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受給事例:統合失調症により障害厚生年金2級・5年遡及650万円(46歳・女性)

概要

  • 46歳・女性・香川県
  • 統合失調症
  • 抑うつ状態、不眠・昼夜逆転、倦怠感、被害妄想、幻聴・幻覚、注意力・集中力低下、希死念慮
  • 衝動的な自傷行為、対人恐怖、外出困難、就労困難、家事遂行困難、社会的孤立

相談から申請までの経緯

相談

相談者様は20代半ばから統合失調症の発作を起こし、以降治療を継続してきました。
一時は社会復帰や結婚も果たしましたが、再び体調を崩し、就労や日常生活が著しく制限される状態が続いていました。
医師には「3級相当」と告げられ、また初診時が国民年金加入中と思い込み、申請を諦めていました。
しかしどうにか生活を立て直したいとの思いから、当センターに相談されました。

治療と生活の状況

発症当初は妄想・幻覚・不穏行動が強く、入院治療を経て退院後も長期にわたる投薬治療を継続しています。
一時的に症状が落ち着いた際には社会復帰を試み、事務職や接客業など複数の職場で働いたものの、対人関係のストレスや体調悪化により長く続けることができませんでした。
就労を続けようとする意欲は強いものの、実際には数週間から数カ月で退職を繰り返す状態でした。
結婚後も家事・炊事・洗濯などの日常生活の大部分を夫に依存しており、外出もままならない状態が続いています。
発作の再燃や不安発作が生じると、強い動悸・硬直・涙や混乱が起き、避難行動や対応が取れないこともあります。
希死念慮も完全には消失しておらず、時折衝動的に危険な行動を取りそうになることもあります。
医師の指導のもと薬物療法を続けていますが、副作用による眠気や倦怠感が強く、昼夜逆転の生活となっています。
現在は障害福祉サービスを利用し、買い物や炊事、掃除の補助、生活スケジュールの支援を受けています。
通院も体調によっては電話診療で対応しており、実際の通院は数カ月に一度が限界です。

申請までの経緯

当センターではまず詳細なヒアリングを行い、発症当初の職歴・年金加入状況を精査しました。
相談者様が記憶していた初診時期と実際の初診日は異なり、正確に確認したところ、初診時は厚生年金加入中であることが判明。
これにより国民年金としての「不支給リスク」を回避し、厚生年金としての請求が可能になりました。
また、主治医が「3級相当」と判断していたため、単なる医証提出ではなく、本人・家族からの詳細な生活実態を記した報告書を作成。
就労不能の実態、家事・外出・通院の制限、夫による生活支援の内容などを具体的に提示し、医師にも再確認してもらう形で診断書を依頼しました。
その結果、当初医師が想定していたよりも実際の生活制限が重度であることが明確となり、2級相当の診断書が作成されました。

結果

等級

障害厚生年金2級認定

受給額 遡及額

年金額 約160万円(配偶者の加算含む)

遡及受給 650万円(過去5年分)

まとめ

本件は、医師から「3級相当」とされ申請を諦めかけていた方が、専門家の助言と丁寧な立証により2級認定と5年分の遡及受給を実現したケースです。
相談当初は「自分はもう対象外だろう」「厚生年金ではないと思う」と感じておられましたが、初診日の再確認と生活状況の詳細な整理によって正確な請求が可能となり、結果として想定以上の高評価を得ることができました。
通知を受けた際には、「まさか2級で認められるとは思っていなかった」「しかも過去分まで受け取れるなんて本当に信じられない」と大変驚かれ、長年の不安がようやく報われたと涙ながらに喜んでおられました。
ご本人にとって、これは経済的な支え以上に「努力が正しく理解された」という精神的な救いでもありました。
障害年金の認定は、単に就労の有無や医師の一言だけで決まるものではありません。
実際の生活・就労上の制限をいかに正確に伝えるかが最も重要であり、それを丁寧に積み重ねることで、本来受け取れるべき権利がきちんと認められます。
障害年金は、本人が「もう無理だ」と感じてからではなく、「少し不安」と思った時点で早めに専門家に相談することで大きな差が出ます。
この事例は、医師からの評価に落胆していた方や、自分のケースでは無理だと思い込んでいる方にも「まだできることがある」と伝えられる、非常に象徴的なケースといえるでしょう。

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