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てんかんで障害年金は何級になる?

てんかん何級1

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生年金保険法、日本年金機構の障害認定基準・診断書記載要領に基づき作成しています。

この記事の結論

てんかんの障害年金は、十分な治療をしても起きる発作のタイプ(A〜D)と頻度、日常生活や労働の制限の程度によって1級〜3級に認定されます(障害認定基準 第8節)。

診断書の「発作のタイプ」「発作の頻度」と直近の発作日が、実際の状態どおりに書かれているかを申請前に確認してください。

3級の目安は「A・Bが年2回未満、またはC・Dが月1回未満」で、3級があるのは障害厚生年金だけです。

てんかんは、障害年金では「精神の障害」に含まれます。ただし、うつ病や統合失調症とは等級の決まり方が違い、発作のタイプと回数が判断の中心になります。

この記事では、等級ごとの目安、発作が薬で抑えられている場合の扱い、診断書で確認される項目を、日本年金機構の障害認定基準と診断書の記載要領をもとに整理します。

目次

てんかんで障害年金は何級になりますか?

発作のタイプと頻度、生活や労働の制限の程度に応じて、1級・2級・3級のいずれかに認定されます。3級は障害厚生年金だけの等級で、初診日に国民年金に加入していた方(障害基礎年金)は1級・2級が対象です(国民年金法第30条第2項、厚生年金保険法第47条第2項)。

発作のタイプA〜Dとは?

障害認定基準では、てんかん発作を次の4つに分けています。

タイプ発作の内容
A意識障害があり、状況にそぐわない行為をする発作
B意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D意識障害はないが、随意運動が失われる発作

等級ごとの目安は?

等級発作の頻度(十分な治療にかかわらず)生活・労働の状態
1級A・Bが月1回以上常時の援助が必要
2級A・Bが年2回以上、またはC・Dが月1回以上日常生活が著しい制限を受ける
3級A・Bが年2回未満、またはC・Dが月1回未満労働が制限を受ける

3級は「年2回以上」ではなく「年2回未満」です。重い発作がまれにしか起きない方も、労働に制限があれば3級の対象になります。

発作の回数だけで等級が決まりますか?

回数だけでは決まりません。発作の重症度や、発作のない時期の症状による生活への影響もあわせて判断されます。障害認定基準は、意識障害の有無や生命・社会生活での危険性に加え、日常生活動作がどの程度損なわれ、どのような社会的不利益を受けているかを重視するとしています。

上位の等級になるのはどんな場合ですか?

さまざまなタイプの発作が起き、発作間欠期(発作のない時期)にも精神神経症状や認知障害がある場合は、治療の経過や日常生活の状況によって、さらに上位の等級に認定されることがあります。また、てんかんと他の精神疾患が併存しているときは、等級を足し合わせる「併合」ではなく、症状全体をまとめて判断します。

等級判定ガイドラインは使われますか?

厚生労働省の「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」は、てんかんを対象から除いています。発作の重症度や頻度で判定することが障害認定基準に定められているためです。うつ病などで使われる「日常生活能力の判定・程度」の目安表だけで、てんかんの等級を見積もることはできません。

てんかん何級2

発作は年に1回くらいですが、いつ起きるか分からないので車の運転はやめていますし、仕事も配置を変えてもらっています。それでも対象になるんでしょうか?

社労士

初診日に厚生年金に加入していれば、3級の基準に「A・Bが年2回未満」とあるので、回数だけで対象外にはなりません。運転をやめていることや仕事の配置変更は、労働の制限を示す大切な事情です。主治医に具体的に伝えておきましょう。

ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか

障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。

※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。

薬で発作が抑えられていても対象になりますか?

抗てんかん薬や手術で発作が抑えられている場合、てんかん発作は原則として認定の対象になりません。等級表の文言がすべて「十分な治療にかかわらず」で始まるのは、治療をしても発作が残っていることが前提だからです。

発作以外の症状はどう扱われますか?

障害認定基準は、てんかんの精神神経症状や認知障害を「症状性を含む器質性精神障害」に準じて認定するとしています。発作の回数が少なくても、記憶や注意の障害、気分の変化などで生活に制限が出ている場合は、その状態も審査で見られます。

薬の副作用は考慮されますか?

精神の障害用診断書の記載要領では、発作間欠期の精神神経症状に「抗てんかん薬の服用に起因するものも含む」としています。強い眠気やふらつきで日常生活に支障がある場合は、受診時に主治医へ具体的に伝えることが大切です。

診断書では何が確認されますか?

精神の障害用診断書(様式第120号の4)では、発作のタイプ(A〜D)と頻度、直近の発作日、日常生活上の制限が確認されます。てんかんの等級は発作のタイプと回数で目安が分かれるため、この欄の記載が等級を大きく左右します。

記載要領で求められている内容は?

項目書かれる内容
発作のタイプA・B・C・Dのうち該当するもの
発作の頻度年間・月平均・週平均の回数
直近の発作発作の年月日(可能であればタイプ別に最近数年間のすべて)
生活上の制限自動車の運転、単独での外出、入浴、就労などの制限
てんかん何級3

申請前に準備しておくことは?

発作が起きた日、タイプ、発作後の様子を日付つきで記録し、受診のたびに主治医へ見せることをおすすめします。本人に意識がない発作は、家族や職場の方に見たままを書いてもらうと、タイプの判断材料になります。診断書を受け取ったら、記録と回数が合っているかを提出前に確認してください。

よくある質問

Q. てんかんの初診日は、てんかんと診断された日ですか?

A. 診断された日ではなく、てんかんの症状で初めて医師の診療を受けた日です。最初は別の診療科で診てもらっていた場合も、その日が初診日になります。年金に加入していない20歳前に初診日があれば、20歳前の傷病による障害基礎年金の対象です。

Q. 働いていると、てんかんで障害年金はもらえませんか?

A. 働いていることだけで不支給にはなりません。3級の基準は「労働が制限を受けるもの」で、働きながら制限を受けている状態も含まれます。運転できない、配置転換を受けたなど、職場での制限を主治医に伝えておきましょう。

Q. 精神障害者保健福祉手帳の等級と、障害年金の等級は同じですか?

A. 同じではありません。手帳と障害年金は別の制度で、等級の判定もそれぞれ別の基準で行われます。手帳が3級でも障害年金で2級になることや、その逆もあるため、手帳の等級だけで申請をあきらめる必要はありません。

Q. 発作の記録は、いつから付ければいいですか?

A. 申請を考えた時点から、すぐに付け始めてください。診断書には発作の年月日や平均の回数が書かれるため、記録があると主治医が実態に合った回数を記載しやすくなります。過去の分は、思い出せる範囲で書き出しておきましょう。

まとめ:てんかんの等級は発作のタイプと頻度、生活の制限で決まります

てんかんの障害年金は、十分な治療をしても残る発作のタイプと頻度に、生活や労働の制限を合わせて1級〜3級が判断されます。発作が少なくても、発作のない時期の症状や仕事上の制限は審査で見られます。

まずは発作の記録を付け、診断書の発作のタイプと回数が実態どおりかを確認するところから始めましょう。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

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てんかんで発作が続き外出や就労が困難に|障害基礎年金2級に認定|愛媛県

参考資料

・国民年金法 第30条(e-Gov法令検索)
・厚生年金保険法 第47条(e-Gov法令検索)
・国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害(日本年金機構)
・診断書(精神の障害用)記載要領(日本年金機構)

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
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