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受給事例:糖尿病性腎症により障害厚生年金2級(55歳・男性)

概要

  • 55歳・男性・愛媛県
  • 糖尿病性腎症・人工透析・2型糖尿病、緑内障、糖尿病性網膜症、末梢神経障害
  • 右目失明、左目視力低下・視野狭窄、足の痺れ・浮腫、歩行困難、全身倦怠感、易疲労性

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は30代半ばから糖尿病を患っており、同時期に右目の見えづらさを感じていました。
当初は特に大きな支障もなく仕事を続けていましたが、次第に視界がかすむようになり、検査の結果、糖尿病性網膜症や緑内障と診断されました。
複数回の手術を受けましたが、右目の視力は回復せず、最終的には失明に至りました。
その後も糖尿病の進行とともに足のしびれや感覚の鈍さが現れ、末梢神経障害によって歩行にも支障をきたすようになりました。
さらに腎機能の悪化が進み、腹膜透析を開始することになりました。
仕事を続けることが難しくなり、生活にも大きな負担を感じるようになったことから、「自分のようなケースでも障害年金を受けられるのか」と考え、当センターへ相談されました。

治療と生活の状況

糖尿病とその合併症に対して長年治療を続けてこられましたが、経過の中で腎臓、眼、神経など複数の臓器に障害が生じていました。
当初は内服薬とインスリン注射で血糖コントロールを行っていましたが、治療中断期間を経て再受診した際には血糖値が極めて高く、体重も大きく減少していました。
眼科では右目の硝子体手術や緑内障手術を受けましたが、視力の回復には至らず、現在は右目失明・左目視力も低下しており、日常生活では物の位置や段差の確認が困難です。
また、糖尿病性末梢神経障害の影響で足先のしびれや痛みが常にあり、長時間の歩行はできず、家の中でも手すりや壁を伝って移動する生活を送っています。
腎臓の機能は年々低下し、医師の勧めで腹膜透析を導入。現在も毎日透析を行っており、定期的に血液透析を併用する必要が生じています。
透析の準備・片付けにも時間と体力を要するため、外出や就労はほとんど不可能な状況です。
全身の倦怠感や浮腫も強く、家事などの基本的な生活動作にも家族の支援が欠かせません。

申請までの経緯

糖尿病を原因とする障害年金の申請は、初診日や因果関係の特定が難しいことが多く、慎重な準備が必要です。
ご相談者様の場合も、発症から20年以上が経過しており、当初受診した医療機関にはカルテが残っていませんでした。

そのため、当センターでは当時の健康診断記録や紹介状の写し、治療の経過を示す書類などを収集し、初診日の特定と疾患の連続性を丁寧に整理しました。
また、腎疾患・眼疾患・神経障害と複数の障害が重なっているため、どの診断書様式を使用するかについても慎重に検討を行いました。
主治医と綿密に連携し、糖尿病性腎症を主とする「腎疾患・糖尿病用診断書」を作成することで、身体全体に及ぶ障害の重さを適切に反映させることができました。
さらに、腹膜透析と血液透析を併用している実態、歩行や視覚障害による生活制限を具体的に文書化し、日常生活の困難さを訴える申立書を添付しました。
これらの準備を経て、提出に至りました。

結果

等級

障害厚生年金2級認定

受給額

年金額 約140万円

まとめ

本件は、糖尿病による多臓器障害(腎・眼・神経)を併発した重複障害事例です。
糖尿病そのものではなく、合併症による生活制限や透析の実態を正確に伝えることで、適正な等級認定を得ることができました。

特に、長期間にわたる治療歴や途切れた通院記録の整理、医師への的確な依頼文作成が重要なポイントとなりました。
「糖尿病だから難しい」「昔の記録がないから無理」と諦めがちなケースでも、丁寧に経過をたどり、医師や専門家と連携することで受給につながる可能性が十分にあることを示す事例です。

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