監修:社会保険労務士 請川智章(社会保険労務士登録番号 第37250012号/中四国障害年金相談センター 代表)
本記事は国民年金法・厚生労働省の疾病分類・日本年金機構の公表情報に基づき作成しています。
この記事の結論
気分変調症(持続性抑うつ障害)でも、日常生活や仕事に制限があれば障害年金の対象になります。
ICD-10では気分変調症(F34.1)は「気分[感情]障害」に分類され、原則として対象外とされる神経症(F4)とは区分が異なります。
認定基準に病名の記載はないため、診断書の傷病名とICD-10コード、生活の実態が正しく書かれているかが大切です。
「気分変調症は軽いうつだから、障害年金は無理だと思っていた」「神経症は対象外と聞いた」。何年も続く気分の落ち込みで働けなくなっていても、こうした理由で申請をあきらめている方は少なくありません。
この記事では、気分変調症が障害年金でどのように扱われるのか、神経症との違い、診断書で大切な点、長い経過がある場合の初診日を、国の資料をもとに整理します。
気分変調症でも、障害年金はもらえますか?
もらえます。気分変調症(持続性抑うつ障害)によって日常生活や仕事に制限があれば、障害年金の対象になります。
審査されるのは「病名の重さ」ではなく生活の制限
障害年金は、病名ではなく、病気によって日常生活や仕事がどの程度制限されているかで審査されます(国民年金法第30条・厚生年金保険法第47条)。気分(感情)障害の認定基準では、日常生活が著しい制限を受ける程度が2級、労働が制限を受ける程度が3級の目安です。「軽いうつ」と言われる病名でも、長く続く症状で生活が回らなくなっていれば対象になります。
3級があるのは初診日に厚生年金だった方だけ
障害基礎年金は1級・2級だけで、3級は障害厚生年金にだけあります。初診日(その病気で初めて医師の診察を受けた日)に会社員などで厚生年金に加入していたかどうかで、受けられる等級の範囲が変わります。
気分変調症は「神経症」として対象外になりませんか?
なりません。気分変調症は、国の疾病分類で神経症ではなく「気分[感情]障害」に分類されています。厚生労働省の「疾病、傷害及び死因の統計分類」(ICD-10準拠)での位置づけは次のとおりです。

| 気分変調症 | 神経症(不安障害など) | |
|---|---|---|
| ICD-10の区分 | F34.1(気分[感情]障害 F30〜F39) | F40〜F48(神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害) |
| 障害認定基準での扱い | 気分(感情)障害の区分で審査される(ICD-10の区分による) | 原則として認定の対象外(精神病の病態を示す場合を除く) |
| 診断書の記載要領 | F4ではないため、神経症圏には当たらない | 「神経症圏(ICD-10コードがF4)」と定義 |
「抑うつ神経症」という古い呼び方が誤解のもと
厚生労働省の疾病分類では、気分変調症(F34.1)に「抑うつ神経症」「神経症性抑うつ」といった古い呼び方が含まれています。名前に「神経症」が残っているため対象外と思われがちですが、分類上は気分[感情]障害です。
障害認定基準は「ICD-10の区分」を考慮すると定めている
障害認定基準は、神経症について原則として認定の対象としない一方、認定にあたっては「精神病の病態がICD-10による病態区分のどの区分に属す病態であるかを考慮し判断すること」と定めています。病名だけで判断せず、ICD-10の区分を確かめることが大切です。
昔の診断書には「抑うつ神経症」と書かれていました。やっぱり対象外でしょうか?
社労士あきらめる必要はありません。今の主治医に、現在の傷病名とICD-10コードがどうなるかを確認してみましょう。分類が分かれば、申請の見通しが立てやすくなります。
ご自身のケースが当てはまるか、迷っていませんか
障害年金は、同じ傷病でも初診日や日常生活の状況によって結果が変わります。記事だけでは判断がつかない部分も多いので、気になる点があればお気軽にお声かけください。ご依頼前のご相談は無料です。
※LINEと問い合わせフォームは24時間受け付けています。しつこい勧誘は一切ございません。
気分変調症の診断書では、何が大切ですか?
傷病名とICD-10コードが正しく書かれていることと、長く続く生活の制限が具体的に書かれていることが大切です。
診断書の①欄には傷病名とICD-10コードを書く
日本年金機構の診断書(精神の障害用)の記載要領は、①欄に「障害年金を請求する傷病名及び該当する ICD-10 コードを記載してください」と定めています。気分変調症ならF34.1です。コード欄が空いていたり、別のコードが書かれていたりしないか、受け取ったら確認しましょう。
「慣れてしまった不調」も具体的に伝える
気分変調症は症状が何年も続くため、本人がつらさに慣れてしまい、診察で「いつもどおりです」と答えがちです。家事を途中で投げ出してしまう、外出の予定を守れないなど、続いている困りごとをメモにして主治医に渡すと、診断書に実態が伝わりやすくなります。
何年も前から続いている場合、初診日はいつになりますか?
初診日は、気分の落ち込みなどの症状で初めて医師の診察を受けた日です。気分変調症は経過が長いため、初診日が何年も前になることが少なくありません。

