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障害年金コラム・お役立ち情報

【てんかん】精神疾患?それとも身体?障害年金を受給するための「発作の記録」と認定基準

「てんかんがあるけれど、見た目には分かりにくいから障害年金は無理だろう」
「脳の病気なのに、なぜ精神障害として扱われるの?」
てんかんを抱えながら生活や仕事に苦労されている方から、このようなご相談をよくいただきます。
てんかんは脳の神経細胞の過剰な放電によって起こる疾患ですが、障害年金の制度上では少し特殊な立ち位置にあります。
結論から申し上げますと、てんかんは障害年金を受給できる可能性が十分にある疾患です。
しかし、その認定基準は非常に細かく、単に「発作がある」というだけでは不十分です。
本記事では、てんかんが制度上どのように扱われるのか、そして受給の鍵を握る「発作の記録」の重要性について、実務に精通した社労士の視点で詳しく解説します。

てんかんは「精神の障害」に分類される?制度上の扱いの正解

てんかんは脳という臓器の疾患であるため、身体的なものだとイメージされる方が多いかもしれません。
しかし、障害年金の世界では少し見方が異なります。

脳の病気なのに「精神障害」として審査される理由

障害年金の認定基準において、てんかんは「精神の障害」のカテゴリーに含まれています。
これは、てんかん発作が意識障害や認知機能の変容を伴うことが多く、その結果として日常生活や社会生活にどのような制限が生じているかを評価するためです。
かつては「神経系統の障害」として扱われていた時期もありましたが、現在は精神疾患(うつ病や統合失調症など)と同じ診断書様式(精神の障害用)を使用して審査が行われます。
この「精神の診断書を使う」という点に戸惑われる方も多いですが、制度上のルールとしてまずは理解しておく必要があります。

身体障害者手帳との「等級の違い」に注意が必要

ここで混同しやすいのが「身体障害者手帳」との違いです。
てんかん単独では身体障害者手帳の対象にはならず、基本的には「精神障害者保健福祉手帳」の対象となります。
注意すべきは、手帳の等級と障害年金の等級は必ずしも一致しないということです。
手帳で2級だからといって、障害年金も自動的に2級になるわけではありません。
障害年金には独自の「認定基準」があり、より厳密に「就労能力」や「日常生活の支障度」が問われることになります。

障害年金における「てんかん」の認定基準と等級の目安

てんかんで障害年金が認められるためには、大きく分けて「発作のタイプと頻度」および「日常生活の支障度」の2つの軸が重要視されます。

1級・2級・3級を分ける「発作の頻度」と「日常生活能力」

認定基準では、発作をその性質によってA〜Dの4つのタイプに分類しています。

  • A:意識障害を呈し、状況にそぐわない動作を示す発作(精神運動発作など)
  • B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作(強直間代発作など)
  • C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
  • D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作

これら「重い発作(AまたはB)」が月に何回起きているか、あるいは「比較的軽い発作(CまたはD)」が週に何回起きているかが、等級判定の直接的な目安となります。
例えば、2級であれば
「十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの 」
といった基準が設けられています。

「十分な治療にかかわらず」発作が続くことが受給の前提

認定基準において極めて重要なのが、「十分な治療にかかわらず」という一文です。
抗てんかん薬の服用や外科的治療によって発作が適切にコントロールされている場合、原則として認定の対象にはなりません。
つまり、「薬を飲んでいない状態で発作が出ている」だけでは、「まずは適切な医学的治療を受けてください」と判断されてしまいます。
「医師の指示通りに服薬し、適切な治療を継続しているにもかかわらず、それでもなお抑制できない発作(難治性てんかん)」であるという事実が、障害年金受給の入り口となります。

就労している場合の審査の厳しさと対策

てんかんの方は、発作時以外は健康な方と変わらず働けるケースも多いため、就労していると「支給停止」や「不支給」になるリスクがあります。
しかし、実際には
「発作の不安から高所作業や運転ができない」
「発作後の倦怠感で翌日仕事にならない」
「周囲の理解がないと雇用継続が難しい」
といった制限があるはずです。
3級であれば「労働に制限を受ける」状態が対象となるため、職場での配慮内容(短時間勤務、危険業務の除外、休憩時間の調整など)を具体的に申し立てることが、成功の鍵となります。

