障害年金は、障害の状態や加入していた年金制度の種類、加入期間や給与の額などによって受給額が変わります。ここでは、代表的な年金額や加算制度について、わかりやすくご説明いたします。
障害年金の受給額

- ✓ 障害基礎年金
- ✓ 障害厚生年金
障害基礎年金の受給額
障害基礎年金は、国民年金に加入しているすべての方を対象とした制度です。障害の等級によって定額で支給され、収入や職業に関係なく受給できます。
- 障害基礎年金1級:1,039,625円(2級の1.25倍)
- 障害基礎年金2級:831,700円
さらに、扶養するお子様がいる場合には「子の加算」が上乗せされます。対象となるのは、18歳到達年度の末日までのお子様(一定の障害状態にある場合は20歳まで)です。
- 第1子・第2子:各239,300円
- 第3子以降:各79,800円
→ 831,700円+239,300円×2=1,310,300円/年
このように、家族構成によっても年金額は変動します。
障害厚生年金の受給額
障害厚生年金は、会社員や公務員など厚生年金に加入していた方が対象です。基本となるのは「報酬比例の年金額」で、これは加入期間中の給与や賞与を基に計算されます。
障害厚生年金の額は次のように定められています。
- 障害厚生年金1級
報酬比例の年金額 × 1.25 + 障害基礎年金1級(1,039,625円) - 障害厚生年金2級
報酬比例の年金額 + 障害基礎年金2級(831,700円) - 障害厚生年金3級
報酬比例の年金額(ただし最低保障額 623,800円)
さらに、障害厚生年金の1級または2級を受給している場合は、配偶者がいるときに「配偶者加算」がつきます。
- 配偶者加算額:239,300円
→ 831,700円+400,000円+239,300円+239,300円×2=1,949,600円/年
このように、厚生年金は報酬比例部分が加算されるため、収入や勤務期間によって受給額が大きく変わる仕組みになっています。
受給に必要な条件
障害年金は「誰でも受け取れる制度」ではありません。以下の条件を満たす必要があります。
- 初診日要件
障害の原因となった病気やけがについて、最初に医師の診療を受けた日(=初診日)に、国民年金または厚生年金に加入している必要があります。 - 保険料納付要件
初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの期間に、加入義務のある月数の3分の2以上で保険料を納めていること。または、初診日の前日において初診日のある月の前々月までの1年間に未納がないこと。
※免除申請をして承認されている場合は「納付済み」として扱われます。
※20才前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。 - 障害状態要件
国が定める障害認定基準に該当している必要があります。
1級:常に他人の介助を必要とし、日常生活がほとんどできない状態。
2級:日常生活が極めて困難で、自立した生活や労働ができない状態。
3級:労働に著しい制限がある、または制限を加える必要がある状態。
このように、障害の程度に応じて受給額や等級が決まります。
受給額のイメージと注意点
障害年金の金額は、基礎年金については定額ですが、厚生年金については加入期間や収入額によって大きく変わります。そのため、「自分はいくらもらえるのか?」は個別に計算しなければわかりません。
また、障害年金は一度決定したら終わりではなく、数年ごとに「更新(障害状態確認届(診断書)の提出)」が必要になる場合があります。症状が軽快したと判断されれば支給額が減額されたり、支給が停止されることもあります。
一方で、症状が進行した場合には、等級の改定や支給再開を申請できるケースもあります。そのため、現状に合った適切な申請・更新手続きを行うことがとても重要です。
まとめ
- 障害基礎年金:1級(1,039,625円)、2級(831,700円)+子の加算あり
- 障害厚生年金:報酬比例額を基礎に、1級・2級は基礎年金も合算。3級は最低623,800円。配偶者加算もあり
- 受給には「初診日」「保険料納付」「障害状態」の3要件を満たす必要がある
障害年金は、生活を支える大切な収入源ですが、申請や計算には専門的な知識が必要です。当センターでは、個別のケースに応じた受給額の試算や申請サポートを行っています。少しでも不安や疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。