基づき作成しています。

この記事の結論

後縦靱帯骨化症で手足のしびれやまひがあり、日常生活や仕事に支障があれば障害年金を申請できます。脊髄の圧迫で手足に広く障害が出ている場合は、「肢体の機能の障害」としてまとめて認定されます。

請求では肢体の障害用の診断書を使います。

ただし手術日がそのまま障害認定日になるわけではなく、症状が固定した日が基準です(国民年金法第30条)。

首の後ろの靱帯が骨のように硬くなり、手のしびれや歩きにくさが続いている。後縦靱帯骨化症と診断され、以前のように働けなくなった方から、「難病でも障害年金の対象になるのか」というご相談をいただきます。

後縦靱帯骨化症には、手足の動かしにくさや首の動きの制限で等級を決める、はっきりした認定基準があります。この記事では、何級になるかの目安と、手術後に請求するときの注意点を整理します。

目次

後縦靱帯骨化症でも障害年金は申請できますか?

申請できます。手足のしびれやまひ、首の動きの制限で日常生活や仕事に支障があれば、障害年金の対象になります。

障害年金は、病名ではなく、病気によって日常生活や仕事がどれだけ制限されているかで等級が決まります。後縦靱帯骨化症は指定難病ですが、指定難病であることだけで受給が決まるわけではありません。実際に残っている症状の程度で判断されます。

審査は「肢体の障害」の基準で行われます

後縦靱帯骨化症では、骨化した靱帯が脊髄を圧迫し、手足のしびれや力の入りにくさ、細かい作業のしにくさが出ます。障害認定基準では、こうした症状は「肢体の障害」として審査され、診断書も肢体の障害用を使います。

3級があるのは厚生年金に加入していた方だけです

初診日(その病気で初めて医師の診療を受けた日)に厚生年金保険に加入していた方は、1級から3級まで対象です(厚生年金保険法第47条)。国民年金だけに加入していた方は、国民年金法第30条により1級と2級に限られます。

後縦靱帯骨化症では、何級になるかをどう判断されますか?

後縦靱帯骨化症2

手足に広く障害が出ている場合は、上肢と下肢を分けずに「肢体の機能の障害」として、日常生活動作の状態から総合的に判断されます。

障害認定基準は、脊髄損傷などの「脊髄の器質障害」で手足に広く障害が出る場合、上肢・下肢ごとの基準によらず、「肢体の機能の障害」として認定するとしています。関節の動く範囲や筋力だけでなく、細かい作業のしやすさ、動作の速さ、続けられる時間も考慮されます。

等級の目安

等級肢体の機能の障害首の動きの制限(脊柱の機能の障害)
1級四肢の機能に相当程度の障害を残すもの など―
2級四肢に機能障害を残すもの など―
3級一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの脊柱の他動可動域が参考可動域の2分の1以下

※1級・2級には、一上肢及び一下肢の障害による基準もあります。詳細は障害認定基準 第7節 第4 肢体の機能の障害(日本年金機構)参照。

日常生活動作が「一人でできるか」が物差しです

認定基準では、日常生活動作の多くが一人で全くできない、またはほとんどが非常に不自由な場合を「相当程度の障害」、一部が一人でできない、またはやや不自由な場合を「機能障害を残すもの」としています。箸を使う、ボタンをかける、階段を上るといった動作が評価の中心です。

手のしびれはありますが、時間をかければ自分で着替えもできます。それでも対象になるのでしょうか。

社労士

「時間をかければできる」ことも、不自由さとして評価されます。ボタンかけに何分かかるか、途中で休むかなど、具体的な様子を主治医に伝えておくと、診断書に反映してもらいやすくなります。

ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか

障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。

※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。

後縦靱帯骨化症の手術を受けた場合、いつから請求できますか?

