概要
- 43歳・男性・愛媛県
- 双極性感情障害、アルコール依存症
- 激しい気分の変動、強い倦怠感と意欲低下、感情コントロール不能、アルコール依存、集中力・判断力低下
- 家庭内トラブル、暴力的言動、金銭管理困難(浪費・借金)服薬管理困難、社会的手続き不能
相談から申請までの経緯
相談
相談者様はおよそ10年前から気分の波や不安症状に悩まされ、複数の医療機関を転々としながら治療を続けてこられました。
仕事に行ける日もあったものの安定せず、長期欠勤を繰り返し、4年ほど前にも長期休職を経験されています。
近年は病状の悪化とともに体調の波が大きくなり、生活全般にも支障が出ていました。
身体障害者手帳2級も取得されており、今後の生活を心配された奥様から当センターへご相談いただきました。
治療と生活の状況
通院を始めた当初はうつ病と診断されましたが、その後、躁状態とうつ状態を繰り返すようになり、最終的に双極性感情障害と診断されました。
一時期はアルコールに依存するようになり、仕事や家庭生活への影響も大きく、家族の支援なしには生活が立ち行かない状況が続いていました。
入浴や食事など身の回りのこともままならず、通院や服薬も妻の声かけと管理がなければ難しい状態でした。
現在はアルコールを断ち、服薬治療と通院を継続されています。
うつ状態の時期には体が動かず長時間横になって過ごすことが多く、外出もほとんどできません。
職場では必要最低限の業務をこなすのがやっとで、試験や手続きなど複雑なことは奥様の支援が欠かせない状況が続いています。
申請までの経緯
本件では、認定日時点で通院していた医療機関に長期間の受診歴が残っていたことが大きなポイントでした。
当時の診療記録に加え、家族からの詳細な聞き取りをもとに作成した補足資料を添付したことで、認定日(過去の時点)における障害状態を客観的に再現することができました。
結果、認定日請求(遡及請求)が認められ、5年分・約320万円の受給につながりました。
病歴が長く、医療機関を転々としているケースでも、受診状況や家族の証言を整理することで、過去の状態を証明できる場合があります。
結果
等級
障害厚生年金3級認定
受給額 遡及額
年金額 約63万円
遡及受給 約320万円(5年遡及)
まとめ
この事例は、長期の通院歴と家族による生活支援記録を活かして認定日請求が成立したケースです。
双極性障害は症状に波があり、働ける時期と働けない時期を繰り返すことが特徴です。
そのため、「今は働いているから」「昔のことだから」と申請を諦めてしまう方も少なくありません。
しかし、今回のように当時の通院記録や家族からの聞き取りを丁寧にまとめることで、過去の状態を証明し遡及受給につながる可能性があります。
ご本人が病状をうまく説明できない場合でも、ご家族や支援者の記録が大きな助けになります。
長期にわたる通院や波のある生活でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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