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受給事例:脊髄損傷・胸椎腰椎脱臼骨折により障害厚生年金1級(21歳・男性)

概要

  • 21歳・男性・香川県
  • 脊髄損傷、胸椎・腰椎脱臼骨折、対麻痺
  • 両下肢麻痺(対麻痺)、歩行不能、下半身の感覚消失、排尿・排便障害、尿路感染の反復
  • 下半身の拘縮、筋緊張、体感バランス障害、座位保持困難、褥瘡

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、勤務中の労災事故により腰から下を重機に挟まれるという大きな怪我を負われました。
救急搬送後すぐに緊急手術を受けましたが、脊髄損傷により下半身の麻痺が残ると告げられました。
お父様から「労災保険だけでなく、今後の生活を支えるために障害年金も受けさせたい」とのご相談をいただきました。

治療と生活の状況

事故直後は長期間の入院治療が続き、ボルト固定の手術を受けて体幹を安定させました。
その後、専門のリハビリ施設に転院し、上半身の筋力維持や車いす動作の訓練など、日常生活に戻るためのリハビリを継続されました。
ご自宅に戻られた現在は、訪問看護やリハビリスタッフの支援を受けながら、日常生活を送られています。
下半身の感覚は失われたままで、歩行は不可能です。排尿・排便の管理が必要で、尿路感染症の再発や褥瘡の治療も続いています。外出は訪問リハビリの際に車いすで短時間の散歩を行う程度で、生活の多くを自宅内で過ごされています。

申請までの経緯

ご家族は当初、労災保険での補償を受けていたため、障害年金との併給が可能かどうかを心配されていました。
そこで当センターでは、労災と障害年金の併給関係を丁寧にご説明し、重複して受けられる範囲と注意点を明確にしたうえで、申請の準備を進めました。

まず、事故の発生状況・治療経過・現在の生活の様子を時系列で整理し、医師に診断書を作成していただく際の参考資料をまとめました。
脊髄損傷の診断書では、運動機能・感覚・日常生活能力のそれぞれについて詳細な記載が求められるため、
リハビリ内容や訪問介護の状況、家庭内でのサポート体制などを具体的に伝えることが重要です。
また、申請書類では「日常生活の制限」がわかるように、
・入浴・更衣・排泄などが一人では困難であること
・自力での移動や立位保持ができないこと
・体位変換に介助が必要であること
といった実際の生活状況を丁寧に文章化しました。
これらの資料をもとに障害厚生年金の請求を行い、必要に応じて年金事務所ともやり取りを重ねました。

結果

等級

障害厚生年金1級認定

受給額

年金額 約160万円

まとめ

若くして脊髄損傷という重い障害を負うことは、身体的にも精神的にも大変な苦難です。
しかし、障害年金制度を活用することで、生活の安定やリハビリの継続につながる大きな支えを得ることができます。
今回のケースでは、医師との連携とご家族の丁寧な情報整理が功を奏し、スムーズな認定につながりました。
障害年金は、病気やけがの種類に関わらず「今の生活がどれほど制限されているか」を基準に判断されます。
事故や労災のケースでも、適切に準備を行えば十分に対象となります。

私たちは今後も、ご本人とご家族の生活が少しでも安心に近づけるよう、丁寧なサポートを続けてまいります。

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