「発達障害の特性による生きづらさに加え、うつ症状がひどくて働けない」
「二次障害の方が辛いのに、申請はどうすればいいの?」
発達障害(自閉スペクトラム症やADHDなど)を持つ方は、周囲との摩擦や環境への不適応から、うつ病や適応障害などの「二次障害」を併発することが少なくありません。
実は、障害年金の相談現場では、この二次障害による苦しみの方が深刻であるケースも非常に多いのです。
しかし、いざ申請しようとすると「初診日はいつになるのか?」「どちらの病名で診断書を書いてもらうべきか?」といった複雑な壁に突き当たります。
今回は、発達障害と二次障害を併発している場合の障害年金申請について、最新の実務上の考え方を中心に専門家が解説します。
二次障害と因果関係の仕組み

まず、障害年金の制度において「発達障害」と、その後に現れた「うつ病」がどのように扱われるのかを整理しましょう。
二次障害とは何か
発達障害というベース(土台)があり、そこから生じる社会生活のストレスや困難が原因となって現れる精神症状を指します。
代表的なものに、うつ病、適応障害、不安障害などがあります。
相当因果関係の判断基準
審査では、前の病気が後の病気を引き起こしたといえる関係を「相当因果関係」と呼びます。
発達障害とうつ病については、国の運用指針において「発達障害が起因して発症したと考えるのが一般的」とされており、実務上はこれらを「同一の傷病(同一疾病)」として扱うケースが非常に多くなっています。
初診日が紐付けられる利点
「同一の傷病」と判断されると、現在の主な症状がうつ病であっても、その大元である「発達障害で初めて医師の診察を受けた日」が全体の初診日として引き継がれます。
これにより、申請の方向性が明確になります。
迷いやすい初診日の判定ルール
前述の「同一の傷病」という考え方を踏まえ、実際の初診日がどこになるのかをケース別に見ていきましょう。
ケース別の初診日特定
因果関係が認められる場合、たとえ「うつ病」の症状で苦しんでいても、初診日は「発達障害の疑いで初めて受診した日」に固定されます。
もし、うつ病での受診が先であっても、後にその背景に発達障害があったと医学的に証明されれば、最初の受診日が初診日となります。
20歳前か大人になってからか
初診日が20歳前であれば、年金保険料の納付要件を問われない「20歳前傷病」の枠組みになります。
一方、大人になってから初めて受診した日が初診日となる場合は、その時点での加入制度(厚生年金か国民年金か)や納付状況が審査されます。
証明資料がない場合の対応

「子供の頃に通院していたが、カルテがもう残っていない」というケースは多々あります。
その場合でも、診察券、母子手帳、お薬手帳、あるいは当時の学校の成績表(記載内容による)など、客観的な証拠を集めることで初診日を認めてもらえる可能性があります。
申請を成功させる診断書作成
審査を通すためには、現在の「うつ症状」の裏に、どのような「発達障害の特性」が隠れているのかを証明する必要があります。
生活の支障を具体的に伝える
単に「気分が落ち込む」だけでなく、「対人関係の読み取りが難しく職場で孤立し、それがうつを悪化させた」というように、特性と二次障害の関連性を具体的に言語化して医師に伝えましょう。
主治医と連携する際のコツ
主治医が発達障害の専門でない場合、二次障害(うつ病)の症状ばかりが強調され、ベースの特性が見落とされることがあります。
診断書作成の際は、日常生活の困難さをまとめたメモを渡すなどの工夫が有効です。
中四国エリアの相談事例

香川県や中四国エリアでも、二次障害に悩む方からの相談は増えています。
「子供の頃、高松市の病院で診断を受けた気がするけれど、もう記録がない」
「大人になってから丸亀市の心療内科に通い始めたが、初診日が特定できない」
地方では病院の閉院やカルテの破棄に直面することも多いですが、診察券や母子手帳、当時の家計簿などから初診日を導き出せる場合があります。
私たちは、そうした「わずかな証拠」を繋ぎ合わせるサポートを得意としています。
複雑な状況をどのように整理して受給に繋げたのか、当センターの実際のサポート事例をご紹介します。
事例1:20歳前傷病としての認定
状況:
ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)に加え、重いうつ状態を併発。
ご家族のサポートを受けながら生活しているが、日常生活のほとんどにおいて介助が必要な状態。
サポート内容:
二次障害である「うつ」の症状が非常に重いことを、日常生活の具体的なエピソード(食事や身の回りのことなど)を添えて診断書に反映しました。
また、子供の頃の通院歴を精査し、保険料の納付要件が問われない「20歳前傷病」として申請を組み立てました。
結果:
障害基礎年金2級の受給が決定。
ご本人の将来的な経済不安を大きく軽減することができました。
【詳細はこちら】
事例2:空白期間や海外受診の克服
状況:
最初の受診が「海外」であったり、その後の治療に10年以上の「空白期間」があったりしたケース。
初診日の証明が極めて難しく、他事務所では「難しい」と言われるような複雑な状況でした。
サポート内容:
専門家として、国内外の医療機関への確認や当時の公的な記録を徹底的に調査。
10年の空白があっても「社会的治癒」ではなく「同一の病気が続いていた」ことを論理的に主張し、初診日を特定しました。
結果:
複雑な初診日の壁を乗り越え、無事に受給が決定。
【詳細はこちら】
地方では病院の閉院やカルテ破棄に直面することも多いですが、私たちはこうした「わずかな証拠」を繋ぎ合わせ、初診日を論理的に証明していくサポートを得意としています。
[発達障害・二次障害の受給事例一覧を見る]
他にも、製造業や事務職など、さまざまな状況での受給事例を多数掲載しています。
まとめ:一人で抱え込まずに相談を
発達障害の二次障害は、あなたがこれまで「周囲に合わせよう」「頑張ろう」と無理を重ねてきた結果でもあります。
その苦しみは、決して甘えではありません。
制度は複雑ですが、正しく整理して申請すれば、障害年金はあなたの生活を支える強力な盾になります。
初診日の特定や書類作成に不安がある方は、ぜひ専門家を頼ってください。
あなたの「初診日」を一緒に探し出し、受給への道を整理しませんか?
初診日がいつになるか分からない、過去の記録が見つからない……そんな時こそ、当センターの出番です。
あなたの記憶やわずかな記録から、受給の可能性を徹底的に調査します。
まずは無料相談で、これまでの経緯をお聞かせください。
あなたにとって最適な申請ルートを一緒に見つけましょう。
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