原則として初診日から1年6か月を経過した日から請求できます。手術日がそのまま障害認定日になるわけではありません。

国民年金法第30条は、障害の程度を判断する「障害認定日」を初診日(その病気で初めて医師の診療を受けた日)から1年6か月を経過した日とし、その前に傷病が治った場合は治った日としています。この「治った日」には、症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日が含まれます。

基準になるのは手術後に残った症状です

脊椎の手術は、症状を和らげるための治療です。手術後にリハビリで回復していく途中であれば、まだ症状が固定したとはいえません。等級は、手術後に残ったしびれやまひ、首の動きの制限で判断されます。

「症状固定」と言われたら請求を検討します

初診日から1年6か月より前に、主治医から「これ以上の改善は見込みにくい」と言われた場合は、その時点で症状が固定したとして請求できる可能性があります。診断書に症状固定の時期を記載してもらえるか、主治医に確認しておきましょう。

後縦靱帯骨化症の初診日は、いつになりますか?

後縦靱帯骨化症3

首や肩の痛み、手のしびれなどの症状で、初めて医師の診療を受けた日が初診日です。

後縦靱帯骨化症は少しずつ進むため、最初は肩こりや首の痛みとして受診し、後から病名が分かることが少なくありません。国民年金法第30条第1項は、傷病について初めて医師の診療を受けた日を初診日と定めており、病名が確定した日ではありません。

最初の病名が違っていても、同じ症状なら初診日になります

最初に「頸椎症」「肩こり」などと言われていても、同じ症状の続きで後縦靱帯骨化症と診断された場合は、最初の受診日が初診日になります。当時の医療機関で受診状況等証明書を取れるか、早めに確認しておくことが大切です。

整骨院や接骨院での施術は初診日になりません

初診日は、医師または歯科医師の診療を受けた日です。整骨院・接骨院での施術や、マッサージに通っていた時期は含まれません。整骨院に通ったあと整形外科を受診した場合は、整形外科の受診日が初診日になります。

よくある質問

Q. 難病の医療費助成を受けていると、障害年金で不利になりますか?

A. 不利にはなりません。難病の医療費助成と障害年金は別の制度で、両方を同時に受けられます。臨床調査個人票などで使った検査結果や画像所見は、障害年金の診断書を依頼するときの参考資料としても役立ちます。

Q. 身体障害者手帳の等級と、障害年金の等級は同じですか?

A. 同じではありません。身体障害者手帳と障害年金は別の基準で判定され、障害年金は日常生活や仕事の制限の程度で等級が決まります。手帳を持っていなくても、障害年金は請求できます。手帳の等級が低くても、障害年金で上位の等級になることもあります。

Q. 働きながらでも障害年金は受けられますか?

A. 働いていることだけで対象外にはなりません。勤務時間の短縮や、細かい作業を避けるなどの配慮を受けている実態が判断材料になります。職場で受けている配慮や仕事内容の変化は、病歴・就労状況等申立書に具体的に書いておきます。

Q. 受給が決まったあとに症状が進んだ場合は、どうなりますか?

A. 等級を見直す額改定請求ができます(国民年金法第34条)。原則として受給権を取得した日などから1年を経過した後に請求できます。症状が重くなったと感じたら、主治医に現在の状態を確認したうえで手続きを検討します。

まとめ:後縦靱帯骨化症は、日常生活動作の不自由さで認定されます

後縦靱帯骨化症で手足のしびれやまひがあり、生活や仕事に支障があれば、障害年金を申請できます。手足に広く障害が出ている場合は「肢体の機能の障害」として、日常生活動作の状態から総合的に判断されます。

まずは首や手の症状で最初に受診した医療機関と時期を確認し、初診日から1年6か月を経過しているかを見てみましょう。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

・国民年金法 第30条・第34条(e-Gov法令検索)
・厚生年金保険法 第47条(e-Gov法令検索)
・障害認定基準 第7節 第4 肢体の機能の障害(日本年金機構)
・障害認定基準 第7節 第3 体幹・脊柱の機能の障害(日本年金機構)

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
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