「拒食症や過食症で仕事に行けないけれど、精神疾患として認められる?」
「主治医から『摂食障害は障害年金の対象外だ』と言われてしまった……」
摂食障害によって極度の低体重や体力の消耗、さらには深刻な抑うつ状態に陥り、日常生活がままならない方は少なくありません。
しかし、障害年金の審査において摂食障害は「原則として対象外」という高い壁が存在します。
「では、もう受給は不可能なのか」というと、決してそうではありません。
認定基準の「裏側」を正しく理解し、適切な方法で申請すれば、受給できる可能性は十分にあります。
今回は、摂食障害で障害年金を勝ち取るための「3つの突破口」と、診断書作成における重要ポイントを専門家が詳しく解説します。
なぜ摂食障害は「原則として対象外」とされるのか
障害年金の認定基準では、摂食障害は「神経症」に分類されています。
神経症は原則として、「精神病の態様(幻覚や妄想、現実検討能力の著しい障害など)を呈していない限り、対象としない」と定められているからです。
つまり、「食べられない」「食べ過ぎてしまう」という症状だけでは、どんなに生活が苦しくても門前払いされてしまうリスクがあるのです。
認定基準を突破する「3つのルート」

摂食障害で受給するためには、単なる「摂食のこだわり」ではなく、以下のいずれかの状態であることを明確に証明する必要があります。
1. 「精神病の態様」を呈していることを証明する
摂食障害の背景に、現実との乖離や強い強迫観念など、単なる神経症を超えた「精神病に近い状態」がある場合です。
診断書に「精神病の態様を呈している」旨を医師に明記してもらうことが、受給への最短ルートとなります。
2. 他の精神疾患(うつ病・人格障害など)を併発している
摂食障害の多くは、重度の「うつ病」や「双極性障害」などを併発しています。
この場合、主たる病名を「うつ病」などとして申請し、摂食障害はその症状の一部(または併発疾患)として扱うことで、精神の認定基準に乗せることが可能になります。
3. 深刻な「身体的合併症」を考慮する
極度の低体重による栄養失調、筋力低下、内臓疾患など、身体面に深刻な障害が出ている場合です。
この場合は「精神の障害」としてだけでなく、「代謝疾患」や「衰弱状態」などの身体的な観点からも、日常生活の制限を主張していくことになります。
審査を左右する「診断書」の具体的数値とADL

摂食障害の申請において、数値は嘘をつかない強力な証拠になります。
以下の項目が診断書に正確に反映されているか確認しましょう。
- BMI(体格指数):
低体重の程度は非常に重要です。
BMIが著しく低い場合(概ね15以下など)、生命維持の危険性や日常生活の著しい制限を裏付ける強力な指標となります。 - 血液検査データ:
アルブミン値や肝機能などの数値から、栄養状態の悪化を客観的に証明します。 - 日常生活動作(ADL):
「食事の準備ができない」「外出が困難」「入浴に介助が必要」など、具体的な生活の不自由さをエピソードとして医師に伝えることが不可欠です。
まとめ:病名で諦める前に、まずは現状の整理を
摂食障害での申請は、医師との連携と、制度への深い理解が不可欠な「難関」です。
しかし、あなたが現実に抱えている「働けない苦しみ」は、正しく評価されるべき障害です。
「自分の状態でももらえる可能性があるのか?」
「医師にどう伝えればいいのか?」
と不安な方は、一人で悩まずに専門家へご相談ください。受給への扉を一緒に開けていきましょう。
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