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受給事例:重度知的障害により障害基礎年金2級・5年遡及450万円(25歳・男性)

概要

  • 25歳・男性・愛媛県
  • 重度知的障害、両手指アテトーゼ
  • 言葉の理解・会話困難、意思疎通困難、金銭管理不能、一人での外出困難、環境適応に時間がかかる
  • 対人関係で緊張・混乱、日常生活全般に家族の支援が必要

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、重度の知的障害と手の動きに障害(アテトーゼ)がある男性です。
当初はお母様がご自身で申請の準備を進めておられましたが、仕事と家事の両立で手続きが進まず、気づけば「過去5年分までしかさかのぼれない」という時効が迫っていました。
ご家族の将来の安心のためにも早めに対応したいとの思いから、当センターにご相談いただきました。

治療と生活の状況

出生時には特に異常は指摘されませんでしたが、乳児期から発語が少なく、手を使う動作にも特徴が見られました。
保育園では動作がゆっくりで、言葉でのやりとりが難しい様子が見られ、保健師や保育士からも医療機関の受診を勧められていました。
小学校に入ってからも、文字の読み書きや計算が苦手で、特別支援学級での学習を続けました。
指導を受けながら徐々に言葉を覚えていきましたが、自分の気持ちをうまく言葉にできず、行動も母親や教師からの指示を必要とする状況が続きました。
成長とともに社会性も少しずつ身につき、高校では特別支援学校の寮生活を経験。
寮では教員の指示に従い、ルーティン化された行動は自分で行えるようになり、友人との関わりも増えていきました。
高校卒業後は就労継続支援B型事業所での作業訓練を経て、郵便局に就職。清掃業務に励むなど社会参加も果たしています。
ただし、作業を覚えるまでに時間がかかる、指示を理解するのに支援員のフォローが必要、会話の流れがつながらないなどの困難が残っています。
また、両手に力が入りにくいアテトーゼのため、細かい作業や金銭の扱いも難しく、生活全般においてお母様のサポートが欠かせません。

申請までの経緯

ご家族が長年記録してこられた療育センターでの経過や、支援学校時代の情報を整理し、障害の経過と日常生活の支援状況を詳細にまとめました。
初診時からの記録をたどり、当時の診断内容や通院履歴を確認することで、5年を超える遡及請求の対象期間を最大限にカバーできるよう手続きを進めました。

また、知的障害だけでなく、手指のアテトーゼによる身体的制限も併せて評価されるよう、医師と連携して診断書を作成。
結果として、精神と身体の両面で日常生活能力に著しい制限があると認められ、障害基礎年金2級の認定を受けることができました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額 遡及額

年金額 約83万円

遡及受給 約450万円(過去5年分)

まとめ

今回のケースでは、発達の遅れが見られながらも仕事や家事が多忙で受診や申請のタイミングが遅れてしまっていました。
しかし、障害年金では、正確な初診日や診断記録を整理することで、過去分(最大5年)の遡及請求も可能です。
ご家族の努力と医師・支援機関との丁寧な連携により、今回は無事に遡及を含めた受給につながりました。

知的障害や手足の運動障害など、先天性の症状であっても、適切な手続きを踏めば年金の対象となる場合があります。
お子様の将来のために、少しでも早い段階でのご相談をおすすめいたします。

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