概要
- 60歳・女性・愛媛県
- SAPHO症候群
- 関節の腫れと強い痛み、微熱と全身倦怠感、関節稼働制限、両手の居城困難、皮膚の膿疱、発赤、視力障害、日常動作の著しい制限
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は、かつて「溶血性貧血」などの血液疾患により障害基礎年金2級を受給していましたが、その後体調が回復し、支給停止となっていました。
しばらくは穏やかな生活を送っていましたが、再び発熱・倦怠感・関節痛が出現し、日常生活や就労が難しくなったことから、「もう一度障害年金を受けられないか」とのご相談をいただきました。
今回の症状は、以前の血液疾患とは異なり、関節や骨に炎症が起こる新しい病気(SAPHO症候群)であり、全身の関節に強い痛みと腫れを伴っていました。
そのため、単なる「再燃」ではなく、新たな障害としての扱いが可能であることを確認し、申請の方向性を整理していくことになりました。
治療と生活の状況
当初は発熱と関節痛が続き、両手や肩、背中にまで痛みが広がっていきました。
日を追うごとに痛みが強まり、手首をひねる・腕を上げる・腰を曲げるなどの動作がほとんどできない状態になっていきました。
就労中は介護施設で看護業務に従事していましたが、倦怠感と疼痛のため連続勤務が難しく、週4日の勤務を週1〜2日に減らさざるを得ませんでした。
それでも痛み止めや注射を受けながらどうにか勤務を続けていましたが、次第にそれも不可能となり退職に至りました。
家庭生活でも、衣服の着脱や洗顔、洗髪、入浴など、基本的な身の回りのことにも家族の介助が必要な状態。
被りシャツが着られず、下着のホックも留められないなど、両手の可動制限が顕著でした。
また、病気の活動期には寝返りも打てないほどの痛みが数週間〜1か月続くこともあり、食事の際も器を持てないためスプーンで口に運ぶなど、生活全般に深刻な影響が及んでいました。
さらに、病状の悪化とともにめまいや目のかすみ(ブドウ膜炎)が出現し、通院も家族の付き添いが欠かせない状況でした。
申請までの経緯
今回の申請は、過去に障害年金を受給していた経歴があるため、非常に複雑な手続きとなりました。
以前は「血液の障害」として基礎年金を受給していましたが、今回は「肢体の障害(SAPHO症候群)」としての申請となり、全く別の障害としての新規請求が必要でした。
そのため、過去の病歴や当時の記録を確認する必要があり、ご本人が大切に保管されていた診断書・紹介状・通院記録が大いに役立ちました。
これらの資料をもとに、初診日を厚生年金加入中と確認できたことで、障害厚生年金3級としての申請が可能になりました。
年金事務所での確認や書類の整合性確認に何度も足を運び、ようやく提出にこぎつけた案件です。
結果
等級
障害厚生年金3級認定
受給額
年金額 60万円
まとめ
本件は、一度障害年金の支給が停止された後に、別の障害で再び受給できた非常に珍しいケースです。
過去に受給歴があっても、「異なる診断名・新しい初診日」であれば、再度申請できる可能性があります。
また、当時の資料をきちんと保管していたことが、今回の申請成功につながりました。
SAPHO症候群は、骨や関節に炎症が広がる難治性の疾患で、日常生活への影響が非常に大きく、適切な診断と手続きが不可欠です。
当センターでは、長期的な病歴をお持ちの方や、過去に支給停止となった方でも、新たな障害としての再申請が可能かどうかを丁寧に確認し、受給の可能性を広げるサポートを行っています。

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