概要
- 56歳・女性・香川県
- 関節リウマチ、右肘変形性関節症(人工関節)
- 手指・手首の強い痛みと強張り、握力低下、肩関節稼働制限、歩行困難、家事動作制限、運動制限、長時間の立位保持困難、歩行困難
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は20年以上前から関節の痛みに悩まされ、リウマチの治療を続けてこられました。
発症当初は痛み止めなどで症状を抑えながら仕事や家事を続けていましたが、年を追うごとに関節の腫れや痛みが強くなり、日常生活のあらゆる動作に支障をきたすようになりました。
特に朝は手指や手首がこわばって動かず、冷蔵庫やドアの取っ手を開けることすら困難な日もありました。
仕事ではパソコン入力や立ち座り動作が難しくなり、最終的には体調面から退職を余儀なくされました。
その後も治療を続けていましたが、徐々に関節変形が進み、右肘の人工関節手術を受けるまでに至りました。
長年の闘病生活を経て、将来への不安から障害年金の相談に来られました。
治療と生活の状況
治療開始当初は投薬調整と定期検査を繰り返しながら症状の安定を目指していましたが、効果が安定せず薬の変更に伴って体調が悪化することも多くありました。
関節の痛みやこわばりから日常生活にも制限が多く、特に手や指を使う動作に強い不自由さがありました。
洗濯や炊事では腕を上げることができず、調理中に鍋やフライパンを持つことも困難でした。
包丁で野菜を切ることもままならず、家事の多くを家族に助けてもらいながら生活を送っていました。
また、寒い季節には体のこわばりが特に強く、湯船で体を温めてからでないと動くことができないほどでした。
右肘の人工関節手術後は一定の改善が見られたものの、完全な回復には至らず、痛みや可動制限は現在も続いています。
日常生活では右肘のサポーターを常時使用し、簡単な動作であっても支えが必要な状態です。
申請までの経緯
今回の申請では、ご本人の希望により認定日(過去の障害状態)にさかのぼって請求を行いました。
しかし認定日からすでに20年以上経過しており、当時の記録や診療情報が十分に残っていないという大きな課題がありました。
どうにか当時の医療機関に診断書を作成していただくことができましたが、内容は限られた情報に基づくもので、残念ながら認定日時点では不支給の結果となりました。
一方で、現在の症状について提出した診断書では明確に日常生活への支障が認められ、現症による障害厚生年金3級の認定を受けることができました。
結果
等級
障害厚生年金3級認定
受給額
年金額 約60万円
まとめ
本件は、発症から長い年月が経過しているケースで、認定日時点の資料が不十分な中で現症認定が成立した事例です。
障害年金の認定では「当時の診療記録」や「初診日の証明」が極めて重要ですが、古い記録が残っていない場合でも、できる限りの資料を集めて申請を行うことで現症認定につながる可能性があります。
今回のケースでは、ご本人の粘り強い取り組みと医療機関の協力によって、少ない情報の中から現在の障害状態をしっかり評価してもらうことができました。
長期にわたる治療を続けている方や、昔の資料が残っていない方も、諦めずに一度専門家に相談いただくことをお勧めします。
当センターでは、古い案件や資料不足のケースにも対応し、可能な限り受給の道を探るサポートを行っています。
コメント