概要
- 59歳・男性・香川県
- 脳幹梗塞、エバンス症候群
- 左半身の麻痺、強いふらつき、めまい、階段昇降困難、言葉が出にくく呂律が回らない
- 強い疲労感と活動制限、入浴時の転倒・溺水の危険
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様はある晩、一人で就寝中に突然立ち上がることができなくなり、翌朝救急搬送されました。
検査の結果、「脳幹梗塞」と診断され、集中治療とリハビリを受けることになりました。
その後、薬の副作用により全身に発疹が出現し、さらに「エヴァンス症候群」という血液の難病も併発。
治療の中断や転院を余儀なくされるなど、体調の安定を図るまでに長い時間を要しました。
退院後もふらつきやめまいが強く、階段の昇降や入浴、着替えなど、日常生活の多くの動作に制限が残りました。
「このままでは働くこともできず生活が立ち行かない」と感じられ、障害年金の申請を早急に進める必要があると考え、当センターへご相談くださいました。
治療と生活の状況
発症後は入院治療を経てリハビリを継続しましたが、左半身の麻痺とふらつきが強く残り、日常生活全般に支障が出ています。
特に下を向くと強いめまいが生じるため、階段の昇り降りやトイレの使用にも支えが欠かせません。
自宅内でも壁伝いでなければ歩行ができず、調子が良い日でも短時間の活動で体力を使い果たしてしまう状態です。
入浴は椅子に座ってシャワーを浴びるだけにとどまり、立って身体を洗うことはできません。
着替えも時間をかけてゆっくり行う必要があり、ボタン付きの衣類はすべて避けています。
片足立ちやお辞儀といった動作も困難で、ふらつきによる転倒の危険から外出も制限されています。
話すときはゆっくりでないと言葉が伝わりにくく、会話にも大きな労力を要するとのことでした。
ご本人は「何もできなくなった」と落ち込みながらも、前向きにリハビリに取り組み、できる範囲での生活を続けておられます。
申請までの経緯
脳幹梗塞などの脳血管疾患では、一般的な障害認定日(初診日から1年6か月)を待たずに、初診から6か月以上経過した時点で症状が固定している場合には申請が可能です。
本件では、医師と密に連携をとり、症状が安定したタイミングで最短の申請が行えるよう準備を進めました。
発症後の治療経過・生活制限の詳細をヒアリングに基づき文書化し、医師の診断書にも反映。
麻痺やバランス障害だけでなく、細かな動作や言語機能、生活動作全般の困難さを的確に伝えたことで、障害厚生年金2級として無事に認定されました。
結果
等級
障害厚生年金2級認定
受給額
年金額 約230万円
まとめ
脳幹梗塞は、命に関わるだけでなく、後遺症として歩行や言語、バランス感覚に大きな影響を残すことが多い病気です。
今回のように、「発症から6か月以上経過した段階で症状が固定している」と医師が判断した場合には、通常より早い時期での障害年金申請が可能となります。
ご相談者様も、リハビリや通院を続けながら早期の申請に踏み切ったことで、生活の安定につながりました。
脳血管疾患による後遺症でお悩みの方は、あきらめずに一度ご相談ください。
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