監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は社会保険労務士法・国民年金法および日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。
この記事の結論
障害年金の社労士費用は、依頼時の着手金と、受給が決まったときの成功報酬の組み合わせが基本で、金額は事務所ごとに異なります。
成功報酬は「年金の◯か月分」で計算されることが多く、令和8年度の障害基礎年金2級(年額847,300円)なら1か月分は約7万円です。
さかのぼって受け取った分(最大5年分・国民年金法第102条)は別の計算になることが多いため、契約前にその扱いを書面で確認してください。
「社労士に頼みたいけれど、結局いくらかかるのかわからない」。費用が見えないことが、相談の一歩をためらわせる理由になっている方は少なくありません。
社労士の報酬は事務所ごとに違いますが、計算の仕組みにはおおよその型があります。この記事では、報酬がどう計算されるのかを、日本年金機構が公表している年金額を使って具体的に整理し、契約前に確認したい項目をまとめます。
障害年金の社労士費用は、どんな仕組みですか?
依頼時の着手金、受給が決まったときの成功報酬、診断書代などの実費の3つで構成されるのが基本です。
3つの費用と発生する時期
| 費用 | 発生する時期 | 不支給だったとき |
|---|---|---|
| 着手金(事務手数料) | 依頼したとき | 返金されないことが多い(着手金なしの事務所もある) |
| 成功報酬 | 受給が決まり、年金が入金されたあと | 発生しない |
| 実費 | 診断書や証明書を取るたび | 結果にかかわらず必要 |
社労士に頼めること
社会保険労務士法第2条は、社労士の業務として、申請書等の作成、提出の手続きの代行、申請や審査請求の代理を定めています。障害年金では、請求書類の作成から年金事務所への提出、不支給だったときの審査請求までが、依頼できる範囲です。どこまでが報酬に含まれるかは、事務所ごとに確認が必要です。
成功報酬は、どう計算されますか?
「決まった年金額の◯か月分」か「初回に入金された額の◯%」のどちらかで計算するのが一般的です。

年金額で計算するとこうなる
日本年金機構によると、令和8年度の障害基礎年金2級は年額847,300円です(昭和31年4月2日以後生まれ)。この額で、成功報酬を「年金の2か月分」とした場合を計算すると、次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年金の1か月分 | 70,608円(847,300円÷12) |
| 年金の2か月分 | 141,216円 |
| 消費税10%を含めた額 | 155,338円 |
障害厚生年金は、加入期間や給与によって人ごとに年金額が違うため、成功報酬も人によって変わります。子の加算がある場合も、年金額が増えるぶん報酬が変わることがあります。なお、年金額は年度ごとに改定されるため、上の試算は令和8年度の額で計算しています。
年金の何か月分と言われても、自分の場合いくらになるのか想像がつきません。
社労士そうですよね。等級と年金の種類の見込みがわかれば、おおよその額は計算できます。契約の前に、ご自身の場合の試算を出してもらうと安心です。
ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか
障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。
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さかのぼって受け取った分は、報酬にどう入りますか?
さかのぼって受け取った分(遡及分)は、通常の成功報酬とは別に「遡及額の◯%」として加算される料金体系が多く見られます。
遡及できるのは最大5年分
障害認定日にさかのぼって請求が認められると、過去の分がまとめて支給されます。ただし国民年金法第102条により、年金を受ける権利は5年で時効を迎えるため、さかのぼれるのは5年分が限度です。初回の入金額が大きくなるのは、このためです。
遡及があるときの試算
障害基礎年金2級で3年分さかのぼった場合、単純に計算すると遡及額は約254万円(847,300円×3年)です。遡及分の報酬を「遡及額の10%」とすると約25万円、消費税を含めて約28万円が、通常の成功報酬に加わります。「初回入金額の◯%」で計算する事務所では、遡及分も含めた入金額が計算の土台になります。どちらの方式かで総額が大きく変わるため、必ず確認してください。
契約の前に、何を確認すればよいですか?
着手金の有無、成功報酬の計算式、遡及分の扱い、不支給だったときの扱いの4点を、書面で確認します。

契約前の確認リスト
| 確認する項目 | 聞いておくこと |
|---|---|
| 着手金 | 金額、不支給のとき返金されるか |
| 成功報酬 | 「◯か月分」か「◯%」か、最低額の定めはあるか |
| 遡及分 | 別に加算されるか、計算の土台は何か |
| 不支給のとき | 審査請求を頼む場合の費用 |
| 実費・支払時期 | 診断書代は誰が払うか、報酬はいつ払うか |
金額だけで比べない
同じ「2か月分」でも、遡及分の扱いや審査請求の費用で総額は変わります。表の5項目をそろえて比べると、事務所ごとの違いがはっきりします。当センターの料金は、料金・費用のページでご確認いただけます。
よくある質問
Q. 不支給だった場合、費用はかかりますか?
A. 成功報酬は、受給が決まらなければ発生しないのが一般的です。ただし、着手金や診断書代などの実費は、結果にかかわらず返金されないことが多いです。着手金を取らない事務所もあるため、契約前に不支給のときの扱いを確認してください。
Q. 診断書代は社労士費用に含まれますか?
A. 多くの場合、含まれません。診断書の作成費用は医療機関に支払う実費で、金額も医療機関ごとに異なります。社労士への報酬とは別に用意しておく必要があるため、依頼の前に病院の窓口で確認しておくと安心です。
Q. 不支給のあとの審査請求も、社労士に頼めますか?
A. 頼めます。社会保険労務士法第2条は、社労士の業務に審査請求と再審査請求の代理を含めています。ただし、最初の請求とは別の契約や料金になることが多いため、費用は事前に確認してください。審査請求の期限は、決定を知った日の翌日から3か月以内です。
Q. 障害厚生年金の場合、成功報酬はどう決まりますか?
A. 日本年金機構が決定した年金額をもとに計算します。障害厚生年金の額は加入期間や給与で人ごとに違うため、同じ「2か月分」でも報酬額は人によって変わります。決定通知に書かれた年金額を確認してください。
まとめ:計算の仕組みを知れば、費用は比べられる
社労士の費用は、着手金・成功報酬・実費の3つが基本です。成功報酬は年金額をもとに計算され、障害基礎年金2級なら1か月分は約7万円が目安になります。さかのぼって受け取った分の扱いと、不支給だったときの扱いは事務所ごとに大きく違うため、契約前に書面で確認してください。ご自身の場合の試算から、まずは聞いてみることをおすすめします。
中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
参考資料
・社会保険労務士法 第2条(e-Gov法令検索)
・国民年金法 第102条(e-Gov法令検索)
・障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額(日本年金機構)
・障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額(日本年金機構)
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