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【1年半待たなくてOK】人工透析・人工関節・ペースメーカー|手術後「今すぐ」障害年金を請求できる特例とは?

障害認定日特例1

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生年金保険法、日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。

この記事の結論

人工透析は透析開始日から3か月を経過した日、人工関節は挿入置換日、ペースメーカー・ICD・人工弁は装着日が障害認定日になり、初診日から1年6か月を待つ必要はありません。

該当する方は、認定日から3か月以内の状態を書いた診断書を医師に依頼してください。

ただし人工関節とペースメーカーは原則3級で、3級は障害厚生年金にしかないため、初診日が国民年金なら受給に至らないことがあります。

「初診日からまだ1年半経っていないので、障害年金はまだ無理ですよね」。年金相談の現場で、いちばんよく耳にする言葉です。

たしかに障害年金には、初診日から1年6か月を経過した日を障害認定日とする原則があります。ただし、人工透析や人工関節のように、その時点で障害の状態が定まったと考えられる処置には特例が設けられています。この記事では、処置ごとに「いつから請求できるのか」を整理します。

目次

人工透析を始めたら、障害年金はいつから請求できますか?

透析を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日が障害認定日です。初診日から1年6か月を待つ必要はありません。

起点は「透析を始めた日」から3か月後

血液透析でも腹膜透析でも、初めて受けた日から3か月を経過した日が認定日になります。3か月は待ちますが、原則の1年6か月と比べれば1年以上早く請求できます。年金は認定日の属する月の翌月分から支給されます。

透析は原則2級なので、国民年金でも受給できます

日本年金機構の資料では、人工透析療法の等級の目安は2級とされています。2級は国民年金法施行令の別表に定めがあるため、初診日が国民年金でも障害基礎年金として受給できます。この記事で扱う特例のなかで、透析はここが大きく違う点です。

人工関節・人工骨頭を入れた場合、障害認定日はいつですか?

障害認定日特例2

挿入置換した日が障害認定日です。手術日そのものが起点になるため、待機期間はありません。

変形性股関節症や膝関節症の手術も対象です

人工関節・人工骨頭を挿入置換した日が、そのまま障害認定日になります。退院を待つ必要も、リハビリの経過を見る必要もありません。入院中から書類の準備を始められる、数少ないケースです。

原則3級。初診日が厚生年金かどうかが分かれ目です

人工関節・人工骨頭の等級の目安は3級です。ここが最大の注意点で、3級は厚生年金保険法の別表第1にだけ定めがあり、国民年金にはありません。初診日に厚生年金の被保険者だった方は手術日から請求できますが、初診日が国民年金だった方は、3級では受給に至りません。両下肢の置換など状態によって2級以上になる場合はこの限りではないため、あきらめる前にご確認ください。

先月、人工関節の手術を受けました。初診日は会社を辞めたあとの受診なのですが、請求できますか。

社労士

まず初診日がいつかを確かめさせてください。退職後の受診が初診日なら3級では難しくなりますが、在職中に同じ症状で受診した記録があれば、そちらが初診日になることがあります。

ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか

障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。

※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。

ペースメーカーを装着した場合、障害年金は何級になりますか?

原則として3級です。装着した日が障害認定日になるため、待機期間はありません。

対象になるのはペースメーカー・ICD・人工弁

心臓ペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)、人工弁の置換は、いずれも装着日が障害認定日になります。日本年金機構の資料では、等級の目安は3級とされています。心臓再同期医療機器(CRT・CRT-D)の装着など、状態によってはこれより上位の等級が検討されます。

ここでも3級は障害厚生年金だけです

人工関節と同じ壁があります。装着日から請求できると聞いて準備を進めたものの、初診日が国民年金加入中で3級にしか該当せず、受給できなかったという相談は実際にあります。手術より前に、その心疾患で初めて医師の診察を受けた日がいつで、そのとき何の年金に加入していたか。特例を使う前に、まずここを確認してください。

1年6か月を待たずに請求できるのは、ほかにどんな場合ですか?

障害認定日特例3

人工肛門・尿路変更術、新膀胱の造設、肢体の切断・離断、喉頭全摘出、在宅酸素療法、脳血管障害による機能障害にも特例があります。

特例の一覧

処置・状態障害認定日等級の目安
人工透析療法透析開始日から起算して3月を経過した日2級
人工骨頭・人工関節挿入置換日3級
心臓ペースメーカー・ICD・人工弁装着日3級
人工肛門造設・尿路変更術造設日または手術日から起算して6月を経過した日3級
新膀胱造設造設日3級
肢体の切断・離断切断または離断した日(障害手当金は創面治癒日)1〜3級
喉頭全摘出全摘出した日2級
在宅酸素療法開始した日(常時使用の場合)3級
脳血管障害による機能障害初診日から起算して6月を経過した日以後個別に認定

脳血管障害だけは考え方が違います

脳血管障害は、初診日から6か月を経過した日以後に、医学的にそれ以上の機能回復がほとんど望めないと認められたときに認定されます。処置の日が自動的に認定日になる他の特例と違い、医師の判断が必要です。6か月が過ぎれば必ず請求できる、というものではありません。

処置が1年6か月より後なら、特例ではなく通常の請求です

特例が使えるのは、処置を受けた日が初診日から1年6か月以内に収まっている場合です。すでに1年6か月を過ぎてから手術を受けた方は、原則どおり初診日から1年6か月を経過した日か、現在の状態での請求(事後重症請求)になります。

よくある質問

Q. 何年も前に人工関節の手術をしました。今から請求できますか?

A. できる場合があります。手術日が認定日として確定しているため、その時点の診断書をさかのぼって作成してもらえれば、時効にかからない過去5年分を一括で受け取れる可能性があります。

Q. 診断書はいつの状態を書いてもらえばよいですか?

A. 障害認定日から3か月以内の状態を記載したものが必要です。手術直後は医師も忙しい時期ですが、この期間を過ぎると正確な記載が難しくなるため、早めに依頼してください。

Q. 特例に当てはまれば、保険料の納付要件は不要になりますか?

A. 不要にはなりません。特例は障害認定日を前倒しする仕組みで、初診日の前日時点での保険料納付要件は原則どおり満たす必要があります。

Q. 両足に人工関節を入れた場合も3級ですか?

A. 3級とは限りません。3級は目安であり、両下肢の置換や術後の状態によっては2級以上に該当することがあります。日常生活の制限が診断書に正確に反映されているかが重要です。

まとめ:まず「処置の日」と「初診日」を確かめてください

障害年金は1年半待たないともらえない、という思い込みで請求の機会を逃してしまう方がいます。人工透析なら透析開始から3か月後、人工関節やペースメーカーなら手術日そのものが認定日です。まずご自身の処置日を確認し、次にその処置の原因となった傷病の初診日がいつかを確かめてください。

とくに人工関節とペースメーカーは、初診日に加入していた年金の種類で結論が変わります。判断に迷う場合は、書類をそろえる前にご相談ください。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

・国民年金法 第30条(e-Gov法令検索)
・厚生年金保険法 第47条・別表第1(e-Gov法令検索)
・障害年金講座<基本事項>かけはし別冊(日本年金機構)
・障害認定基準(日本年金機構)

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
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