概要
- 35歳・男性・香川県
- 大動脈弁閉鎖不全症・全身性エリテマトーデス
- 強い倦怠感と疲労感、易疲労性、溶血性貧血、むくみ、労働・日常生活動作の制限
相談から申請までの経緯
相談
相談者様は10代の頃から腎臓に不調を抱えており、19歳のときに受診した際に大動脈弁閉鎖不全症と診断を受けました。
腎臓の状態を見ながら治療を続け、20代半ばには人工弁置換術を受けられています。
手術後に障害年金を申請しましたが、不支給の通知を受け、「自分は対象外なのだ」と諦めてしまわれました。
その後も腎臓の治療を続けながら生活していましたが、体調の波が大きく、仕事を続けるのが難しい状況が続いていました。
ある日、就労継続支援事業所の職員から「その状態なら年金の対象になるのでは」と助言を受け、もう一度挑戦してみたいと当センターへご相談くださいました。
治療と生活の状況
初診当初から腎臓と心臓の両方に疾患を抱えており、治療は長期間にわたって継続されていました。
心臓の状態は手術によって改善したものの、腎機能の悪化が続き、日常生活にも制限が必要な状態でした。
立ち上がるだけで息が上がることもあり、家事や買い物はほとんど奥様の支援に頼らざるを得ませんでした。
疲れやすく、長時間の外出や入浴も難しく、体調の悪い日は横になって過ごすことも多かったといいます。
仕事についても短期間の就労と療養を繰り返し、安定した生活を送ることができませんでした。
申請までの経緯
詳しくお話を伺う中で、人工弁置換術を受けているにもかかわらず不支給となっている点に疑問を感じました。
年金事務所で過去の申請書類を取り寄せて確認したところ、本来「障害厚生年金」として扱われるべきところを、誤って「障害基礎年金」として処理されていたことが判明しました。
相談者様は18歳から就職し厚生年金に加入していたため、本来であれば人工弁置換術を行った時点で障害厚生年金3級に該当していました。
しかし、制度上の誤処理により、不支給とされてしまっていたのです。
年金事務所との度重なる打ち合わせを経て、再度申請を行った結果、初回申請時の処理に誤りがあったことが正式に認められ、障害認定日時点での3級該当が再審査で確定しました。
通常は時効の5年を超える遡及はできませんが、今回は行政の誤りがあったため、特例的に14年分の年金(約830万円)が一括で支給されました。
結果
等級
障害厚生年金3級認定
受給額 遡及額
年金額 約63万円
遡及受給 約830万円(15年分)
まとめ
この事例は、制度上の処理誤りが後に判明し、再申請によって正しい等級認定が行われた極めて珍しいケースです。
当時は不支給とされても、それが必ずしも「対象外」という意味ではありません。
今回のように、手続上の誤りや認定時の判断ミスが原因で本来の権利が失われていることもあります。
審査請求や再申請を通じて正しい判断がなされることもあり得ます。
「昔申請したが不支給だった」「制度が複雑でよく分からない」という方も、ぜひ一度ご相談ください。今回のように、見過ごされていた権利が正しく認められることもあります。
障害年金の申請でお困りではありませんか?
循環器の障害(心筋梗塞、心臓弁膜症、拡張型心筋症、肥大型心筋症、肺高血圧症など)で日常生活や仕事に支障が出ている方は、障害年金を受給できる可能性があります。
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