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障害年金コラム・お役立ち情報

障害年金の更新(再認定)で「等級落ち」や「支給停止」になるのはどんな時?

内科的な疾患や身体障害において、数値の安定や根本的な治療が行われた場合は注意が必要です。

例えば、肝疾患や呼吸器疾患などで血液検査や機能検査の数値が安定し、日常生活での制限がなくなったと記載された場合です。また、**「臓器移植(腎移植・肝移植など)」によって機能が安定したり、手術によって「人工肛門(ストーマ)を閉鎖」**して排泄経路が元に戻ったりといったケースは、認定基準の根拠そのものが変化した「分かりやすい改善例」として扱われます。

このように、客観的なデータや身体的な変化が「良くなった」と示していると、審査官はそれを「社会復帰や自立が可能になった」と判断する材料にします。

障害年金を受給している方にとって、数年に一度必ずやってくる「更新(再認定)」の時期は、落ち着かない日々が続くものです。
「もし年金が止まったら、今の生活はどうなってしまうのか」という不安は、受給者ご本人だけでなく、支えるご家族にとっても非常に切実な問題です。
障害年金には、症状が固定しているとみなされる「永久認定」と、一定期間ごとに診断書を提出して再審査を受ける「有期認定」の2種類があります。
現在、受給者の多くはこの有期認定となっており、定期的に「障害状態確認届(診断書)」を日本年金機構へ提出しなければなりません。
本記事では、社会保険労務士の視点から、更新時に「等級が下がる(等級落ち)」あるいは「支給が止まる(支給停止)」と判断されてしまうのはどのようなケースなのか、その具体的な理由と対策を詳しく解説します。

「等級落ち」や「支給停止」が決まる審査の裏側

更新の審査は、新規申請時とは異なる「継続」ならではの視点で行われます。
まずは、審査官がどこに注目しているのか、その舞台裏を理解しましょう。

前回提出した「診断書」との比較が最優先される

更新手続き1

更新審査において最も重要な基準となるのは、前回の申請(または前回の更新)で提出した診断書の内容です。
審査官は、前回の診断書と今回の診断書を並べて比較します。
「日常生活の制限がどれくらい緩和されたか」
「就労の状況に変化はないか」
を細かくチェックし、前回よりも「軽快(良くなっている)」と判断される具体的な記述があれば、等級変更や停止の検討対象となります。
つまり、更新手続きは「単独の審査」ではなく、「前回からの変化を確認する作業」であることを忘れてはいけないのです。

「症状の固定」と「改善」を審査官はどう見ているか

障害年金の等級は、その障害が「日常生活や労働にどれほどの支障をきたしているか」で決まります。
例えば、治療やリハビリによって症状が安定し、介助なしでできることが増えたと診断書に記載されると、審査官は「改善」とみなします。
特に精神疾患や内科疾患の場合、症状の波があるため、たまたま調子が良い時期に受診して診断書を書いてもらうと、実態以上に「改善した」と誤解されるリスクがあります。
審査官はあくまで「書類上の言葉」を信じるため、実態と書類の乖離が不本意な結果を招く最大の原因となります。

更新の頻度(1〜5年)が決まる基準とは

有期認定の期間は通常1年から5年の間で決定されます。
この期間が決まる基準は、ズバリ「症状が改善する可能性がどれくらいあるか」です。
若年層や、治療法が確立されており改善の見込みがある疾患は1〜2年などの短いスパンになりやすく、逆に高齢層や、現在の医学では劇的な回復が難しいとされる疾患は4〜5年と長くなる傾向があります。
更新期間が短いということは、それだけ「次の審査では状態が変わっている可能性がある」とマークされていることの裏返しでもあります。

