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申立書は長すぎるとダメ?文字数より大事な「何を書くか」と添削ポイント

申立書長文1

監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生年金保険法、厚生労働省および日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。

この記事の結論

病歴・就労状況等申立書に文字数の上限はなく、長くなったこと自体が不支給の原因になることはありません。

削るべきなのは病院や職場への不満など審査に関係しない記述で、日常生活の不自由さは頻度と程度を添えて具体的に書いてください。

短くまとめようとして具体例まで削ると障害の状態が伝わらなくなるため、欄が足りない場合は続紙を使って書ききってください。

「思いの丈を書かないと伝わらないのでは」と考える方がいる一方で、「長すぎると読んでもらえないのでは」と不安になる方もいらっしゃいます。どちらからも、よくご相談をいただきます。

結論から言えば、長いこと自体は問題ではありません。問題になるのは、審査に関係のない記述で紙面が埋まり、肝心の生活の困りごとが薄くなってしまうことです。この記事では、何を削り、何を必ず残すのかを整理します。

目次

病歴・就労状況等申立書は、長すぎるとダメなのですか?

長いこと自体は問題になりません。日本年金機構は申立書の続紙を様式として公開しており、欄が足りない場合は複数枚に分けて提出できます。

文字数の上限は定められていません

申立書に「何字以内」という決まりはありません。日本年金機構は本体の様式とあわせて続紙を公開しており、記載要領にも複数枚書いたときの枚数の書き方(1枚目はNo.1-2枚中、2枚目はNo.2-2枚中)が示されています。制度のほうが、長くなることを想定しているわけです。

問題になるのは「長さ」ではなく「中身」です

審査で見られているのは、国民年金法第30条・厚生年金保険法第47条に定める障害等級に該当する状態かどうかです。等級ごとの障害の状態は国民年金法施行令の別表と厚生年金保険法の別表第1に定められ、判断材料になるのは日常生活と就労の制限です。ここが具体的なら10枚でも構いませんし、関係のない記述で埋まっていれば2枚でも伝わりません。

残す記述と削る記述

記述の種類扱い理由
日常生活でできないこと(頻度・程度つき)必ず残す障害の状態を伝える中心部分
家族や職場から受けている援助の内容必ず残す援助の必要性は判断の考慮要素
受診していなかった期間とその理由必ず残す空白があると治癒を疑われる
病院・医師・職場への不満や批判削る等級判定には関係しない
「毎日つらい」などの感情表現言い換える状態の程度が伝わらない
傷病と関係のない生い立ちの経緯削る紙面を消費するだけになる

申立書から削ったほうがよいのは、どんな記述ですか?

申立書長文2

病院や職場への不満、傷病と関係のない経緯、抽象的な感情表現の3つです。いずれも等級判定の材料にならず、紙面だけを使ってしまいます。

不満や批判は、等級判定には使われません

「前の主治医は話を聞いてくれなかった」「会社が配慮してくれなかった」。ご本人には大きな出来事ですが、障害の程度を判断する材料にはなりません。ただし、配慮がなかったために欠勤が増えた、退職せざるを得なかったという結果まで書くなら、就労の制限を示す事実として残す価値があります。

「何もできない」は、削るのではなく言い換える

「何もできません」「毎日が地獄です」という書き方は、短くても伝わりません。削るのではなく、具体的に言い換えてください。

たとえば「足が痛くて歩くのがつらい」は、「杖を使っても連続で50メートルしか歩けず、途中で5分以上の休憩が必要」に。「うつ病で家事ができない」は、「意欲の低下で入浴は週に1回、食事は同居する母が用意したものしか食べられない」に。言い換えると文字数はむしろ増えますが、それでいいのです。

書いていたら便箋で5枚になってしまいました。さすがに長すぎますよね。

社労士

枚数は気にしなくて大丈夫です。中身を一緒に見せてください。生活の様子が具体的に書けているなら、そのまま出していただいて構いません。

ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか

障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。

※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。

逆に、削ってはいけない記述はありますか?

