概要
- 59歳・男性・愛媛県
- 大動脈閉鎖不全症・人工弁置換
- 易疲労、重量物運搬困難、筋力・持久力低下、運動制限
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は、当初高血圧の治療で内科に通院されていました。その後、睡眠時無呼吸症候群が見つかり、CPAP治療を開始されました。治療を続ける中で心雑音を指摘され、大動脈の検査を受けたところ「大動脈弁閉鎖不全症」と診断されました。
当初は投薬による経過観察を続けていましたが、徐々に大動脈瘤の拡大が見られ、主治医の勧めで外科的手術を検討することになりました。数年前に腹部大動脈瘤の手術を実施した後、大動脈弁置換術も行われました。退院後は心機能の安定が得られたものの、体への負担を考慮しながらの生活が続いています。
現在は息切れや疲れやすさがあり、重量物を扱う作業は避け、体への負担を抑える働き方へと切り替えられています。こうした経緯から障害年金の対象となることを知り、今後の生活の安定のために手続きを検討し、このような経緯で当センターへご相談くださいました。
治療と生活の状況
2度の大きな手術を経て現在は経過良好ですが、日常生活には一定の制限が残っています。力を入れる動作や体をねじる姿勢を避け、軽作業中心の仕事に従事されています。エンジンやタイヤ交換といった重量物を扱う仕事は行わず、医師からも過度な身体的負担を避けるよう指導を受けています。
腹部には人工血管が入っており、破裂を防ぐためにも日々の生活動作に注意を払っています。また、軽い運動でも息切れを感じることがあり、屋外での長時間作業や階段の昇降なども慎重に行っています。
一方で、介助を要する場面はなく、生活動作は自立されています。医師の指導のもと血圧のコントロールと定期的な経過観察を続けながら、無理のない範囲で仕事と生活を両立しておられます。
申請までの経緯
当センターでは、手術後の身体状況と就労制限について詳しくヒアリングを行い、日常生活における支障や注意点を整理しました。
そのうえで、主治医に診断書を依頼する際には「心臓への負担を避ける必要があるため重量物を扱えない」「息切れや疲労感により日常動作に制限がある」といった具体的な状況を記した診断書作成依頼書を添付し、医師に正確な状態を反映してもらえるよう依頼しました。
障害年金では、心疾患による手術後の心機能低下や活動制限も評価の対象となります。本件では人工弁置換後の回復状況をもとに、心機能と生活制限の両面から評価が行われました。その結果、障害厚生年金3級として認定されました。
結果
等級
障害厚生年金3級認定
受給額
年金額 約60万円
まとめ
本件は、大動脈弁閉鎖不全症による弁置換術および腹部大動脈瘤手術を経て、現在も生活上の制限が残るケースです。術後の経過は良好でしたが、息切れや持久力低下、体への負担を避けなければならないといった制限があり、職種や生活動作の見直しを余儀なくされました。
障害年金の申請では、手術の有無だけでなく「どの程度の身体的制限が残っているのか」「どのような生活に支障があるのか」を具体的に伝えることが重要です。
今回のケースでは、手術後の安定した通院経過を踏まえ、主治医と連携して生活の実態を診断書に反映することで、適切な等級認定につながりました。
心臓や血管の手術を受けた方は、症状が落ち着いていても体への負担を避けるための制限が続くことが多く、障害年金の対象となる場合があります。
当センターでは、循環器疾患や手術後の方が安心して手続きを進められるよう、医療機関との連携を含めたサポートを行っています。
障害年金の申請でお困りではありませんか?
循環器の障害(心筋梗塞、心臓弁膜症、拡張型心筋症、肥大型心筋症、肺高血圧症など)で日常生活や仕事に支障が出ている方は、障害年金を受給できる可能性があります。
当センターでは、初診日調査・診断書の依頼文作成・申立書の作成まで丁寧にサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。
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