審査を左右する「発作の記録(てんかん日誌)」の書き方

てんかんの申請で最も失敗しやすいのが、「発作の状況が医師や審査官に正確に伝わっていない」ケースです。
これを防ぐ最強の武器が「発作の記録(日誌)」です。

てんかん2

医師に伝えるべき「発作の型」と「持続時間」

診察時間は限られています。
「最近どうですか?」「まあまあです」というやり取りでは、正しい診断書は書けません。
日誌には以下の項目を最低限記録しましょう。

  • 日時: 何月何日の何時頃か。
  • 発作の型: 意識はあったか、倒れたか、自動症(無意識な動作)はあったか。
  • 持続時間: 数秒なのか、数分続いたのか。
  • 前兆の有無: 特有の感覚や違和感があったか。

これらを一覧表にして主治医に提示することで、診断書の「発作の頻度」欄に実態に即した正確な数字が反映されるようになります。

「発作後の状態」が日常生活に与える影響を可視化する

てんかん3

認定基準の中には、
『その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定する。』
と書かれています。

  • 発作後数時間は意識が朦朧として寝込んでしまう。
  • 激しい頭痛や倦怠感が丸一日続き、家事が一切できない。
  • いつ発作が起きるか分からない恐怖で、一人での外出を控えている。

これらはすべて「社会的不利益」として評価の対象になります。
発作の回数だけでなく、その「余波」によって生活にどのような支障が出ているかを具体的に書き留めておくことが、適切な等級認定に繋がります。

診断書を依頼する前に!主治医とのコミュニケーションのコツ

診断書は、障害年金審査における唯一無二の「最強の証拠書類」です。
これを適切に書いてもらうためには、医師との連携が欠かせません。

診察時間の短さを補う「メモ」の有効活用

先生の前に行くと、つい「大丈夫です」と言ってしまう、あるいは緊張して伝えたいことを忘れてしまう方は多いです。
診察前に、前述の「発作日誌」に加えて「生活実態のメモ」を持参しましょう。
「一人で買い物に行くのが不安で家族に付き添ってもらっている」
「発作のせいで会社から配置転換を命じられた」
といった情報は、医師が診断書を作成する際の重要な根拠となります。
医師は診察室での様子しか分かりませんので、診察室の外での苦労を伝える工夫が必要です。

家族や周囲からの客観的な証言を診断書に反映させる

てんかん発作の中には、本人の意識がなく、自分では何が起きたか分からないタイプがあります。
この場合、本人の主観だけでは発作の正体を正確に記述できません。
ご家族や同僚など、発作を目撃した人の証言をメモにまとめ、
「家族によると、数分間一点を見つめて呼びかけに反応しなかったそうです」
「その後、倒れて全身を数分間痙攣させていました」
といった客観的な事実を医師に伝えましょう。
これにより、診断書における発作区分の正確性が格段に向上します。

まとめ:てんかんの障害年金申請は「事前の準備」が9割

てんかんは、発作がない時は「普通」に見えてしまうため、その苦しみが周囲や行政に理解されにくい疾患です。
だからこそ、障害年金の申請には戦略的な準備が欠かせません。

  • 制度上は「精神の障害」として審査され、生活能力も重視される。
  • 「十分な治療」を行っていることが前提であり、服薬状況が問われる。
  • 発作の「頻度」と「型」、そして「生活のしづらさ」を正確に記録し医師に伝える。

これらのステップを丁寧に行うことで、本来受け取るべき権利を手にできる可能性はぐっと高まります。
もし、「自分のケースで受給できるのか不安」「医師にどう説明すればいいか分からない」と迷われたら、ぜひ専門家である社会保険労務士にご相談ください。
あなたの「見えない苦しみ」を形にし、未来への安心を一緒に作っていきましょう。

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