日常生活でできないことの具体例です。ここを削ると障害の状態が伝わらず、実態より軽く読まれてしまいます。

削りすぎると「軽い」と読まれます

簡潔にまとめようとするあまり、できないことの具体例まで落としてしまう方がいます。残るのは「家事が難しい」「外出しづらい」といった一般的な表現だけになり、どの程度の制限なのかが伝わりません。厚生労働省の「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」でも、家族の援助や福祉サービスの有無、仕事場で受けている援助の内容を確認したうえで判断するとされています。援助の中身を書き落とせば、その分だけ軽く見えます。

書ききれないときは、続紙を使ってください

枠に入らないから削る、というのは順番が逆です。日本年金機構が続紙を用意しているので、必要なことは書ききってください。無理に圧縮して提出したあとで「あれも書いておけばよかった」と悔やまれる方がいらっしゃいます。あとから書き足すことはできません。

社労士は、申立書のどこを添削していますか?

感情表現を事実に置き換えること、診断書との整合性、そして読みやすさの3点です。文章を短くすること自体は目的にしていません。

事実を、数字とエピソードに翻訳する

「つらい」「しんどい」を、誰が読んでも同じ状況が浮かぶ記述に置き換えます。何が、どのくらいの頻度で、誰の助けを借りてできているのか。この3点がそろえば、生活の様子が具体的に伝わります。

診断書とのズレは、消さずに説明する

申立書は、医師が作成した診断書と必ず見比べます。診断書で「できる」とされている項目を申立書で「まったくできない」と書くと、食い違いとして扱われます。ただし、ズレをなくすために事実を曲げる必要はありません。診察室では無理をして普通に振る舞い、帰宅後は寝込んでいるといった事情があるなら、そのまま補足として書いてください。

見出しと箇条書きで、読みやすくする

枠にびっしり詰め込まれた文章は、量が同じでも読み取りにくくなります。「就労状況」「日常生活の状況」「現在の困りごと」のようにテーマごとに区切り、箇条書きを使ってください。長さを変えなくても伝わり方が変わります。

よくある質問

Q. 申立書は何枚まで書いてよいのですか?

A. 枚数の上限はありません。続紙を使って複数枚提出できます。記載要領では、全部で2枚作成した場合は1枚目にNo.1-2枚中、2枚目にNo.2-2枚中と記入するよう示されています。

Q. 病歴の期間は、どのように区切ればよいですか?

A. 発病から現在までを期間をあけずに記入し、1つの期間が5年を超える場合は3〜5年ごとに区切ります。記載要領に明記されている書き方です。

Q. 通院していなかった期間は、空欄でよいですか?

A. 空欄にはせず、「受診していない」を選んだうえで、その間の症状や受診しなかった理由を書いてください。空白のままだと、症状が治まっていた期間とみなされることがあります。

Q. 日常生活の状況は、主治医に確認してから書くべきですか?

A. 確認は不要です。記載要領には、日常生活でご本人がどのくらいの不自由さを感じているかを記入するもので、主治医に確認する必要はないと明記されています。ご自身の実感をそのまま書いてください。

まとめ:短くすることが目的ではありません

病歴・就労状況等申立書は、長くなったから不利になる書類ではありません。問題なのは無駄に長いこと、つまり審査に関係のない記述で紙面が埋まることです。必要なことはきちんと伝えてください。不満や感情の記述を削り、その分を生活の具体例に使う。それが添削の考え方です。

長すぎないか気になるときは、枚数ではなく中身を見てください。迷う場合は、提出前にご相談いただければ一緒に確認できます。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。

参考資料

・国民年金法 第30条(e-Gov法令検索)
・厚生年金保険法 第47条・別表第1(e-Gov法令検索)
・国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン(厚生労働省)
・病歴・就労状況等申立書を提出するとき・様式・続紙・記載要領(日本年金機構)

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この記事を書いた人

請川 智章のアバター 請川 智章 社会保険労務士・障害年金専門

香川県観音寺市を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士
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