「将来が不安で障害年金のことを調べたけれど、自分は一度も年金を払ったことがないから、権利なんてないはず……」
そんな風に、最初から諦めてしまっている方は少なくありません。
特に10代からうつ病や発達障害などで苦しまれている方や、その親御さんにとって、年金の仕組みは「よくわからない、高い壁」に感じられるかもしれません。
しかし、社会保険労務士としてお伝えしたいのは、「『払っていない』の種類によって、結果は180度変わる」ということです。
1. そもそも、障害年金をもらうための「納付ルール」とは?

障害年金には、大きく分けて2つの「納付のルール」があります。このどちらかをクリアしていれば、受給の権利が得られます。
原則:3分の2要件
初診日(初めて病院を受診した日)までの全期間のうち、3分の2以上の期間で保険料を「納めている」か「免除されている」こと。
特例:直近1年要件
初診日のある月の前々月までの「直近1年間」に、未納(払うべきなのに放置している状態)が1ヶ月もないこと。
2. 「免除」や「学生特例」は、このルールをクリアするための“味方”です

ここで多くの方が誤解されていますが、「免除」や「学生特例」は未納ではありません。
国から認められたこれらの期間は、上記の「3分の2」や「直近1年」を計算する際に、「保険料を納めた期間」と同じ扱いとしてカウントされます。
つまり、実際に自分でお金を1円も払っていなくても、適切に手続きさえされていれば、「納付ルールをクリアした」と判定される可能性があります。
逆に、手続きをせず放置していた「未納」があると、たとえ他の月で払っていても受給できなくなる恐れがあります。
3. 「20歳より前」に初診日がある場合
10代の頃から病院を受診していた場合(20歳前傷病)、そもそも「年金を納めているかどうか」という条件自体が問われません。
「社会に出たことがないから、年金なんて考えたこともなかった」という若い方でも、20歳になれば障害年金を請求できる権利が発生します。
これは、若くして病気やケガに直面した方を支えるための、大切なセーフティネットです。
親御さんへ:「払っていないのに、もらっていいの?」と思わないでください
「免除申請はしているけれど、親として申し訳ない……」と感じる親御さんもいらっしゃいます。
ですが、免除制度は「困った時に年金を受け取れる権利を守るための制度」です。
正当なルールに基づいて手続きをしているのであれば、受給をためらう必要は全くありません。
むしろ、将来お子さんが自立していくための、大切な「最初の一歩」になります。
【セルフチェック】自分は対象になる?
【3分で完了】もらえる?チェックリスト
ステップ1:初めて病院に行った日はいつ?(初診日)
- 20歳になる前に受診した
→ 納付要件に関わらず、受給の可能性があります。 - 20歳以降、または働いている時に受診した
→ ステップ2・3で「納付要件」を確認しましょう。
ステップ2:初診日より前の手続き状況
- 「学生納付特例」の手続きを済ませていた
- 「全額免除」や「猶予」の手続きを済ませていた
- ※いずれも「初診日よりも前に」手続きが完了している必要があります。
ステップ3:納付要件を満たせそうですか?
- 全期間の2/3以上が「納付済み」である
- 初診日の直近1年間に「未納」が1ヶ月もない
- 【重要】ここでの「納付済み」には、学生納付特例や各種免除の期間も含みます。自分で払っていなくても、手続きをしていれば未納扱いにはなりません。
免除期間をどう計算に含めるか、要件を満たしているかの判断は非常に複雑です。「チェックがつかない」「判断できない」という段階でご相談いただくのが、受給への一番の近道です。
「わからない」からこそ、プロの出番です
年金の納付要件は非常に複雑で、ご自身や親御さんだけで「ダメだ」と判断して諦めてしまうのはあまりにももったいないことです。
「学生特例の手続きをしたか覚えていない」
「ねんきん定期便の見方がわからない」
という段階で、プロの診断を受けるのが一番の近道です。
中四国障害年金相談センターでは、LINEで簡単に「受給の可能性があるか」を診断いたします。
まずは気軽な気持ちでメッセージを送ってください。
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