概要
- 58歳・男性・香川県
- 糖尿病性腎症、人工透析、心臓弁膜症、心筋梗塞
- 慢性的な疲労感・倦怠感、息苦しさ、浮腫、筋力低下、呼吸困難、味覚障害、心臓弁膜症・心筋梗塞の併発
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は若い頃から糖尿病の治療を続けてこられました。
最初に病気が見つかったときには、足の傷がなかなか治らず、医師から「糖尿病による潰瘍」と説明を受けたそうです。
それ以来、インスリン治療を中心にコントロールを続けていましたが、次第に腎機能が低下していきました。
当初は自営業として製麺業を営まれており、ご自身のペースで仕事を続けていましたが、次第に体が思うように動かず、仕事を中断せざるを得ない状況に。
さらに、心不全や心筋梗塞も併発し、長期入院を経て腹膜透析から血液透析に移行した頃、病院のソーシャルワーカーを通じて障害年金の制度を知り、当センターにご相談をいただきました。
治療と生活の状況
糖尿病の診断を受けて以降、食事療法やインスリン治療を続けながら、仕事と治療の両立を図ってこられました。
しかし、年々腎機能が低下し、むくみや倦怠感が強くなっていきました。
あるときは呼吸が苦しくて横になれず、椅子に座ったまま眠るような日々が続いたこともありました。
最初は腹膜透析を導入し、日中に数回の透析を行いながら仕事を続けていましたが、やがて心臓の病気を併発し、体への負担が限界に。
血液透析へと切り替えた後も感染症を起こし入院が続き、退院後も週2回の透析治療が欠かせない生活となりました。
入院中に体重が大幅に減り、筋力も低下。
自宅の階段を上ることすら難しく、買い物や外出時にはご兄弟のサポートが必要な状況です。
また、腎機能の悪化によって味覚が低下し、食事も思うように楽しめないと話されています。
申請までの経緯
ご相談時にはすでに腹膜透析と血液透析を併用しており、透析歴も長期に及んでいました。
しかし、「自分のように働いてきた人間が年金をもらえるのか」と不安に感じ、申請を迷われていました。
当センターでは、透析導入の経緯や心臓疾患の併発、入退院の繰り返しなどを丁寧に整理し、医師に現状を正確に伝えるための資料を作成しました。
また、ご本人が感じている「疲労で体が動かない」「透析時間が生活の中心になっている」という実情を具体的に申立書にまとめ、日常生活の制限がいかに大きいかを丁寧に示しました。
結果
等級
障害基礎年金2級認定
受給額
年金額 約83万円
まとめ
この事例は、長年の糖尿病治療から腎不全に至り、透析治療を続けながら生活している方が、適切な手続きにより年金を受給できたケース です。
糖尿病による合併症は、少しずつ進行するため「まだ大丈夫」と思ってしまいがちですが、実際には透析や心臓疾患など生活に大きな制限をもたらすことがあります。
透析をしている方や、そのご家族の中には「働けているから対象外なのでは」と思われる方も多いですが、
障害年金は「働けるかどうか」ではなく、生活の制限や体の負担の程度 によって判断されます。
同じように慢性疾患でお悩みの方は、どうぞ一人で抱え込まずにご相談ください。
状況を正確に整理し、医師やご家族と連携することで、正当に評価されるケースは多くあります。
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