監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
ご本人の同意を得て、個人が特定されないよう一部内容を変更して掲載しています。
この事例の要点
| ご本人 | 50代・女性・香川県 |
|---|---|
| 傷病名 | 新型コロナワクチン接種後の脳炎・脊髄炎 |
| 結果 | 障害厚生年金2級・年金額 約130万円 |
| 請求方法 | 事後重症請求(認定日請求から切り替え) |
| 申請時の状況 | 両脚のしびれと筋力低下で常に杖が必要。家事は休み休みで、屋外の用事は家族や近所の方の協力が必要 |
| この事例の壁 | 医療機関の協力が得にくく、診断書の作成と修正に大きな労力がかかった |
新型コロナワクチンの接種後に脳炎・脊髄炎を発症した方が、医療機関との調整を重ね、事後重症請求で障害厚生年金2級の認定につながった事例です。
こんな方の参考になる事例です
- ワクチン接種後に体調を崩し、歩行や日常生活に支障が残っている
- 主治医に障害年金の診断書をお願いしにくい、または協力が得られない
- 認定日請求と事後重症請求のどちらにするか迷っている
ご相談時の状況
ご本人は新型コロナワクチンの接種後に発熱と強い倦怠感が続き、職場で様子の変化に気づかれたことをきっかけに受診しました。検査で脳炎が確認されて即日入院となり、ステロイドによる治療を受けました。その後も症状は軽快と悪化を繰り返し、入退院を重ねています。
- 神経の症状:めまい、ふらつき、吐き気、物が二重に見える複視、両脚のしびれが続いています。令和6年以降は脊髄炎も加わり、歩行が著しく不安定になりました
- 日常生活:常に杖が必要で、洗顔や入浴、着替えにも支障があります。しゃがむ、向きを変えるといった動作で転倒しそうになるため、慎重に動く必要があります
- 家事と外出:家事は短時間しか続かず、休み休み行っています。買い物やゴミ出しは家族や近所の方に協力してもらい、一人で外出することはほとんどありません
- 仕事:デスクワーク中心の配慮を受けていましたが、症状の悪化により休職しました
医療機関の協力が得にくいとき、どう進めたか
壁:診断書の作成に協力が得られず、記載の不備も多かった
医療機関側と、初診日や障害認定日の扱いについて認識に違いがありました。本来は障害認定日にさかのぼる認定日請求も可能なケースでしたが、その時点の診断書の作成に協力を得ることが難しい状況でした。作成された診断書にも記載の不足が多く見られました。
対応:治療関係を守ることを優先し、事後重症請求に切り替えた
- 請求方法の判断:ご本人と慎重に相談を重ね、今後の治療関係を悪化させないことを最優先に、事後重症請求で申請する方針に切り替えました
- 診断書の修正:年金事務所と医療機関の間を何度も往復して、診断書の修正・補足をお願いし、必要な情報を整理し直したうえで提出しました
主治医に診断書をお願いしにくい方も、一度ご相談ください。
ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか
障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。
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認定日請求ができないとき、事後重症請求ではいつからの年金になりますか?
事後重症請求では、請求した日の翌月分から年金が支給され、それより前にさかのぼることはできません。
事後重症請求は、障害認定日には障害等級に該当しなかった方が、65歳に達する日の前日までに該当したときに行う請求です(厚生年金保険法第47条の2)。障害認定日の状態を診断書で示せない場合も、この方法で請求することになります。認定日請求との違いは次のとおりです。
| 認定日請求 | 事後重症請求 | |
|---|---|---|
| 必要な診断書 | 障害認定日時点の診断書 | 請求日前3か月以内の現症の診断書 |
| 支給の開始 | 障害認定日の翌月分から | 請求日の翌月分から |
| さかのぼり | 時効により5年分が限度 | なし |
事後重症請求は請求が1か月遅れると、その分だけ受給の開始も遅れます。迷っている間に時間が過ぎないよう、早めに動くことが大切です。詳しくは「障害年金「事後重症請求」の注意点」で解説しています。
認定結果
| 年金の種類・等級 | 障害厚生年金2級(障害基礎年金2級を含む) |
|---|---|
| 年金額 | 約130万円(認定当時の年額) |
| 請求方法 | 事後重症請求 |
認定日請求はかないませんでしたが、現在の症状で障害厚生年金2級と認定され、ご本人が生活の見通しを立てられるようになりました。
よくある質問
Q. ワクチン接種後の症状の場合、初診日はいつになりますか?
A. 接種した日ではなく、障害の原因となった症状で初めて医師の診療を受けた日が初診日です。障害認定基準は、初診日を「障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日」と定めています。接種日と受診日の両方を記録しておきましょう。
Q. 主治医が障害年金の診断書に慣れていない場合は、どうすればよいですか?
A. 日常生活で困っていることや必要な援助を整理し、書面にして医師にお渡しするのが効果的です。診断書の様式や記載の注意点は日本年金機構が公開しているので、あわせて医師にお示しできます。社労士が医師への依頼文を作ることもできます。
まとめ:医療機関の協力が難しくても、請求方法を選んで受給につなげる
今回の事例は、新型コロナワクチンの接種後に脳炎・脊髄炎を発症し、歩行や日常生活に大きな制限が残った方のケースです。医療機関の協力が得にくい中、治療関係を守ることを優先して事後重症請求に切り替え、診断書の修正を重ねたことで、障害厚生年金2級の認定につながりました。
結果は一人ひとりの病気の経過や状況によって異なりますが、診断書の作成がうまく進まない場合でも、申請をあきらめる必要はありません。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
参考資料
・厚生年金保険法 第47条の2(e-Gov法令検索)
・障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額(日本年金機構)
・障害認定基準 第1章 一般的事項(日本年金機構)
LINEでのご相談手順(24時間受付)
当センターでは、外出が難しい方や遠方にお住まいの方でもスマートフォン一つでご相談いただけるよう、公式LINEでの無料相談を承っております。全国どこからでもご利用いただけます。
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皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
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※しつこい営業等は一切行いませんのでご安心ください。
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