医学的な改善とみなされる具体的なケース

診断書に記載される医学的なデータが好転した場合、それは当然、更新審査に直結します。

数値の安定や「機能回復」による影響

内科的な疾患や身体障害において、数値の安定や根本的な治療が行われた場合は注意が必要です。
例えば、肝疾患や呼吸器疾患などで血液検査や機能検査の数値が安定し、日常生活での制限がなくなったと記載された場合です。
また、「臓器移植(腎移植・肝移植など)」によって機能が安定したり、手術によって「人工肛門(ストーマ)を閉鎖」して排泄経路が元に戻ったりといったケースは、認定基準の根拠そのものが変化した「分かりやすい改善例」として扱われます。
このように、客観的なデータや身体的な変化が「良くなった」と示していると、審査官はそれを「社会復帰や自立が可能になった」と判断する材料にします。

精神疾患における「日常生活能力」の判定が上がった時

精神障害の診断書には「日常生活能力の判定」という、食事や身の回りの清潔保持、金銭管理などが一人でできるかを4段階で評価する欄があります。
前回の更新で「助けがないとできない(3)」が並んでいたのに、今回は「概ね一人でできるが、時々助けが必要(2)」が増えているような場合、等級落ちの危険信号です。
ご本人が「自分なりに頑張ってやっている」ことを医師に伝えた結果、医師が「自立できている」と判断して判定を上げてしまうケースが後を絶ちません。

リハビリテーションの効果が「改善」と判断されるリスク

リハビリを一生懸命に行い、杖を使えば歩けるようになった、あるいは装具を工夫して片手で食事ができるようになったというケースです。
ご本人にとっては努力の結晶ですが、障害年金の審査では「リハビリによって日常生活の制限が解消された」とポジティブに捉えられ、等級が下がることがあります。
特に肢体不自由の場合、リハビリ後の「現状」がそのまま認定基準に当てはめられるため、努力の結果が年金額の減少につながるという、受給者にとって非常に皮肉な現象が起こり得ます。

社会復帰や就労が審査に与える影響

年金の更新において、最も神経を使うのが「就労」との兼ね合いです。

「働けている=障害が軽い」とみなされるボーダーライン

更新手続き3

障害年金を受給しながら働くことは制度上認められていますが、更新時には大きなハードルとなります。
特に2級以上の受給者が「フルタイム」で働き、一般の健常者と同等の給与を得ている場合、審査官は「労働に著しい制限があるとは言えない」と判断し、支給停止に踏み切ることがあります。
重要なのは、単に「働いているかどうか」ではなく、その仕事が「障害への配慮なしに成立しているか」という点です。
配慮なしで働けているとみなされれば、それは障害の状態が軽くなったと判断される強力な証拠になってしまいます。

障害者雇用や就労支援事業所での勤務はどう評価されるか

一方で、就労継続支援A型・B型事業所での勤務や、一般企業の「障害者雇用枠」での勤務は、職場での手厚い配慮があることが前提となっているため、それだけで直ちに支給停止になることは稀です。
しかし、障害者雇用であっても、勤務年数が長くなり責任ある仕事を任されている、あるいは残業をこなしているといった実態が診断書に詳しく書かれると、「社会適応能力が高い」とみなされ、等級が下がるリスクが生じます。
就労の実態を、いかに「配慮を受けている状態」として正確に報告できるかがポイントです。

一人暮らしを始めたことが「自立」と判断される場合

精神疾患などで、これまでは家族と同居して身の回りの世話をしてもらっていた受給者が、一人暮らしを始めた場合も注意が必要です。
一人暮らしをしているという事実は、審査官に「食事や掃除、洗濯などを自力でこなせている」という印象を与えます。
もちろん、ヘルパーの利用や近隣の家族からの頻繁な支援がある場合は別ですが、何の援助も受けずに一人暮らしを継続できていると判断されれば、「日常生活に支障なし」とみなされ、停止の方向に動く可能性が高まります。