昔のカルテがなくても、ほかの資料で示せる場合がある
日本年金機構は、最初の病院の証明が取れない場合に、2番目以降の病院が作成した受診状況等証明書や診察券、薬局の領収書、健康保険の給付記録などを参考資料として挙げています。請求の5年以上前に作られたカルテの写しに、本人が申し立てた初診日が書かれていれば、初診日が認められる場合もあります。
長い経過は、申立書に途切れなく書く
病歴・就労状況等申立書は、発病から現在まで期間をあけずに順番に書き、5年を超える期間は3〜5年ごとに区切るよう求められています。受診していなかった期間も含めて書くことで、何年も続いてきた生活の制限が審査に伝わります。経過が長くて整理が難しいときは、早めに専門家へ相談してください。
よくある質問
Q. 気分変調症は症状が軽いとされますが、2級になることはありますか?
A. あります。等級は病名の重い・軽いではなく、日常生活の制限の程度で決まります。食事や身の回りのことに家族の援助が欠かせないなど、日常生活が著しい制限を受けていれば2級の目安に当たり、2級は障害基礎年金と障害厚生年金のどちらにもあります。
Q. 気分変調症で働いていても、申請できますか?
A. 申請できます。等級判定ガイドラインは、仕事の内容や職場で受けている援助、出勤状況への影響などを考慮するとしています。休みがちになっている、業務を減らしてもらっているといった実態を伝えてください。
Q. 診断名が「持続性抑うつ障害」となっている場合は?
A. 持続性抑うつ障害は、気分変調症を含む新しい診断名です。障害年金の診断書ではICD-10コード(気分変調症ならF34.1)を記入するため、主治医にどのコードになるかを確認しておくと、審査での扱いを確かめやすくなります。
Q. 精神障害者保健福祉手帳がなくても申請できますか?
A. 申請できます。精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別の制度で、それぞれ別の基準で審査されます。手帳の有無や等級は、障害年金を請求するための条件ではありません。手帳の申請と障害年金の請求は、窓口も必要な書類も別々です。
まとめ:気分変調症も、障害年金の審査の対象になる
気分変調症は、ICD-10で気分[感情]障害に分類されており、生活や仕事の制限があれば障害年金の対象になります。まずは主治医に現在の傷病名とICD-10コードを確認し、最初に受診した病院と時期を書き出すところから始めてみてください。中四国にお住まいの方はもちろん、全国からのお問い合わせに対応しています。来所が難しくてもLINEで気軽にご相談いただけます。
この記事に関連する受給事例
更年期治療から始まった持続性気分障害でも認定されたケース|障害基礎年金2級|愛媛県
参考資料
・国民年金法 第30条(e-Gov法令検索)
・疾病、傷害及び死因の統計分類 第Ⅴ章 精神及び行動の障害(厚生労働省)
・国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害(日本年金機構)
・精神の障害用の診断書を提出するとき(記載要領)(日本年金機構)
LINEでのご相談手順(24時間受付)
当センターでは、外出が難しい方や遠方にお住まいの方でもスマートフォン一つでご相談いただけるよう、公式LINEでの無料相談を承っております。全国どこからでもご利用いただけます。
ご相談の流れは以下のとおりです。難しい入力は必要ありません。

- 下記のボタンをタップすると当センターの公式LINE画面に移動しますので、「友だち追加」ボタンからご登録をお願いいたします。
- ご登録後、当センターから案内メッセージが自動で届きます。
- 案内に記載された①〜④の選択肢から当てはまるものを選び、番号とお名前(姓だけでOK)をお送りください。(例)② 山田
- 内容を確認次第、社労士より直接お返事いたします。詳しいご事情はこちらから順番にお伺いしますので、まずは番号だけで大丈夫です。
皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
※スマートフォンからそのまま追加できます。
※しつこい営業等は一切行いませんのでご安心ください。
💡あわせて読みたい関連記事
関連ページ
お問い合わせはこちら
ご来所いただかなくても、お電話・メール・LINEのやり取りだけで申請まで完了できます。
香川県観音寺市の事務所を拠点に、全国どこからのご相談にも対応しています。









