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指定難病・特定疾患で働けなくなったとき、障害年金は受給できる?認定基準と申請のポイント

指定難病修正

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生年金保険法、日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。

この記事の結論

指定難病・特定疾患と診断されただけでは障害年金は受給できず、日常生活と労働にどれだけ制限があるかで判断されます。

難病専用の診断書様式はないため、症状が最も強く出ている部位や機能に合った様式を主治医に選んでもらってください。

障害認定基準では一般状態区分表が目安とされ、軽労働ができない「ウ」以上で2級または3級が検討されます。

病気の診断を受け、これまで通りに働くことが難しくなる。指定難病や特定疾患と向き合うなかで、そんな状況に直面される方は少なくありません。収入が減って生活が不安、自分は障害年金の対象になるのだろうかと、先の見えない不安を抱えていらっしゃるかもしれません。

障害年金は、病名ではなく生活と仕事への支障で判断される制度です。この記事では、難病がどのものさしで評価されるのか、どの診断書を使えばよいのかを、認定基準に沿って整理します。

目次

指定難病と診断されれば、障害年金はもらえますか?

診断されただけでは受給できません。指定難病の医療費助成と障害年金は、目的も判断のものさしも異なる別の制度です。

2つの制度は、見ているものが違います

指定難病の医療費助成障害年金
目的治療にかかる医療費の負担軽減生活を支えるための所得保障
判断するもの病名と重症度の基準日常生活と労働の制限の程度
根拠難病法に基づく助成制度国民年金法第30条・厚生年金保険法第47条
病名リストあり(国が指定)なし

指定難病でなくても、受給できることがあります

別の制度だということは、裏を返せば、指定難病に認定されていなくても障害年金を受けられる場合があるということです。障害年金には対象疾患のリストがありません。医療費助成の対象かどうかにとらわれず、いま生活と仕事にどれだけ支障があるかという視点で考えてみてください。

難病の障害等級は、何を基準に判断されますか?

障害認定基準の「一般状態区分表」が目安になります。検査所見と日常生活への支障の両方を見て、総合的に認定されます。

一般状態区分表と等級の対応

区分一般状態該当する等級
ア無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの該当なし
イ軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの3級
ウ歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないもの2級または3級
エ身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しているもの2級
オ身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられるもの1級

障害認定基準では、1級は区分オ、2級は区分エまたはウ、3級は区分ウまたはイに該当するものとされています。なお3級は厚生年金保険法の別表第1にのみ定めがあり、初診日が国民年金だった方は対象になりません。1級・2級は国民年金法施行令の別表に定められています。

難病は、区分表だけでは決まりません

障害認定基準は、難病について発病の時期が不定・不詳で発病が緩徐であり、症状が複雑多岐にわたると述べています。そのうえで、区分表だけで機械的に判定せず、客観的な検査所見に加えて日常生活能力を十分考慮し、病状の経過や治療の効果も含めて総合的に認定するとしています。倦怠感や痛みのように数値に出にくい症状も、生活への影響として伝われば考慮されます。

検査の数値はそれほど悪くないと言われています。それでも申請できるのでしょうか。

社労士

できます。見られているのは数値だけではありません。一日のうちどれくらい横になっているか、どんな場面で人の手を借りているか。そこを具体的に伝えることが大切です。

ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか

障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。

※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。

難病の診断書は、どの様式を使えばよいですか?

難病専用の様式はありません。日本年金機構が定める8種類のうち、症状が最も強く出ている部位や機能に合った様式を選びます。

症状から様式を選びます

診断書は、眼/聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能/肢体/精神/呼吸器疾患/循環器疾患/腎疾患・肝疾患・糖尿病/血液・造血器・その他の8種類です。手足の動かしにくさが中心なら肢体の障害用、呼吸の苦しさなら呼吸器疾患の障害用というように、出ている症状に合わせて選びます。

全身の倦怠感は「血液・造血器・その他の障害用」

全身の衰弱や強い倦怠感、関節痛など、特定の部位の様式にあてはまらない症状は、「血液・造血器・その他の障害用」を使います。膠原病や多発性筋炎などがこれにあたります。この様式には一般状態区分表の欄があり、先ほどの区分がそのまま記載されます。症状が複数の部位にまたがる場合は、複数の様式を組み合わせて提出することもできます。

様式選びは、主治医任せにしないでください

どの様式を使うかで、伝わる内容が変わります。主治医が障害年金の様式に詳しいとは限らないため、いちばん困っている症状は何かを整理したうえで相談してください。ここを間違えると、実態より軽い内容の診断書ができあがってしまいます。

働きながらでも、障害年金は受給できますか?

受給できる場合があります。働いているかどうかではなく、どのような配慮のもとで働いているかが見られます。

見られているのは就労の実態です

短時間勤務、在宅勤務、業務内容の限定、頻繁な休憩。こうした支えのもとで働けている状態は、「働ける」の一言では片づけられません。勤務時間、休んだ日数、職場で受けている配慮を具体的に書き残してください。一般状態区分表でいえば、軽労働ができるかどうかが「イ」と「ウ」の分かれ目になります。

休職や退職に至った経緯も残してください

難病のために休職や退職をされた場合、その経緯は現在の状態を示す大切な情報です。どんな症状で、どのように働けなくなったのか。無理をして働き続けた事実は、決してマイナスにはなりません。あとから思い出そうとするとあいまいになるので、早い段階から記録しておくことをおすすめします。

よくある質問

Q. 医療費助成を受けていれば、障害年金の手続きは簡単になりますか?

A. 簡単にはなりません。別の制度なので、障害年金は一から請求手続きが必要です。医療費助成の受給者証があっても、診断書や病歴・就労状況等申立書の提出は省略できません。

Q. 認定基準に自分の病名が載っていません。対象外ですか?

A. 対象外ではありません。障害年金に対象疾患のリストはなく、症状が出ている部位や機能の基準にあてはめて判断されます。病名が基準に明記されていないことは、受給できない理由になりません。

Q. 初診日は、確定診断を受けた日になりますか?

A. 確定診断の日とは限りません。その症状で初めて医師の診療を受けた日が初診日です。難病は診断までに複数の病院を回ることが多いため、最初に受診した医療機関までさかのぼって確認してください。

Q. 症状に波があります。良いときの状態で書かれてしまいませんか?

A. 波があること自体を伝えてください。調子の良い日と悪い日がそれぞれ月に何日あるか、悪い日はどう過ごしているかを記録し、診断書と申立書の両方に反映させることが大切です。

まとめ:病名ではなく、生活の実態で判断されます

指定難病や特定疾患と診断されただけでは、障害年金は受給できません。逆に、指定難病でなくても受給できる場合があります。見られているのは病名ではなく、日常生活と労働にどれだけ制限があるかです。一般状態区分表のどこにあてはまるかを起点に、症状に合った診断書の様式を選び、検査数値に出にくい困りごとまで書き残してください。

難病は病名ごとに見るべき点が異なります。ご自身の病名でどこを押さえるべきか迷われたときは、書類をそろえる前にご相談ください。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

・国民年金法 第30条(e-Gov法令検索)
・厚生年金保険法 第47条・別表第1(e-Gov法令検索)
・障害認定基準 第18節 その他の疾患による障害(日本年金機構)
・障害年金の請求手続き等に使用する診断書・関連書類(日本年金機構)

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
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