更新で失敗しないための「診断書」作成のポイント

更新審査の結果は、医師が書く診断書の内容でほぼ決まります。
医師に実態を正しく伝えているか、今一度確認が必要です。

主治医に「現状の最も悪い時」を正確に伝えているか

更新手続き2

診察の際、ついつい「最近はどうですか?」という医師の問いに「変わりないです」「大丈夫です」と答えてしまっていませんか?
医師は、あなたが診察室で見せる数分間の様子と、その時の返答で診断書を書きます。
障害年金の更新において伝えるべきは、元気な時の様子ではなく「最も調子が悪い時の状態」です。
普段の生活で何に困り、どのような介助を受けているのかを、遠慮せずに、あるいは誇張することなく「ありのまま」伝える勇気を持ってください。

診断書の「日常生活動作」のチェック欄が甘くなる罠

診断書の裏面には、具体的な動作ができるかどうかをチェックする欄があります。
ここを医師が「まあ、これくらいはできるだろう」と主観で甘く(軽く)つけてしまうことがよくあります。
例えば、家事について「できる」にチェックが入っていても、実際には「冷凍食品を温めるだけ」かもしれません。
医師には、その動作が「見守りなしで、適切な時間内に、安全に、繰り返し行えるか」という基準で判断してもらうよう、具体的なエピソードを添えて依頼することが重要です。

前回の診断書コピーを医師に提示する重要性

診断書を作成してもらう際は、必ず「前回の診断書のコピー」を持参しましょう。
前回の内容を医師に見せることで、今回との整合性を取ってもらうことができます。
もし症状が全く変わっていないのに、医師が前回の内容を覚えておらず、今回だけ軽く書いてしまったら、それだけで「改善」とみなされてしまいます。
主治医が変わっている場合は特に重要です。
前回の資料を提示し、「現状は前回と変わらず、これだけの制限があります」と視覚的に伝えることが、不当な等級落ちを防ぐ最大の防衛策になります。

万が一、不本意な結果(支給停止など)が届いたら

どれだけ準備をしても、納得のいかない結果が届くことはあります。
その時に取れる手段を知っておきましょう。

納得できない結果への「審査請求(不服申し立て)」

更新の結果、等級が下がったり停止したりした場合、その決定を知った日の翌日から3か月以内であれば「審査請求(不服申し立て)」が可能です。
これは、社会保険審査官に対して「今回の判断は誤りである」と訴える手続きです。
ただし、単に「困るから年金を戻してほしい」という感情論では通りません。
「診断書のこの記述が実態と異なる」「認定基準の解釈に誤りがある」といった、論理的かつ法的根拠に基づいた主張が求められます。
この段階では、専門家である社会保険労務士のサポートを受けることが一般的です。

一度止まった年金を復活させる「支給停止解除」の申請

審査請求が認められなかった場合や、一度は停止に納得したものの、その後再び症状が悪化してしまった場合には「支給停止解除」の申請(額改定請求に近いもの)を行うことができます。
停止されたからといって、受給権そのものが消滅したわけではありません(支給停止中という状態です)。
改めて、現在の重くなった障害状態を証明する診断書を提出し、再び認定基準に合致すると認められれば、年金の支給を再開させることが可能です。
諦めずに、ご自身の体調の変化を見守り続けることが大切です。

まとめ

障害年金の更新は、受給者にとって単なる事務手続きではなく、生活の安定がかかった大きな試練です。
しかし、更新の本質は「改善の有無を報告すること」であり、症状が変わっていなければ、本来は「現状維持」の結果が出るのが正解です。
不当な等級落ちや停止を避けるためには、日頃から主治医と良好なコミュニケーションをとり、日常生活の不自由さを客観的に記録し、前回の診断書の内容を把握しておくという、地道な準備が欠かせません。
もし更新を控え、ご自身での準備に不安を感じる場合は、早めに社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。
正しい知識と備えを持って更新に臨むことが、あなたの平穏な生活と受給権を守るための、最も確実な道となるはずです。

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