概要
- 61歳・女性・徳島県
- 形成不全性変形性股関節症
- 股関節の強い痛みと強張り、跛行、階段昇降不安定、長時間歩行後の倦怠感と腫れ、起床直後の動きづらさ、重量物扱い困難
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は学生時代から運動が得意で、スポーツや日常生活の中で股関節の異常を感じることはありませんでした。
しかし50代に入ってから右脚の付け根に痛みを覚え、動かすたびに股関節が引っかかるような違和感が生じるようになりました。
当初は痛み止めや湿布薬でしのぎながら仕事を続けていましたが、徐々に痛みが増して歩行が不安定になり、バイクをまたぐことも難しくなりました。
事務職として勤務を続ける中でも、椅子から立ち上がるだけで痛みを感じ、通勤や買い物など日常生活にも大きな支障が出るようになりました。
医師の勧めで専門病院を紹介され、精査の結果「形成不全性変形性股関節症」と診断。
その後、痛みの悪化に伴い人工関節置換術を受けられました。
手術後の経過は良好でしたが、今後の生活や再発への不安もあり、障害年金の対象になるかどうかを確認するため、当センターにご相談くださいました。
治療と生活の状況
手術後はリハビリを経て歩行が安定し、職場にも復帰されました。
しかし、長時間の歩行や階段の上り下りでは股関節の倦怠感や痛みが残り、翌日まで影響することもあります。
転倒による人工関節の損傷を防ぐため、日常生活では常に動作に注意を払いながら生活されています。
仕事にも復帰されていますが、立ちっぱなしや急な動作を避け、無理のない範囲での勤務を続けておられます。
疲労や天候によっては痛みが強まる日もあり、体調に合わせて生活リズムを調整されています。
申請までの経緯
本件は、通常の障害認定日(初診から1年6か月)ではまだ症状が軽く、障害状態に該当していなかったため、当時の認定では対象外でした。
しかし、その後も痛みや歩行障害が進行し、最終的に人工関節置換術を受けるまでに悪化。
症状の重度化が明確であったことから、事後重症請求(認定日以降に障害状態となった場合の申請)で申請を行いました。
また、今回の病気は「臼蓋形成不全」という先天的な形態異常を背景にしたものですが、初診日が厚生年金加入中であったため、障害厚生年金の対象として申請できました。
出生時からの経過についてはご家族の記憶も確認しながら「病歴・就労状況等申立書」を丁寧に作成し、結果として無事に3級認定を受けることができました。
結果
等級
障害厚生年金3級認定
受給額
年金額 約63万円
まとめ
今回の事例は、臼蓋形成不全を背景とする変形性股関節症が時間の経過とともに進行し、最終的に人工関節置換術に至ったケースです。
認定日時点ではまだ障害状態に該当しませんでしたが、その後の悪化を丁寧に証明することで、事後重症請求による認定につながりました。
人工関節の手術を受けた方でも、「当時は軽かったから」「もう時間が経っているから」と申請を諦めてしまうケースがあります。
しかし、今回のように悪化の経過を明確に示せば、事後重症請求で受給が認められる可能性もあります。
股関節の痛みや可動域制限などで生活に支障を感じている方は、早めにご相談ください。
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肢体の障害(脳梗塞後遺症、脊髄損傷、関節リウマチ、変形性関節症、切断・麻痺など)で歩行や身の回りの動作が難しくなっている方は、障害年金を受給できる可能性があります。
当センターでは、初診日調査・診断書の依頼文作成・申立書の作成まで丁寧にサポートしています。
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