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受給事例:高次脳機能障害により障害基礎年金2級・5年遡及1000万円(男性・52歳)

概要

  • 52歳・男性・香川県
  • 高次脳機能障害
  • 記憶障害、判断力低下、思考力低下、注意集中困難、逆行性健忘
  • 新しいことの学習困難、習慣化しないと行動できない、自己認識低下、復職困難

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、ヘルペスウィルス脳脊髄炎を発症したことがきっかけで交通事故を起こされました。大きな外傷はありませんでしたが、その後の脳炎の影響により高次脳機能障害を発症し、記憶力や判断力が著しく低下。日常生活や仕事において大きな困難を抱えるようになりました。数年にわたる懸命なリハビリにもかかわらず、症状の改善は限定的で、発症前のような生活を送ることは叶いませんでした。復職を試みたものの、記憶の混乱や判断の難しさから業務を続けることができず、日常生活でも一人にしておくことが危険な状態でした。常にご家族の支援が必要な状況が続いたことから、奥様が中心となり「障害年金の申請をしたい」と当センターへご相談くださいました。

治療と生活の状況

発症後、ご相談者様は大学医学部附属病院でヘルペス脳炎と診断され、集中治療を受けられました。ICUでの治療後も意識混濁や記憶障害が続き、その後も十全総合病院で長期的なリハビリに取り組まれました。読み書きや計算、記憶訓練などを通じて回復を目指しましたが、自発的な行動や判断ができず、指示がなければ動けない状態が長く続きました。
退院後はご家族の援助のもとで生活されていましたが、服薬管理や食事、着替えなどの基本的な生活動作にも介助が必要でした。奥様が常に付き添い、日常生活のほとんどを支えておられました。後年、倉庫内での軽作業に従事できるまでに改善しましたが、記憶や判断に関する問題は残り、一人での行動や複雑な作業は依然として困難なままでした。

申請までの経緯

障害年金の申請にあたっては、長期間にわたる治療経過や働けなくなった経緯を整理し、さらに日常生活の実態を的確に反映した書類を整える必要がありました。しかし、ご本人は高次脳機能障害の影響により、自ら病歴や生活状況を振り返ってまとめることが極めて困難でした。奥様が代わって取り組まれましたが、複数の医療機関を受診していたこともあり、初診日や治療内容の整理には専門的な知識が求められました。
当センターでは、奥様から丁寧にヒアリングを行い、治療経過と生活の変化を時系列で整理。医師に診断書を依頼する際には、具体的な日常生活の制限や行動上の困難さを的確に伝えられるよう、依頼文を作成しました。ご家族の負担を最小限に抑えつつ、必要書類の整備から提出までを全面的にサポートすることで、申請を円滑に進めることができました。

結果

等級

障害厚生年金2級認定

受給額 遡及額

年金額 約200万円(配偶者の加算額含む)

遡及受給 約1000万円(過去5年分)

まとめ

高次脳機能障害は外見からは分かりにくい障害であり、その困難さを正確に書類で表現することは非常に難しいものです。しかし、生活の実態を丁寧にヒアリングし、症状を具体的に文書化することで、実際の障害の重さを審査側にしっかり伝えることが可能です。
今回のケースでは、ご本人のみならずご家族のサポートが不可欠であり、その努力と専門的支援の組み合わせによって無事に年金受給へとつながりました。同じように「申請したいけれど何から始めればよいか分からない」とお悩みの方にとっても、専門家の伴走支援が大きな助けになることを示す事例となりました。

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