障害年金の申請を考えたとき、多くの方が次のように感じます。
「自分の状態をうまく説明できない」
「何が大変なのか、言葉にできない」
「聞かれると頭が真っ白になる」
これは決して珍しいことではありません。
むしろ、障害年金の相談では非常によくある悩みです。
この記事では、「うまく説明できない」と感じる理由と、申請に向けて状況を整理するための考え方を解説します。
「説明できない=状態が軽い」わけではありません
まず大前提として知っておいていただきたいのは、
「説明が苦手だからといって、障害年金の対象外になるわけではない」
ということです。
説明が難しいのは、状態が悪い証拠でもあります
実務の現場では、
- 精神的に余裕がない
- 思考がまとまらない
- 自分の状態を客観視できない
といった理由で、説明が難しくなっている方が多くいらっしゃいます。
これは、「説明能力の問題」ではなく「状態の問題」であることがほとんどです。
なぜ自分の状態を説明しづらいのか

説明できない背景には、いくつか共通する理由があります。
困りごとが「日常」になっている
長く症状が続いていると、
- できないこと
- 苦しいこと
- 無理していること
が、いつの間にか「当たり前」になってしまいます。
その結果、
「これくらい普通では?」
「みんな我慢しているのでは?」
と感じてしまい、言葉にできなくなることがあります。
良い日を基準に話してしまう
診察や相談の場では、
「たまたま調子が良い日」
「無理をして受診している日」
であることも少なくありません。
その結果、
- 悪い日の状態
- 反動や疲労
- 継続できない現実
が、説明から抜け落ちてしまいます。
説明が苦手な人ほど「感覚」ではなく「場面」で整理する
障害年金の申請では、抽象的な感覚よりも、具体的な場面が重要です。
「つらい」ではなく「何ができないか」
たとえば、「つらい」「しんどい」だけでは、評価が難しくなります。
代わりに、
「一人で買い物に行けない」
「人と話すと極度に疲れる」
「決まった時間に起きられない」
「作業を続けると体調が悪化する」
といった 行動レベル で整理します。
1日の流れで考えてみる
説明が苦手な方には、「1日の流れ」で考える方法が有効です。
- 起床時の状態
- 身支度や家事
- 外出・通院
- 人との関わり
- 夕方〜夜の疲労
このように区切ると、自然と困難な場面が見えてきます。
「できること」だけでなく「続かない理由」を整理する

障害年金では、一時的にできたかどうかよりも、継続できるかどうかが重視されます。
できた経験=問題なし、ではありません
「働けた時期がある」「外出できた日がある」という事実があっても、
- 長く続かない
- 反動で体調を崩す
- 周囲の支援が不可欠
であれば、それは重要な情報です。
説明が苦手な場合にやってはいけないこと

説明が苦手な方ほど、無意識に次のようなことをしてしまいがちです。
無理にまとめようとしない
「きれいに説明しなければ」「うまく話さなければ」と考える必要はありません。
断片的でも、生活の実態が伝わることの方が重要です。
「大丈夫」「何とかやっている」で済ませない
これらの言葉は、非常に誤解されやすい表現です。
何とか=無理をしている
大丈夫=支援があるから成り立っている
という背景がある場合は、そこまで含めて整理する必要があります。
一人で整理できないときは「一緒に言葉にする」

障害年金の申請は、一人で完璧に説明できることを前提にした制度ではありません。
質問されることで見えてくることもある
第三者から、
「それはどのくらいの頻度ですか?」
「それができないと何が困りますか?」
と聞かれることで、自分では気づいていなかった困難が整理されることもあります。
まとめ|「説明できない」は出発点です
障害年金の申請で、「うまく説明できない」「言葉にできない」と感じることは、珍しいことでも、マイナスでもありません。
大切なのは、
「感覚ではなく場面で考える」
「できないこと・続かないことを整理する」
「無理を前提にした生活を見直す」
ことです。
「説明できない」と感じたときは、それが申請を考える出発点になります。
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