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受給事例:脳腫瘍(膠芽腫)により障害基礎年金2級(女性・54歳)

概要

  • 54歳・女性・愛媛県
  • 脳腫瘍(膠芽腫)
  • 左片麻痺、筋力低下、歩行困難、転倒、易疲労感
  • 就労困難、日常生活動作困難

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、約7年前に左上下肢の痙攣と麻痺の症状が出現し、精密検査の結果「右前頭葉膠芽腫」と診断されました。以後、手術や放射線治療、抗がん剤治療を受けながら、懸命にリハビリに取り組まれてきました。
「まだ若いから頑張れるはず」という強い思いから、体の不自由さを抱えながらも自立を目指して努力を続け、転倒を繰り返しながら就労を試みるなど、できる限りのことを続けてこられました。
しかし、左半身の麻痺は徐々に進行し、動作が鈍く、転倒や外傷が絶えない状態となり、日常生活でも夫や家族の支援が欠かせなくなっていきました。ご本人はそれでも「もう少し自分でできるようになりたい」と努力を続けていましたが、その姿を見かねたご主人が「少しでも負担を軽くしてあげたい」と思い、障害年金の相談を申し込まれました。

治療と生活の状況

初発時には左下肢の軽い痙攣から始まり、数週間のうちに左半身の麻痺が進行しました。脳腫瘍摘出手術(右前頭葉膠芽腫)を受け、その後は放射線治療と抗がん剤治療を併用しながらリハビリを継続されました。
退院後しばらくは改善傾向にありましたが、数年後には再び左上下肢の麻痺が進行し、特に左下肢の動きが悪化しました。日常生活では転倒が頻発し、膝や顔、手などの外傷が絶えず、R4年には勤務中の転倒で左手を10針縫う大きな怪我も経験されています。
また、歩行や立位の安定性が低下しており、厨房など障害物の多い場所では特に危険が高いため、就労も継続できず、短期離職を繰り返す状況が続きました。
医師からは「麻痺の固定化が進んでおり、今後の回復は難しい」と説明を受け、R4年に身体障害者手帳(肢体不自由4級)の交付を受けています。
現在はリハビリを続けながらも、歩行・移動・炊事などの多くの動作に家族の援助を必要としており、自宅ではバリアフリーの環境で生活されています。

申請までの経緯

脳腫瘍の後遺症による障害は、見た目では分かりづらいことが多く、本人も「まだできる」「もう少し頑張れる」と感じてしまうため、実際の困難さが申請書類に十分反映されにくい傾向があります。
ご相談者様も、自立への意欲が強く、就労を試みるなど努力を続けてこられましたが、転倒や怪我を繰り返しており、生活動作の制限は明らかでした。
当センターでは、これまでの治療経過や生活状況、就労での支障などを詳細にヒアリングし、「一人ではできない動作」「家族の援助が不可欠な場面」「転倒や怪我の具体的エピソード」などを丁寧に整理しました。
さらに、主治医に診断書を依頼する際には、ヒアリング内容をもとに診断書依頼文を作成し、生活上・就労上の制限が正確に反映されるよう依頼しました。こうした支援により、本人やご家族がうまく言葉にできなかった部分を補い、申請手続きを円滑に進めることができました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額

年金額 約110万円(子の加算額含む)

まとめ

脳腫瘍の後遺症は、外見からは分かりにくく、本人が努力して動こうとする姿勢がかえって「まだできるのでは」と誤解されやすい障害です。しかし、日常生活の中で繰り返される転倒や怪我は、確実に生活機能が制約されている証拠です。
今回のケースでは、ご本人の努力とご家族の献身的な支援によって生活を維持されていましたが、自立は困難な状況でした。障害年金の受給により、経済的な安心を得て、リハビリや療養に専念できる環境を整えることができました。
「できることが少なくなっていく現実を受け入れながらも、前向きに生活を続けたい」と願うご相談者様の想いに寄り添う支援が実を結んだ事例です。

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