監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・日本年金機構の申立書の記入上の注意に基づき作成しています。
この記事の結論
病歴・就労状況等申立書は、初診日ではなく、自覚症状が現れた「発病日」から現在まで、期間をあけずに書きます。
1つの期間が5年を超えるときは3〜5年ごとに区切り、受診していない期間も「受診していない」として書いてください。
知的障害も発達障害も出生時から書きますが、初診日は、発達障害では初めて医師の診療を受けた日、生来性の知的障害では出生日になります。
「申立書は、病院に行った日から書けばいいの?」「子どもの頃のことまで書く必要がある?」。書き始める時期で手が止まってしまう方は少なくありません。
この記事では、日本年金機構が申立書に付けている「提出にあたって」の注意書きの原文をもとに、書き始める時期と区切り方を整理します。
病歴・就労状況等申立書は、いつから書き始めればいいですか?
申立書は「発病日」から書き始めます。発病日とは、自覚症状が現れた日のことです。
日本年金機構の注意書きは、病歴状況の欄について「発病から順番に現在までの状況について、期間をあけずに記入してください」としています。書き始めは病院に初めてかかった初診日ではなく、症状が出始めた時期です。
傷病ごとの書き始め
| 傷病の種類 | 経過を書き始める時期 |
|---|---|
| うつ病・身体の病気など | 自覚症状が現れたとき(発病日)から |
| 健康診断などで異常を指摘された場合 | 異常を指摘されたときから |
| 先天性の病気 | 症状を自覚したとき、または検査で異常が見つかったときから |
| 生来性の知的障害 | 出生時から |
| 発達障害 | 出生時から(時期を区切って) |
受診する前のことも書くのはなぜですか?
申立書は、診断書だけでは伝わらない発病から現在までの経過を伝える書類です。症状が出てから受診するまでの様子も、審査で経過を確認する材料になります。いつ頃から、どんな不調があったかを思い出して書きましょう。
生まれつきの病気や発達障害は、出生時から書きますか?
知的障害も発達障害も、出生時から時期を区切って書きます。
日本年金機構の注意書きは、生来性の知的障害の発病日を「出生日」としています。また、機構の資料では、知的障害と発達障害について「生まれてから小学校入学前、小学校低学年、小学校高学年、中学生、高校生など」時期を区切って記入するよう示しています。

息子は大人になってからADHDと診断されました。初診日も生まれた日になるのですか?
社労士初診日は生まれた日にはなりません。初めて医師の診療を受けた日が初診日です。申立書の経過は、子どもの頃から書いていきましょう。
発達障害の初診日は、出生日ではありません
日本年金機構は初診日を「初めて医師等の診療を受けた日」と定義しています。初診日を出生日とする扱いは、注意書き上、生来性の知的障害に限られます。発達障害は経過を生まれた頃から書きますが、初診日は実際に初めて受診した日です。
ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか
障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。
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長い期間や受診していない期間は、申立書にどう書けばいいですか?
1つの期間が5年を超えるときは3〜5年ごとに区切り、受診していない期間も空けずに書きます。
注意書きは「1つの期間が、5年を超える場合は、その期間を3~5年ごとに区切って記入してください」としています。同じ病院に長く通っている場合も、通院していない期間が長い場合も同じです。
受診していない期間の書き方
受診していなかった期間は「受診していない」を〇で囲みます。日本年金機構の資料では、受診しなかった理由、自覚症状の程度、日常生活の状況を詳しく書いているかを点検するとしています。空白のままにせず、その間の暮らしぶりを書きましょう。症状が落ち着いて通院をやめたのか、受診できる状態ではなかったのかも、書き分けておきます。
欄が足りないときは
用紙が足りない場合は、続紙を使ってすべての期間を書きます。複数枚になったときは、注意書きのとおり「No.1-2枚中」のように順番と枚数を記入します。
生まれつきの知的障害なら、申立書をまとめて書けますか?
まとめて書けます。20歳前に初診日がある生来性の知的障害は、令和2年10月から記入を簡素化できるようになりました。
20歳前の傷病による障害基礎年金は、国民年金法第30条の4に定められています。日本年金機構の注意書きでは、生来性の知的障害の場合は「特に大きな変化が生じた場合を中心に、出生時から現在までの状況を一括してまとめて記入することが可能」としています。3〜5年ごとに区切る必要はありません。

2番目以降の病院で初診日を証明した場合
20歳前に初診日がある方で、2番目以降に受診した病院の証明書を使って初診日を証明した場合は、発病からその病院の受診日までの経過を1つの欄にまとめて書けます。その後の経過は、通常どおり病院ごとに書きます。出生時から現在までを1つの欄にまとめて書けるのは、生来性の知的障害の場合です。
簡素化は書き方を簡単にできる仕組みで、審査の基準が変わるわけではありません。食事や金銭管理など、日常生活でどんな援助を受けているかは具体的に書いておきましょう。
よくある質問
Q. 申立書は家族が代わりに書いてもいいですか?
A. 書いてもかまいません。本人が書くのが難しいときは、家族などが代わりに記入し、代筆者の欄に名前と続柄を書きます。本人の様子をよく知っている人が書くと、日常生活の困りごとが伝わりやすくなります。内容は本人の状態に沿って書きます。
Q. 申立書の発病日は、診断書と同じにする必要がありますか?
A. 同じにしておくのが原則です。診断書や受診状況等証明書と日付が食い違うと、審査で確認が必要になります。記憶と違う日付が書かれている場合は、出す前に主治医に確認しましょう。受診状況等証明書の発病年月日とも照らし合わせておくと安心です。
Q. 子どもの頃の記録が残っていないときは、どうすればいいですか?
A. 手元の資料と家族の記憶をもとに、わかる範囲で書きます。母子健康手帳、通知表、保育園や学校の連絡帳などは、当時の様子を思い出す手がかりになります。思い出せない時期も、空けずに大まかに書きましょう。記憶は家族で持ち寄りましょう。
Q. 発病日がはっきり思い出せないときは、どう書きますか?
A. 「〇年〇月頃」のように、わかる範囲で書きます。日付を無理に決めるより、どんな症状がいつ頃出始めたかを具体的に書くことが大切です。入学や就職などの出来事を手がかりにすると、時期を思い出しやすくなります。
まとめ:申立書は「発病日」から、すき間なく
申立書は、初診日ではなく発病日から、現在まで期間をあけずに書きます。書き始める前に、症状が出始めた時期、通院していた病院と期間、通院していなかった期間を年表のように書き出しておくと、3〜5年ごとの区切りも決めやすくなります。
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出生時からの経過を丁寧に立証し障害基礎年金2級が認められた知的障害|愛媛県
参考資料
・国民年金法 第30条の4(e-Gov法令検索)
・病歴・就労状況等申立書(日本年金機構)
・かけはし 平成30年9月号 障害基礎年金 受付点検の留意点(日本年金機構)
・用語集「初診日」(日本年金機構)
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