概要
- 20歳・男性・愛媛県
- 知的障害、重度小児ミオクロニーてんかん、自閉症
- 頻発する転換発作、光過敏、言語発達の遅れ、常時解除必要、排泄行動の問題、社会的理解の欠如、感覚過敏
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は双子として誕生されましたが、生まれた時から低体重と貧血があり、生後まもなく激しいけいれん発作を繰り返すようになりました。
わずかな光や音にも反応して発作を起こすため、幼少期の多くを暗室で過ごす必要がありました。
その後もてんかん発作は頻発し、1歳を過ぎても言葉や動作の発達が見られず、成長とともに知的障害が明らかになっていきました。
お母様は長年にわたり昼夜を問わず発作への対応を続けながら、懸命に育児を続けてこられました。
学齢期には特別支援学校に通い、福祉サービスを利用しながら生活を続けてこられましたが、現在も言葉での意思疎通は難しく、食事・入浴・排泄などすべてに介助を必要とされています。
20歳を迎え、今後の生活を安定させたいとの思いから、障害年金のご相談をいただきました。
治療と生活の状況
発作の頻度は幼少期から高く、成長とともに一時的に落ち着いた時期もありましたが、現在も週に数回の発作が見られます。
光刺激への過敏さが強く、環境への配慮が欠かせません。
日常生活では言葉による意思疎通が困難で、食事・入浴・排泄・更衣のいずれも自立は難しく、常時の見守りが必要な状態です。
現在はご家族や支援員の方々に支えられ、福祉施設を利用しながら穏やかに生活されています。
申請までの経緯
当センターでは、まずお母様から出生から現在までの経緯・医療機関での治療内容・日常生活上の具体的な状況を詳しくヒアリングしました。
その内容を整理し、医師が診断書を作成しやすいようにまとめた「診断書作成依頼書」を作成して主治医に提出。医師が普段の診察だけでは把握しきれないご家庭での生活実態を、診断書に正確に反映していただけるよう丁寧に調整を行いました。
また、ヒアリング内容をもとに、発作の頻度や日常動作の困難さ、介助の実態などを詳述した「病歴・就労状況等申立書」を作成。
障害の経過と生活の実情がしっかり伝わるよう、医学的な部分と生活面の両側から整理しました。
さらに、年金事務所への確認作業や提出書類の最終チェックもすべて当センターで行い、申請が滞りなく進むようサポートいたしました。
結果として、重度の知的障害とてんかんの実情が正確に評価され、障害基礎年金1級の認定を受けることができました。
結果
等級
障害基礎年金1級認定
受給額
年金額 約110万円
まとめ
障害年金の「1級」は、日常生活のすべてにおいて他者の援助を必要とする場合にのみ認められる、非常に稀な等級です。
今回のケースでは、幼少期から続くてんかんと重度知的障害の影響を的確に伝え、医師と連携して実情を反映したことで、無事に認定を得ることができました。
長年にわたりお子様を支えてこられたご家族の努力が、ようやく形となった結果だと思います。
障害年金は、こうしたご家庭にとって「安心して暮らしを続けるための支え」となる大切な制度です。
20歳を迎えるお子様の将来に不安を感じている方は、ぜひ早めにご相談ください。
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