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障害年金コラム・お役立ち情報

「障害手当金」は3級より軽い障害という意味ではない?受給の鍵を握る「症状固定」の真実

障害厚生年金3級には該当しないけれど、もう少し軽い『障害手当金』ならもらえるかもしれない」
このように考えて、ご自身で申請準備を進めている方は少なくありません。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
障害手当金は、単に3級よりも程度が軽い障害を指す「4級相当の年金」ではないからです。
障害手当金に該当するかどうかは、金額の多寡や障害の程度以上に、「症状固定(治った状態)」しているか否かという大前提が大きく関わります。
この仕組みを正しく理解していないと、ご自身の状態を正しく審査側に伝えられず、適切な保障を受けられないリスクがあります。
今回は、社会保険労務士の視点から、障害手当金の本当の姿と、申請にあたって切り離せない「症状固定」の考え方について詳しく解説します。

障害手当金は「4級」ではない?3級との決定的な違い

障害年金のガイドラインでは、3級の下に障害手当金が記載されています。
そのため、直感的に「3級に落ちたら手当金が検討される」という順序で考えてしまいがちですが、実務上は判定の「物差し」が異なります。

3級は「年金」、手当金は「一時金」という根本的な差

最大の違いは、その支給形態と目的です。
障害厚生年金3級: 障害の状態にある間、生活を支えるために継続的に支払われる「年金」です。
障害手当金: 障害が固定し、これ以上変化しない状態(後遺障害)に対する「一時金」です。
なぜこのような差があるのか。
それは、障害手当金が「これ以上良くも悪くもならない状態」に対して、一括で補償を行って完了させる性質を持っているからです。

3級は「固定」でも「未固定」でも認定される

ここで重要なのは、「症状固定していなければ何ももらえない」わけではない、という点です。
3級には、脳梗塞の後遺症などのように「症状が固定して認定されるケース」もあれば、精神疾患やがんのように「治療を継続しており、症状は固定していない(未固定)が、労働に制限があるため認定されるケース」もあります。
一方、障害手当金は「症状が固定していること」が絶対条件です。
つまり、治療によって症状が変化する可能性がある「未固定」の状態では、障害手当金という物差しで判定されることはありません。

受給の鍵となる「症状固定」の正体

年金審査における「固定」には厳格な定義があります。
単に通院が続いているから固定していない、という単純なものではありません。

年金審査で言われる「症状が治った」とは?

具体的には、器質的欠損(手足の切断など)や、機能障害が固定し、回復の可能性が医学的にないと判断される状態を指します。
例えば、リハビリを尽くしてもこれ以上の改善が期待できない麻痺などが該当します。
この「固定」の状態があって初めて、障害手当金の基準に照らし合わせた審査が行われます。

精神疾患において「固定」と判断される難しさ

実務上、うつ病や発達障害などの精神疾患で障害手当金が該当するケースは極めて稀です。
精神疾患は医学的に「将来的に良くなる可能性も、悪化する可能性も常にある」とみなされるため、「一生このまま固定して変わらない」という証明が困難だからです。
精神疾患で労働に制限がある場合は、固定を前提とする手当金ではなく、未固定の状態でも受給可能な3級(年金)の該当性を検討するのが一般的です。

【実務の視点】「結果」としての受給と将来への影響

手当金4

障害年金の等級や手当金の受給は、本人の希望で選べるものではなく、あくまで「障害の状態」に基づいた結果です。

一時金受給後の「等級変更」はハードルが高い

障害手当金を受給したということは、認定時点では「症状が固定した(今後変わらない)」と判断されたことを意味します。
そのため、受給後に「やはり症状が悪化したから年金(3級以上)に切り替えたい」という額改定請求を行っても、審査側からは「固定しているはずなのに、なぜ悪化したのか?」と非常に厳しく問われることになります。
もちろん、法的に不可能なわけではありません。
受給後に予期せぬ著しい悪化が生じた場合、その実態を医学的に証明できれば年金への道が開けることもあります。
しかし、安易に「まずは一時金をもらって、後で悪化したら年金にすればいい」という出口戦略を立てることは、実務上、極めて慎重に判断すべきポイントです。

労働への制限をどう評価されるか

「症状が固定していないから、手当金も年金も無理だ」と諦める必要はありません。
固定していなくても、その傷病によって労働が制限されているのであれば、3級の基準(未固定を想定した規定)に合致する可能性が十分にあります。
大切なのは、自身の状態が「継続的な年金を必要とする制限」なのか、「固定した障害への一括補償」なのか。その実態を、診断書を通じて正しく審査側に伝えることです。

障害手当金が該当する具体的なケース例

制度をイメージするために、代表的な該当例を挙げます。

  • 肢体の障害: 指の欠損や、長管状骨の偽関節など、物理的な変化が確定したもの。
  • 感覚器の障害: 片目の失明や、一定以上の聴力低下が固定した場合。
  • 内部障害: がんの切除手術等により喉頭を摘出し、言語機能を喪失した状態が固定した場合。

これらに共通するのは、現代の医学では「これ以上良くも悪くもならない(固定)」という点です。

まとめ:制度の「名前」に惑わされず、今の状態を正しく評価しよう

手当金3

障害手当金は、3級に届かない人のための「4級」ではありません。
「症状固定」という特別な条件を満たした際の結果として支給されるものです。
ご自身の状態が「治療の継続が必要で労働に制限がある(3級の可能性がある)」のか、「完全に固定した障害への補償(手当金の可能性がある)」なのか。この見極めを誤ると、本来受けるべき継続的なサポート(年金)を逃してしまうことになりかねません。
特に「診断書を医師に書いてもらう前」の段階で、自身の障害実態がどの基準に合致しているのかをプロの目で見極め、正しく書類に反映させることが、納得のいく結果への近道です。

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