障害年金の申請において、最も重要な書類の一つが診断書です。
しかし実際のご相談では、
- 診断書は医師が書くものだから任せていれば大丈夫
- 病名が重ければ認められるはず
- 症状が書いてあれば足りるのでは
といった誤解も少なくありません。
障害年金の診断書は、単なる「病気の証明書」ではなく、日常生活や就労にどの程度の支障があるかを評価するための資料です。
この記事では、障害年金の診断書がどのような視点で見られているのか、基本的な考え方をわかりやすく解説します。
障害年金の診断書は「病名」を見るための書類ではありません
まず押さえておきたいのは、障害年金は病名で支給される制度ではない という点です。
同じ病名であっても、「日常生活にほとんど支障がない方」と「生活全般に大きな制限がある方」では、認定結果が大きく異なります。
そのため診断書では、病名そのものよりも「その病気によって何ができなくなっているか」が重視されます。
診断書で重視される3つの視点

① 日常生活への影響
診断書では、日常生活動作(ADL)や社会生活への影響が重要視されます。
具体的には、
- 食事・入浴・着替えがどの程度自立してできるか
- 外出や買い物ができるか
- 金銭管理や対人関係に問題があるか
といった点です。
「できる・できない」だけでなく、どの程度の負担や支援が必要か が判断材料になります。
② 就労への影響
就労の可否そのものではなく、働くうえでどのような制限があるか が見られます。
たとえば、
- 長時間の勤務が難しい
- 配慮がなければ業務ができない
- 症状の波で安定して働けない
といった点です。
前回のコラムでも触れたとおり、働いていることだけで支給停止になるわけではありません。
診断書では、就労の「質」や「安定性」が評価されます。
③ 症状の持続性・安定性
一時的な体調不良ではなく、その状態がどのくらいの期間続いているか も重要な視点です。
- 良い日と悪い日の差が大きい
- 回復と悪化を繰り返している
- 長期間改善が見られない
といった点は、診断書を通じて確認されます。
診断書は「生活状況の評価書」という位置づけです
障害年金の診断書は、医師が患者の日常生活・社会生活の状況を医学的な視点で評価する書類です。
そのため、
- 病歴・就労状況等申立書
- 実際の生活実態
と診断書の内容に大きなズレがあると、認定で不利になることがあります。
診断書だけが単独で見られるのではなく、他の書類とあわせて総合的に判断される という点も重要です。
よくある誤解と注意点

誤解① 病名が重ければ認められる
病名が重くても、生活への影響が軽ければ等級に該当しないことがあります。
誤解② 診断書は一度書いてもらえば終わり
更新や再認定では、その時点での生活・就労状況 があらためて評価されます。
誤解③ 医師は年金制度をすべて理解している
医師は医療の専門家ですが、年金制度の評価基準まで詳しいとは限りません。
そのため、診断書の内容が制度上の評価ポイントとずれてしまう ケースも見られます。
診断書は結果を左右する重要な書類です
障害年金の認定では、診断書の記載内容が結果に大きく影響します。
とはいえ、無理に症状を大きく見せたり、事実と異なる内容を書くことは認められていません。
重要なのは、実際の生活や困難さが正しく伝わること です。
そのためには、
- 自分の生活状況を整理する
- 困っている点を言語化する
といった準備が欠かせません。
診断書に不安がある場合は専門家への相談も有効です

診断書の内容は、初診日や等級判断、更新結果にも関わる重要な要素です。
中四国障害年金相談センターでは、診断書そのものを書き換えることはできませんが、
- 診断書がどのように見られるかの説明
- 生活状況の整理のサポート
- 他の書類との整合性確認
などを通じて、申請全体をサポートしています。
診断書について不安がある方は、一人で悩まず、まずはご相談ください。
