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受給事例:軽度知的障害により障害基礎年金2級(23歳・男性)

概要

  • 23歳・男性・香川県
  • 知的障害
  • 学習理解の遅れ、対人関係の苦手さ、強い緊張・不安感、癇癪・情緒不安定、自己表現困難
  • 衝動的な行動、判断力計画性の欠如、金銭管理不能、衛生管理困難、社会的手続困難

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は幼少期から人との関わりが苦手で、小学生の頃から特別支援学級に在籍していました。
勉強の進み方もゆっくりで、読み書きや計算を覚えるのに時間がかかっていましたが、周囲のサポートのもと、落ち着いた学校生活を送っていました。
高校に進学してから、教師の勧めで療育手帳を取得。ご家族もそのとき初めて「知的障害」という診断名を知ることになりました。
卒業後は就労支援の作業所で働きはじめましたが、人間関係のトラブルや環境の変化に対応することが難しく、何度か作業所を変わることになりました。
現在は別の作業所に通いながら、自宅で家族と生活しています。
作業所で障害年金の存在を知り、「自分も対象になるのだろうか」とお母様が相談に来られたのがきっかけでした。

治療と生活の状況

ご本人は、これまで病院での治療を受けることはありませんでした。
知的障害の特性として、物事の理解や判断に時間がかかり、複数のことを同時に行うことが難しい傾向があります。
日常生活では、食事や掃除、買い物など多くの場面でお母様のサポートが欠かせません。
食事はすべて母親の作ったものを食べ、掃除も声かけがなければ部屋が散らかってしまうことが多いとのことです。
金銭の管理も難しく、支援作業所で得た給与を一度に使い切ってしまうこともありました。
必要な買い物のたびに母親から必要額だけを預かり、買ったものとレシートを渡すという形で日常を過ごしています。
また、人とのコミュニケーションが苦手で、新しい環境や初対面の人に対して強い緊張を感じます。
家族以外の人と会話をすることが少なく、社会的な手続きや外出も母親の付き添いが必要な状態です。

申請までの経緯

当センターでは、これまでの学校生活や家庭での様子を詳しくお伺いし、障害の特性がどのように生活に影響しているかを丁寧に整理しました。
特に、「病院での診断がない」「療育手帳を持っているだけ」というケースでは、生活の実態を正確に伝えることが重要です。
お母様には、ご本人の日常生活での困りごとを細かく記録していただき、その内容をもとに医師に理解を求める書類を作成。
また、作業所での支援内容や、どのような配慮が必要かについても整理し、生活全体での支援が必要であることを明確にしました。
こうした資料をもとに申請を行った結果、ご本人の特性と生活上の制限が正しく評価され、障害基礎年金2級として認定されました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額

年金額 約83万円

まとめ

この事例は、軽度知的障害でありながら、生活上の支援が常に必要なケース です。
病院での受診歴がなくても、学校や家庭での支援状況、日常生活の実態を丁寧に整理することで、適切に評価されることがあります。
知的障害のある方の中には、「診断を受けていないから対象外」と思い込まれている方も多いですが、
大切なのは「日常生活でどの程度の支援が必要か」という点です。

ご家族が支え続けてきた日常の様子をきちんと形にすることで、障害年金の受給につながるケースは少なくありません。
同じように悩まれている方も、まずはお気軽にご相談ください。

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